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ノリシロ -マラソン後-

通り過ぎてきた42キロ

その時のスピード感とは全く違う
人の流れに任せて会場の中を歩いて行く

当たり前の動作としてではなく
自分の悪い癖みたいな感じで
足をかくかくと前に出している




頭はまだぼんやりとしていて
視界の端の方は白い靄がかかっている



幌で作られた通路を通っていくと
ある開かれた広場に出た

そこには沢山の椅子が並べられていて
人々がぐったりとした身体を労わって
でも何かをやり遂げたという活気に満ち溢れて
誰かと楽しそうに話している




そこを何となく見渡していると
サトがいるのが見えた
友達もいるのが見える

その子は身体はとても小さいが
ずっとバスケをしていたみたいで
身体を動かす事がすごい好きみたいで
いろいろなマッサージや
身体に関する知識を披露していた

友達は椅子に座って足を揉んでいる
サトはその隣に立ってその足を見て何かを喋っている



ここにいる人達はみんな通り抜けてきた人達

お疲れ様

まだ距離がある
声もまだ出しづらく心の中でとりあえず声を掛ける





近づいていくと
突然座るという動作を思い出して
急激に座りたくなってきた



向こうが気が付いてくれた
いろいろな労いの言葉をかけてくれる



お疲れ様
走りきったね



いろいろこっちも話しかけたいが
最初に飛び出した言葉は
やっぱりというか悲しいかな




疲れたぁ




ぐたぁとして
それを口に出したら身体がフニャフニャになって
実際疲れてはいたけれども
むしろ有り得ないくらい
でもまだ把握し切れていない頭は
どれだけ疲れているかを知らないはずなのに
とりあえずで口に出してしまっている

さっきまで何て言おうか一生懸命考えていたのに
結局出てきた言葉は疲れただった



サトが椅子を勧めてくれた
いや大丈夫だよ
って一応断る

だってあんなに走ったサトはぴんぴんして立っている
そんなんで座っていいのか


と思いつつ
頭の中は座りたいという思いで一杯だ
座ったらもう当分立てなくなるぞ
って言い聞かせてみてももうダメだ


座ってしまった





身体は重い
パンパンに膨らんでいた頭の中から見れば
随分と落ち着いてしまって
さっきまで飛び跳ねていた思考は
風が止まったみたいにゆっくりと下の方に溜まってきている

何かさっきからずっと
自分が地面の方にどんどん近づいていって
そのうちめり込んでしまうような
そんな錯覚に陥っている

しかもそれになかなか抵抗が出来ない




身体も思考も口も重たい




でも何か喋らなきゃ
このままじゃ目までつむってしまって
真っ暗な底無し沼に落ちていってしまう







当然のようにサトは驚異的なタイムを持って
フィニッシュしていた

あのまま走りきったみたいだ

口ではすごい疲れたと言っていたが
その顔は生き生きとしていて
身体も逆に嬉しそうに元気一杯に見える


隣で足を万遍なくマッサージしている小さい子はどうやら
途中のポイントでタイムを越えてしまい
何回も拒否したが
遂に車に乗せられてゴールポイントまで送られてしまったらしい



