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800 -トレッキングおまけ-


朝目が覚めてつい癖ですぐに外に出てみるも
そこには綺麗に澄んだ空の中に雪山は見えなかった


もう本当に僕達は降りてきてしまった


何だか目の前には壁があって戻れないような気がしてしまう
いやもう戻れないだろう




もう僕達はこの重いリュックを背負って歩く必要が無い














という訳にはいかない



僕達はこれからお兄さんと無事に落ち合い
そして家に帰らなくてはいけない



僕達は集落の端のポカラ行きのバス停の近くに宿を取ったのだが
集落の反対側にトレッカーのチェックポイントがある

その場所ならトレッカーは必ず通るので
きっとそこで待っていればお兄さんはいつかはやってくるだろう

そうふんで今日はそこまで行って
待っていようという事になったのだが
そこまで行くには川を渡らなくてはいけない

川というのは散々ここでも書いてきたように
谷に流れているという事で
谷というのは下りがあってそして






登りがあるという事






またリュックを背負って杖をついて歩き出す
すぐに汗が溢れてくる



こんなにも人間は簡単に腑抜けてしまうのか



愚痴がついつい口からこぼれてしまう

まあそれでもまだ疲れに対する耐性はちょっとは残っているようで
何とかチェックポイントまで辿り着く



チェックポストにいるスタッフに

「これから登るのか?ならばここで許可証を」

なんて言われる



行くか!



もう行きません!!



とつい心の中で叫んでしまう




事情を説明して
チェックポストの目の前にある小屋で待つ事にする


20100525-1.jpg





だらだら山を眺めたり胡瓜をかじりながら2時間ほど待つ



お兄さん降りてこなかったらどうしよう
会えなかったどうしよう
もう一泊?
まさかお兄さん抜きに帰るなんて無理だよなあ



そんな話をしていると
山の上で出会った日本人の女性トレッカーとそのガイドにポーターが現れる
「あ、お久し振りです」
と言い終らないうちにお兄さんが現れる

現れた久し振りのお兄さんの顔は何だか疲れている
どうやらデジカメは見つからなかったらしく
書き置きをして降りてきたという


みなさん、山での忘れ物は本当にお気をつけ下さい






僕達はそのままバス停に向かうも
お兄さんがタクシーの運ちゃんと話をして

安く帰れるし何より早くポカラまで帰れるから
タクシーで帰ろうと提案してきた

バスだと延々揺られて3時間以上かかるし
結局100ルピーもかかってしまう
タクシーなら1時間もかからないし150ルピーで帰れる


まあそれならタクシーでもいいかな


それにしてもお兄さん本当に疲れているんだな







それから僕達はタクシーにリュックをどかどか入れて
杖と悲しいお別れをして山の麓を出発する


20100525-2.jpg






あれだけ見続けていた山の景色が
あっという間に後ろに消えていく


そして前には次々に新しい山が現れては消えていく


その速い事


リュックから解放されて
足も動かさずに勝手に進んで行っている
しかも凄いスピードで


なんて楽なんだぁ!!


20100525-3.jpg










そして


なんと味気無い事だろう


こんなのに乗っていたら
確かにあんな山々を自分の足で実際に登って
あんな高い所まで本当に行けてしまうだなんて
思いもよらないだろう


20100525-4.jpg







日本にいる時に一度東京の山手線一周を徒歩で廻ろうとした事があった

だらだら歩いた為に半日で半周しか出来ず
帰りは結局山手線に乗って帰ったのだが
たった190円の30分でもと居た駅に帰ってきてしまった






規模は違うがあの時と同じ感じだ






充実してぱんぱんに膨れ上がっていた
昨日からの達成感は一気に萎んでいく

そしてあっという間に遠い昔の記憶の中に仕舞われていっている

このタクシーのスピードに乗って
その仕舞われていっていくスピードもまた速い






だからといって哀しんだりしない





この事実は何処かに捨て去られてしまうモノではない
仕舞われているだけで確かに自分の中にある





この思い出はこの旅の中でも
僕の人生の中でも

大きな大事な一枚だ








20100525-5.jpg













それにしても
トレッキングや登山をするにあたって誰もが知っている言葉

「そこに山があるから」

何でそんなに過酷な登山を続けるのですかって聞かれた時の答え

あまりにもシンプルで
そしてスマートな言葉

確かにかっこいいけれども








そんな簡単なモンじゃないだろー!!!







まあ世界的な登山家のお言葉ですから
そんなの全部承知で出たものでしょうけれども

そんなかっこよくてシンプルに言っちゃったら
勘違いしてやっちゃうじゃないか!



登山はそんな生易しくて
簡単なもんじゃない!


でも


それだけに得られるモノも簡単なモンじゃない








あっという間にポカラが見えてきた

こういうスマートな言葉は
こうやってスピード文明の中でだから生きてくる

山の中では全く意味をなさない



気がする



山はもっと複雑で大きい











ちなみにアンナプルナの頂上は8000m
ベースキャンプまでは山の半分までしか行かなかった訳だ



、、、いやそこまでは到底無理です









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1200 -トレッキング七日目-

今回泊まったガンドルックは
山の景色が綺麗に見渡せる事で有名だ



朝起きると前日の夜また降った雨はやっぱり止んでいて
雨雲は綺麗さっぱりいなくなっていた

そして高台にある僕達のロッジからの眺めは
確かに有名になるだろうなという納得の景色だった


20100524-1.jpg



遠くに


もう本当に遠くに


あのアンナプルナが見える




手前に見える集落とずっと向こうのあの空間が
全く結びつく筈の無い次元の