いつも一生懸命喋るその子は
すごい悔しそうにそれを伝えてくれた

確かに自分より早く帰っていた事にかなりビックリはしていたが
まさかのその答えを全く予想していなかった

そういう可能性をすっかり忘れていた


何て言うべきか全然出てこなかった

そして自分も充分その可能性があった事を
改めて思い返して
そして身震いがした
今当たり前のようにここにみんなで座っているが
そうはならないその可能性は五分五分だ

いや五分五分どころではない
今まで通ってきた道を考えると
いつそうなってもおかしくなかった

そしてそれが現実になったと想像したら
きっと今ここから見えている景色は全く違うんだろうか



彼女の目を通してそれを感じようとしたが
それは叶わなかった
けれども必死に伝えるその言葉の節々から
滲み出てくる悔しさは
充分に沁み込んできた






ランナー向けに設置された
マッサージテントでマッサージを受けた

前ほどではないが気になっている膝の症状を説明して
ベットの上に横になる

どうやら突然長い距離を走るとなるらしい
よくマラソンを走る人がなるそうな


そうかただ怠けていただけか
ちゃんと身体を鍛えなくちゃいけないんだな
日頃きちんと自分の身体は衰えていってしまっているんだ





横になるとその姿勢がとても新鮮で
走りきった後の
興奮の熱が冷めだして
空っぽの中に少しくすぶっている熱が

夢を見すぎた朝のような感覚にさせる


横で何か説明してくれているが
どうしても頭の中で響くだけで
そのままどこかにいってしまう





マッサージが終わって外に出る

さっきのウイニングロードとでも言うのか
その場所に行ってみんなの走ってくる所が急に見たくなった


何か自分が走っている時の
その感覚
情報
それを客観的に手助けしてくれるモノが欲しかった

そして
同じ所を通って
それをやり遂げる自分の仲間達の姿を
その幸せな瞬間を共有したかった






その広場を出ようとすると
タイムを計測するために靴に付けていたチップを回収する所があった
渡すとさっき沿道で見たTシャツとメダルを渡された

自分がやってきた事の証
それによって自分にもたらされた物

そういうのは今までの人生で余りなかったな
そういう事に気が付いた

今までそういう事に対して固執してこなかったし
多分そういうふうに思おうとしていたふしもありそうだ
そういう考えだったから
そうやって手に入れた物を
誇らしげにすぐ身に着けたり
これ見よがしに家に飾ったり
あんまり理解が出来なかった
というより自分はしないだろうな
って思っていた


でも今手の中にあるそれらの物は
確かに自分の成し遂げてきた証であり
自分のいろいろなモノ

時間や

精神的にも

身体の何分の一かをもぎ取って
ぶつけた結果手に入った物

言うなれば自分の分身みたいな物
そうなったらとても愛しくなってきて
絶対に離したくない物になって


そしてそのもぎ取った身体の一部分を
元に戻すように
すぐに身に着けた


そうしたらすぐに幸せが襲ってきて
満足感に包まれる







それを来てみんなのいる所へ向かう
向こうの方にみんなが見える

Tシャツとメダルを見て
お疲れ様
って言ってくれる

両手を挙げたりして
それに答えたりする

だんだん気分が高揚してきた



ふと横を見ると
疎らに数人のランナーが
多分ゴールをもう意識しながら走っている

そうか今自分がいる所はさっき自分が眺めていた沿道なんだ
そう思うと不思議な気がしてきた



友達によるとどうやらもう愛二は通り過ぎたみたいだ
最後は走ってきたみたいだ


しまった
なんでマッサージなんか

でももうどうしようもない
その貴重な瞬間はあとで会った時に取っておこう
てか最後はやっぱり走ったんだな
みんな考える事は一緒だな

お疲れ様
愛二




このマラソンには僕達の他にも
学校の友達で沢山の人が参加していた

その人達を待つ

カーブから人影が見える度に目を凝らす


沿道には他の学校の友達が
マイクとギター
さらにアンプとスピーカーまで持ってきて
知り合いが通ると歌を歌ってその背中を押している




暫くすると見覚えのある黒いTシャツが見えてきた
間違いない尚吾だ

走っている

結局みんな最後は走って終わろうとしたんだな
みんな見栄っ張りだな本当に
自分に厳しくて
求めていて


今回のマラソンは想像以上に大変な壁だった
それをやり切る瞬間がやってきたんだ
みんなでやり切ったんだ

自然に声が出る

尚吾は左手を挙げて答える

ここがゴールでないのが悔やまれる
でもいい
その顔を見れただけで

お疲れ様
尚吾





沿道で声を掛けていると
向こうからみんながTシャツを着てやってきた

みんなで歓声を上げて抱き合う
みんな笑顔だ
疲労感は活気によって温かく包まれる

みんなで一緒になると
長い間独りで戦ってきたみたいな
それがやっと一緒になったような安堵感がやってきて
みんなはずっと後ろ盾になっていて
一緒に走っているっていう事が背中を何回も押してくれた




さぁまだやってきていない友達がいる
沿道に乗り出して先を見る

みんなにその思いを
その感謝を
伝えなくちゃいけない




一人一人
道の先から

遠い遠い道を辿ってきてやってくる


前日の夜に明日のスタートの時間を電話で聞いてきた人
制限時間関係なく10時間くらいで道を辿ればいいやと思っていた人
前日のパーティーのノリで急に参加申し込みした人
直前にみんなで軽い調整の為に走った時に5キロくらいで足が痛くなった人


はっきり言って
本気で完走するつもり無いでしょ
何て言い合ってた
そんな人達が
しっかりと足を踏み出してやってくる


さっきの完走は叶わなかった子が
走り寄って手を取って併走している
一生懸命に声を張り上げて気持ちを盛り上げている

反対側の沿道からは
スピーカーで大きく張り上げた歌声が流れてくる



それはとても感動的な映像で
自分の通ってきた道のりの辛さの記憶とその映像が
さっきまで空っぽだった心に注ぎ込まれて
熱く膨れてくる

溢れそうになるその感情は
声となって
手を叩く事によって
吐き出されて


そうすると手を挙げて答えてくれたり
頷いてみてくれたり



そうやってみんながゴールという場所に集まってくる





最後の場所
やり切った

でもみんなとても清々しくて
何かこれでは終われないような
そういううずうずした感情が表情に見え隠れしていて

そういう感情からか
みんなは口を動かし続けて
話し続けて



マラソンは最後でも
これからまた歩んでいかなくてはいけない
その足を使って家まで歩いていかなくてはいけない




何かの塊として日々は捉えることが出来るけれども
そうやってそれぞれが終了を迎えたりするけれども
その塊が端と端を決めているだけで
その塊はただ自分が設定しているだけで

これからも足を前に出し続けていかなくてはいけないのは確かだ

でも何か塊として考えた
その端に辿り付いた時の感情
アップダウンの末の達成感

それは次へのノリシロになる
そしてその鍛えられた身体は次のステップを自分に見せてくれる



そうやって新しい事を経験して
自分と向き合って
落とし込んで

ぶつけていく



その繰り返しのトレーニング






さぁ次は何をしてやろうかな








でももうマラソンはいいかな
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まどろみ -マラソン当日5-

折り返し地点には
沢山の人がいて
誰かを捕まえては
思い思いの持ってきた楽器を使って
声を掛けて応援している

でもランナーは黙々と
自分の殻の中でもがき苦しんでいるように見える
そして閑静な住宅街
その綺麗に整えられた静けさ
そして木々の爽やかさ
日差しを遮り

何となく寂しさを感じる風景
何か優しい温もりを感じさせるような
何も尖っていない柔らかさを
包み込まれている


自分の意識だけが飛び上がり
客観的にこの景色を眺め見下ろしている
悲しく優しく響く応援の声を
そして重なり合うように聞こえてくる足音
それらが心地よく響いている様
それを遠くに聞いている
そんな感覚が襲ってくる


ゆっくりと
でも速さは維持しながら
折り返し地点を回る


そうすると一回目と同じ様に
動作の新鮮さがやってきた
でもその身体を刺激する冷たい痺れは
周りの寂寥感と一緒になって溶解してしまって
代わりに心の中の平穏がやってきた
すごい落ち着いている


そうしたら

何か激動の出来事が通り過ぎ
そして今その時の疲れを癒す
精神的にも
肉体的にも
そして遠くを思い出すように
自分のしてきた事と
そして起こった出来事を振り返る
自然にそういう様に頭の中のシステムが動き出した


走り出して気持ちが良かった時
トップの信じられないスピードを見た衝撃的な時
一回目の折り返しを回って新鮮だと感じた時
三時間台で走りきれると思った時
疲れている事に気が付いた時
限界を見た時


ざーっと色々なモノが出てきて
一通り出て今の時間まで来ると
また戻っていって
それぞれの出来事について
色んな自分がコメントしていく
そうやって色々考えて
そうしてまた今の時間までやってくる
そうすると
出来事を評論してきた沢山の自分が
今の自分まで評論してくる


今何で歩いているのか
これからこのまま行くのか
気合いが足りないだとか
気合いだけじゃどうしようもないだとか
足はもう大丈夫なんじゃないか
いやまだ抑えた方が良い
我慢だよやっぱり
今までも我慢してこなかったからこうなったんだよ


そうやって頭の中でわめき合っている
その言葉を聴きながら
また違う自分
身体を持っている自分は
少し外側で
周りの静かな空気に触れて
優しく見守っている

何かもう何でもいいような
何もしなくてもそれでいいし
何かしなくてはいけないならやりましょう
ゆっくりと

心の中は本当に静かで
波が見当たらない



きっと表情も気持ち悪いくらいに
優しそうな顔をしてただろうな
いやそれはきっと
ただ気持ち悪い顔だな


そうしたら反対側のコースに
愛二がやってくるのが見えた
やばい変な顔見られたかな
それにしても想像していたよりも結構差が開いているな
愛二も歩いている
きっと辛そうに走っていたから
同じように30キロ地点辺りで歩いたんだろうな

声を掛ける
久し振りに会話が出来る

そうしたら溜まっていたみたいだ
支離滅裂に言いたい事が口の中に渋滞して
相手の答えに関係無く出て行こうとする
何とか抑えようとすると
あっという間にその時間は終わりを告げる

結局全然喋らずに終わった

また気の利いた事が言えなかった
冷静に考えると全然理解が出来ない
何でこうなんだろう
やっぱり
今自分の頭の中はいつもとは違う状態になってて
大変だな付き合うのが


それにやっぱり疲れてもいるし
あんまり考えきる事も出来ない
大体尻すぼみになっていく気がする

でも心は平穏を保っているから
淡々と歩いて行っている
そんな感じがする




久し振りに日差しを感じて左を見る
そうするとそこには運河が横たわっていて
その向こうにさっき通り過ぎてきたビル群が
その手前にはヨットハーバーがあり
無数の白いヨットが折り重なるように揺れている

自分のすぐ目の前には
カップルがベンチに座り込んで運河と
遠くのビル群の景色を見ながら
何かを語り合っている
いつもの休日の光景だ

まったりとした時間が流れていて
自分の好きな時間の過ごし方
そして景色も悪くない
でも悲しいかな
今一番先に出てきたのは
あそこまで戻らなくては行けないのか
長い
遠い
そういう辛さ

その景色は
今の心の平穏にも波を立たせた
少しずつ波は大きくなってくる

ずっと足を前に出して歩いている
いつの間にか足の状態を気にせずに
自然に歩いていた
きっと散歩が好きで
よく歩いていたのが良かったのかもしれない
まさかこんな所で役に立つとは思わなかったが
けれども
心の波が今の足の状態を気にさせ
そして足の痛みを認識するに至った

大丈夫かな
またその考えの中へ行く事になった


この状態で最後走れるかな
結構歩いてきた
これは回復しているのか
それとももう体力も使い果たして
これから歩く事すら辛くなっていくのか
いやもしかしたらもう走れるかもしれない


久し振りに少し走ってみようか
勇気を振り絞る
今回はゆっくりと
早歩きから徐々に順序を辿って

そうしたら
やっぱり足の痛みは襲ってくる
でも行けない事はなさそうだ
もう少し歩いていけば
最後の所はちゃんと走れるかもしれない

最後を念頭において
今度はゆっくりと速度を落として
歩きに戻る


なんだ行けるじゃないか
意外にいけるのか
まだ距離はありそうだけれども
でもどうやらこれ以上歩く事も出来なくなる
それはなさそうだ
そう思ったら色々な重みが取れてきた

最後どれだけ走ろうかな
ラスト2キロか1キロか
そういう事を考えていたら
反対側のコースに見覚えのあるTシャツが
尚吾だ

久し振りに見る尚吾
スタートの時以来だ
歩いている
かなり辛そうだ
スタート走り出してすぐ
ランナーが靴につけなくちゃいけないチップ
そのチップが足首に当たって痛い
そういう事を言っていた
あれはどうなったのだろう
またさっきみたいに何かを話し出して
前のめりになると
ぐちゃぐちゃになっちゃいそうだから
それは後で聞こう
ゆっくり
簡単な事を言い合って

また後で

そうやってすれ違った


そうか
また後で
もうすぐマラソンは終わる
そうしたら一体何を話すんだろう
どう話すんだろう
みんなどんな感じなんだろう
みんな辛そうだけど
自分もかなり辛いけど
どうやらみんな完走はしそうだ

その後は平穏なんだろうか
それとも興奮なんだろうか



マラソンの記念Tシャツと思しきモノを着て
沿道を歩いていく人が見えてきた
マラソンを完走すると
大会の記念Tシャツ
それとメダルが貰える
その人達の胸にはそのメダルがきちんと乗っかっていて
その存在感を
まだ走っている自分に示してくる

あと少しだ
さっき39の標識を通り過ぎた
もうすぐ40が見えてくるだろう

さてどうしよう
足の状態は確かに走れない訳ではない
でも瞬間的なモノなだけで
いつ何が起こるか分からない
今精神も肉体もボロボロに破かれていて
走った時に被る負担を
カバーする程の力が残っていない

あと2キロ
そこから走り出して
そして途中で止まったら
そこはきっともうゴールの直前だ
そんなとこで止まったら
もう回復する暇もなく
そのままゴールする事になってしまう
それだけは避けたい


40の標識が見えてきた
さぁどうするか

何となく標識を見つめていると
無意識に標識に近づいていって
すぐ横を通る事になった
標識を見上げる事になった



でも

そのまま歩いて通り過ぎた
しっかりと今溜めて
そして最後1キロ
思いっきり走って
出し切ろう




そう自分に言い聞かせた
少しいい訳くさい
それは自分でも少し認識できる

ずっと歩いてきた
まだリミットの時間までは十分あるし
このまま歩いて行ったって全然問題は無い

完走出来る
大丈夫だろう

今更走り出してもあんまり意味ないし
走るのも本当に直前でもいいじゃないか
むしろ結局自己満足なんだし
別に走らなくてもいいか

そんな感情が心の下の方に溜まってきて
見ないようにはしていたけれども
足が知らぬ間に沈んできてしまっている



いやそこは走らないと
そんな事言い始めたら何も意味がなくなってしまう
マラソンだって
そんな事なんだったら走る必要だってないんだし

何とかその泥沼に立ち向かおうとするけれども
けれどもなかなか手強い

そのどんどんと重くのしかかる感情は
延々とまとわりついてくる



そうやって振り払おうと
頭の中で抗っていると
急に外側から沢山の声が聞こえてきた

最後の直線に入ったんだ

沿道にはさっき見た沢山の人々が
柵に乗り出して声を上げている




来たんだ遂にここまで
前を見た
前に集中する

周りの応援が自分の後ろから熱を持って流れ込んでくる
まだまとわりついてくる泥は
それらの熱によって段々と沸騰してきた
その濁りが溶解し
さらさらの透明な液体になって自分の身体から離れていく



まだ小さいけれども
赤色と白色と
ぼんやりと輪郭がぼやけて混ざり合っている二色が見える

視界では完全に捉えきれないけれども
自分の頭の中ではしっかりと像を結び
そこに42の数字が書かれているのを確信している




今度こそ来たぞ
自分

やれるのか


でも完全に消え去ったと思った感情は
まだ自分の表面の所に少しだけこびり付いている

それに気が付くと
また成長を始めようとしてくる


ふざけるな


何とか押さえ込もうとする
そうやって戦いあっている間に
標識の数字はもうとっくに確認出来る
むしろもうすぐそこだ


近づくにつれて
頭の回転はどんどんと速くなり
ぐるぐると回りだして
もう把握が出来ない

沿道の人達はどんどんと増えていき
それに伴って声援を大きくなってくる

頭の中はヒートアップしてきて


熱い


今まで忘れていた
強い日差しを感じる
どっからやってくるんだ

もうどこに太陽があるのかわからない
どの方向からも熱さの刺激を感じる



標識がやってきた

まだ自分は歩いている


その横を通り過ぎていこうとする
もう標識は通り過ぎる



あー
何なんだ一体
何も生み出せないぞ

こんな事に答えをいちいち待っていたら
時間がかかってしょうがない

全部ひっくるめて
ぎゅうぎゅうに押し込んで思いっきり投げ飛ばしてやる

飛び込め
やるぞ
もう行くぞ



標識が視界から見えなくなった
ちょうどその時
頭の中の回転のスピードが今までで一番早くなった時



走り出した




右足の次に左足
そしてまた右足


久し振りに風を感じた



熱がパンパンに篭っていたからなのか
いきなり走り出して
そしてどんどんと無意識の中でスピードが速くなっていった


どうやら走れる
しかも結構




やっぱり走れたんだ
でもそんな事は言ってもしょうがない

今これから
最後まで
走りきろう


とりあえずまだどうなるかわからない
あんまりスピードを上げないで
きちんとペースを守って行こう

そうやってこんな所だけアドバイスの我慢をしようとする
もう出し切るだけなのに



でも最後のゴールを見ていない自分は
一体あとどれくらいあるのかわからなくなっていた
今まで歩いていたので
走ってあとどのくらいの時間走らなくてはいけなくなるのか忘れてしまっていた

さらにマラソンの最後の0.195キロをすっかり忘れていたのにも気が付いた
いくら走れるといっても結構辛い
この195メートルはとてつもなく長い
今の自分にとって

今までマラソンの話になって
なんなんだこの195メートルは
って話によくなった気がする

そして想像して
やっぱり最後のこのちょっとの距離は辛く感じる事になるんだろうなって
そう考えていた


その想像は間違っていなかった



急に走りきれるか不安になってきた
でももう走り出した
やりきるしかない




目の前の所で曲がり角がある
その未知の方からより大きな活気のある声が聞こえてくる

その先にゲートのような物も見える

ゴールだ


ゴール




本当にこのマラソンにはゴールがあったんだ
この動作に最後はあるんだ
当たり前なのに凄いびっくりして

少し物足りなさを感じて
そして早くその中に飛び込みたい気持ちもあって

そうやってカーブを曲がった


ゲートが見える
沿道には相も変わらず人が続いているが
さっきよりは疎らな気がする

ついさっき聞こえてきた大きな声援は
まだ向こうの方から聞こえてくる



まだ先があるのか
ちょっとそれは困る

悔しいが最後の辺りなのは間違いない
何とか最後の力を
というより気力を振り絞って足を前に出す



ゲートの側に友達がいた
ゴールだ
間違いない

あー

完走だ
みんなに会ったら何て言おうか
最初の感想
一番初めの言葉は何にするべきなんだ

いろいろ多すぎてよくわからない
わかりやすく一言で言おうとすると
辛い
が出てきてしまう

よくわからない
バランスがとれない

さっきみたいにとめどなく話したい事が溢れてくるかもしれない
力尽きて口すら動かないかもしれない



道がまだ曲がっている
またゴールではないゲートが

道はどんどんと狭くなってきた



大きなカーブがあったかと思うと
両側にスタンド席があって少しの直線の先にゲートがあるのが見えた




間違いない
このシチュエーション
周りの雰囲気は

これはゴールだ



やっとフィニッシュラインを把握できた
すべてを使い果たして倒れこんでもいい
その場所を確認した

その直線は
それを把握してしまった自分には少し短すぎるように感じたけれども
それは仕方が無い
思いっきり走りきろう
スピードを上げて走り抜こう

そうやってスピードを上げようとした
そうしたら前を走っていた人がスピードを上げた
ラストスパート

そしてその前を走っていた人を抜こうとしている


そんな事しちゃうんですか
自分はもう完走できればいいって
そういうふうに思っているのに
前の人を抜いちゃうんですか

そういうのは良くないよ
その気なら自分も早く走ってしまうよ



そうやって思いっきりスピードを上げたら
想像以上に自分の足が回転し始めて
その惰性でもう力を入れなくてもどんどん回転数が上がっていくのを感じる

こんな体力は一体どこに隠れていたんだ
やっぱり歩いてしまったのは精神のせいなのか


そんな事を思ったりして
そして自分の想像の中ではあっさりと
二人共をゴボウ抜きにして
その勢いでそのままゴールラインを超えた



超えた


ゴール




これが





最後はどうやってゴールしようか考えていた
でもいつの間にか
スピードを上げて前の人を抜こうとしている間に

ゴールをした




すべてを通り抜けてきた
色々なアップダウンを繰り返し

最後はここに辿り着いた



今ゆっくりと歩いて
どこに行けばいいのか
今から何をすればいいのか
よくわからない

把握できていないし
把握する努力もなかなか億劫だ

周りにはつぎつぎと走り終わってくる人達がいるみたいだが
よくわからない
スタッフの人がタオルを持って待っていたりする


ゴールした瞬間は何か暑いものが頭の中にくすぶっていたが
今すぐそのもやもやは引いていき
ずーっと何かに埋め尽くされていた
頭の中は
急に醒め切って
その余白を埋める物も見つからなくて
その軽くなった頭を抱えながら
ぼーっとさっきまでの勢いを残した足に引きずられて前に歩いている


ゴールした瞬間の景色ははっきりと輪郭を持っていた
今それらはエッジをなくしている
水の中から眺めているみたいだ

時間が経てば経つほどその感覚が襲ってくる



そのあやふやな感覚の中に
プールの底に光るライトのような物が揺らめいている


よく感じてみた





ゆっくり考えてみた


それは自分が成し遂げた確かなモノ




42.195キロを
マラソンを走りきった事だった

それだけは確かなんだ
今自分はあんまりしっかり考えられないが

自分を確かめるために
それが拠り所になっていた

日陰の中へ -マラソン当日4-

水がおいしい
身体の隅々まで伝わっていく



今までは走りながら飲んでいた
だからきちんと口で受け止める事が出来ずに
道路に撒き散らしながら

そしてあんまり飲んだら身体が重くなったり
横っ腹が痛くなったりしてまずいかな
そういう気持ちもあって
そんなに摂取していなかった






今自分は歩き始めてしまった
自分に休憩を与えよう
そういうつもりで歩いていた


水も今回のマラソンで初めて沢山
本当にごくごくと音が出るように飲んだ



給水所には何個かに一つ
水とは別にスポーツドリンクみたいな飲み物がある箇所がある

まだ尚吾と走っていた時
一番最初に給水所で水を取った時
尚吾が水だと思って取ったのはスポーツドリンクだった
走りながら飲むから身体中に溢れて
ベトベトになって気持ちが悪い

そんな事を言っていた
それから給水所で水を取る時は
ちゃんと水か確認して取るようにしていた




今目の前にある給水所は両方とも置いてあるみたいだ
兎にも角にも何か自分の身体を助けてくれる物を摂取したい
そう思ったら今まで避けていたスポーツドリンクが
何て素晴らしい物が置いてあるんだろうか
っていうくらい眩しく見えてきて

水をコップ一杯しっかり飲んだ後に
またスポーツドリンクを取り上げて飲んだ
そしてその後
ベトベトになった口の中をすっきりする為に
また水を取って今度は半分程飲んだ

何かを沢山身体に取り込みたくて一生懸命だった






飲みながらどうするか考えた
どうする自分
これからすぐ走り出すか
それとも本当に歩いてこのまま行ってしまうのか
または走ったり歩いたりを繰り返すのか


早くしないと足はすぐに動かなくなる
今流し込んだ水が
身体中を蝋のように伝って
そして纏わり付いて
固まって動かないようになってしまう




この給水所は32キロ地点
あと10キロ

決めている間にもしかしたら足が本当に固まって
歩く事すら出来なくなってしまうかもしれない
そしたら完走する手段は無くなってしまう



もういい

今は走る事だけ
前に足を踏み出す

その繰り返しの作業に一刻も早く戻ろう


それからだ
それから考えよう
歩いているだけじゃよく今の自分の足の状態も判らない
実は走れるかもしれないし








気持ちではそううそぶいているけれども
身体はそうは思わないみたいだ
紙コップをゴミ箱に捨てる動作が無意識に遅く丁寧になる



マラソンの給水所の周りは大変に汚い
何故ならみんな走りながら紙コップを取るそして飲む
だから水は飛び散り
そしてみんな走りながらそこら辺に投げ捨てて行く

ボランティアの人は次から次に来る人の為に
延々水を入れ続け
そして散らかった紙コップを片付けるのだ

大変な作業





ただこの32キロ地点の給水所は少し様子が違う
その道路に散らばっている紙コップの量が極端に少ない
そして捨てたゴミ箱を見てみると沢山の紙コップが

先を見ると自分と同じようにきちんとゴミ箱に入れている人がいる

その人は歩いている
よく見渡してみると
今まで気が付かなかったが歩いている人が結構いる

そうかみんなこの距離辺りから歩き出してしまっているのか
だからみんなゴミ箱にいれる余裕が出来てきて





何かとても気が楽になって
少し肩の力が抜けて
自分のペースでゆっくりやろうかなって
別に今はもうタイムとか誰かよりとか
そんな事は何処かに落としてきてしまっていて
そういうふうに考えてはいたけれども
改めてそれを認識して


そしてその気持ちから出発した
走り出そう






足に力を込めて
前に押し出す






何とかさっきのスピードまで持っていこうと
徐々に動きを速くしていこうとする

足の動きは
身体の動きは
段々とさっきと同じ動きに

走る動作が身体の中で完成される




ある段階まで来ると
イメージと記憶の中の走る動きとピタリと重なる

そうすると急にスイッチが入ったみたいに
さっきまでの辛かった記憶が黒い雷雲のように
頭の中に広がって一面覆われてしまう

トラップを仕掛けられて
見事にはまってしまった
そんな感じだ



そしたら身体の中のダメージも見事に再現されて
急激に足が重く感じる







また止まってしまった








何キロ何メートル進んだか
そういうレベルの話ではない

たったの十歩くらい
それですぐにまた歩き出してしまった




このマラソンは1キロ毎に表札が経っていて
距離を知る事が出来る

今まではあんまり気にしていなかった
目に留まったら
あぁ今これくらいなんだ程度に


でも今その赤地に白く数字が書いてある
その表札がとても待ち遠しい





まだまだ33の白い文字は見えてきそうに無い





前を歩いていた
もうそれなりに歳を取ってきている人
その人は何とか走り出し
そして走り続けて
身体を傾かせたと思ったら
カーブで見えなくなってしまった

自分はまだまだ方向転換の準備をするまでには
随分と距離があった




どうしようか
足はどうやら当分いう事をきいてくれない

ずっと歩き続けるのか

今の状態だと歩き続けるのも一苦労だ
歩き続けてでも何とか完走しよう






そうか完走だけはしなくては

今ここまで来ると
昨日まで頑張ってイメージしていた
ゴールの時の映像
それがより具体的に頭の中で描けるようになってきた

大会の雰囲気
フィニッシュの時の疲れ具合
足の状態
自分の今の服
天気





その時をイメージすると
元気が出てくる


やばいその時だけは走ろう
走ってゴールラインを切ろう
じゃあ何キロ先から走り出すか

5キロか
いやあと10キロ弱でこの状態で半分走り続けるのは
ちょっと流石に無理かもしれない

じゃあその5キロを二回に分けるか
これから少し歩き続けて
よさそうな所で走り出し
そしたら気合入れて自分を追い込んで
折り返し地点までは行けるんじゃないか

それからきっとまた力尽きて
歩いて
2,3キロ前辺りで
最後なんだから出し切る感じで
もうどうなってもいいって
そういうつもりで走り出したら
それくらいは走れるだろう

きっと





今まで一歩一歩を足し算してきたこのマラソン
それがいつの間にか後何キロだろうって
引き算になって

何となくこのマラソンが終わりに近づいているのを感じさせる






そうやって考えたら
今歩いているのはとても大事な時間に思えてきて
さっきまでは沿道からの声援に答えられずに
とても辛かった
その気持ちが跳んで行き
今堂々と歩いていられる


周りを見渡す余裕も出てきた



自分は今どんどんと抜かされていく

いたいたこんな人

この人も

殆ど自分が抜かして行った人だ
記憶にある


何か惨めになるけれども
でもしょうがない
今の自分の身体の限界は30キロだったんだ

そういうふうに受け止めた


そう考えると
走り抜けていく人に後ろから声を掛けてあげたくなる
自分のペースで
そしてきっと完走するんだぞって


中には自分の倍以上の歳の人も通り過ぎていく
信じられない
びっくりして
それから身体が大事な事
健康という事
当たり前のその重要性を改めて感じる

自分もああやって人生を挑戦し続けて
過ごしていけるんだろうか

その体力
必要だな
もっと鍛えようかな





そうやって元気な姿を想像して
活力を自分の中に探し出そうとした

今自分は歩いている人にもどんどんと抜かされて行く

そんな弱々しく進んでいったら
何時まで経ってもダメだ
せめてもう少し
歩くのも速く
もう少し

せめて前をずっと歩いている
その人よりも速く歩こう





やっと速さというモノを自分の中に取り戻そうと
自分の足を確認しながら試行錯誤している時
ふと名前を呼ばれているような気がして周りを見渡した

左の沿道か
前のコースか

全然どこにいるかわからない

まさかと思って右のゴールに向かうコースを見ると
今自分の中には全く想像すら出来ないようなスピードで
駆け抜けて行くサトがいた

そしてあっという間に
会話をするどころかこっちが返事をする事も出来ず
走り去ってしまった


すごい
本当にすごい
もうすぐゴールしてしまうじゃないか

また一回
サトと自分を比べてしまった事を
心の中で謝った



今までレベルが違いすぎて
視界に入ってこなかった隣のレーンを見ると
さっきまで一緒に走っていた
その人達がゴールに向けて
ラストスパートをかけているのが見える

本当に走れるんだ

きっとこのペースだと
一回も止まらずに走り続けているんだろう

この人達には
どこで一回歩いて
どこからまた走って
また休んで


そんな感覚は当然のように無いんだろうな



確かに前までマラソンは走るんだから
走り続けるのは当たり前に思っていたし
そうするもんだと思っていたけれども
今実際に走っていて
そんな事自体がもうすごくて





みんなすごい
感心して

サトもみんなもすごい





そういえば愛二と尚吾はどうなったんだろう
自分はもう歩いてしまっている
いつ愛二に抜かれてもおかしくない

咄嗟に後ろを振り返る


何かその動作に違和感を覚えて
そういえばこのマラソンで後ろを振り返るのは初めてだな
てかマラソンは本当に前を向いて
走り続けて
そういうスポーツなんだな


とか思いながら探す
けれども見当たらない


もしかして二人も歩いているんだろうか




どちらにしても今は歩き続けなくては
前に向き直る
そうすると今日ずっと付き合ってきた景色が
また視界に戻ってくる


でもその一瞬の視界の転換は
自分に折り返し地点のような
気持ちの新鮮さを与えてくれたみたいだ

少し足が軽くなったような
もしかしたら走れるんじゃないだろうか


余裕が出てきたので
少し立ち止まって走る為にストレッチをしよう




今まで止まったといっても
走るのをやめて歩き出しただけで
まだ一度も立ち止まってはいなかった

だからこんなに身体全体が棒のようになって
五本の棒がただ紐で括り付けられているような
だらんとして重く垂れているモノになっているとは思わなかった

走れる気がしたのに
一体これはどういう事だろう

でも兎にも角にもストレッチを
そう思って電柱をつかって腿を伸ばそうとする
そしたらすごく重くなってて
足を上げるのが一苦労で
楽になる感じも無く
下ろすともっと足が重くなった気がして

それだけで疲れてしまいそうで
やめよう
何か今全然意味のある事じゃなさそうに思えて


動いたらさっきよりも辛くなってる気が
やばい今すぐに歩き出そう




そしたら不思議と歩いている時の方が楽に感じた
ストレッチは結局全然出来ていない
どうなんだろうか

きっとストレッチが少しでも効いたんだろうけれども
でも止まるのはもうよそう
そう思った




むしろ走ったりした方がもっと楽になるんじゃないか
そんな事を考えて走り出そうとする

けれどもそれは流石に無理みたいだ





これはあと二回走るなんて無理だな
一回走って
歩いて休んで
また最後走る

最後が走れなくなってしまう
大事なのは最後走る事だ



考えてみると歩く事は休みではない
頭ではそう考えていたが
歩くのも結局は身体に負担がかかっている

いつもは足を動かす一番単純で基本的な動作
だからなかなか日常生活では感じる事が無い
そうなのに今歩くその負担をとても感じる

一歩一歩
歩くだけできちんとダメージを受けている
その実感が身体の中にある




二回は厳しそうだ
最後の走りに集中するしかない




そうしたらもうそこの地点まで歩き続けていくしかない
そこまで何とか早く行こう
リズムを整えて
走る為の準備を

地面を踏みしめて
しっかりと蹴って
前に出す

それを意識して歩こう
そしてなるべく速く






周りには自分の目の前で歩き出す人もいた
歩いている人が走り始めたりした
自分はそこにただいて
いろいろな現象が起っているのを
ただ眺めているだけのような錯覚に陥った

そうなると足が立ち止まりそうになる

その度に気持ちを奮い立たせて
前に向かう





ここらへんのコースは練習の時に唯一走っていない所
だからとても長く感じて
なかなかつかない折り返し地点の想像をして奮い立たせよう
そうするけれどもその想像は実を結ばない




曲がりくねった道をいくつも通り過ぎ
とても広くて真っ直ぐな道に出た

多くの人が歩いている
走っている人ももうそのスピードは
今にも止まってしまいそうだ

何か住宅街の中だ
道は広いのに
周りの家々も一軒家ばかりなのに
さっきまでの強い日差しは見当たらない

沿道には木々が立ち並んでいる
青紫の日陰の道を
沢山の人が黙々と前に進んでいる



そのずっと先に

何か背の高い影が見えた




どうやらそこが二つ目の折り返し地点





やっときた



足を速める
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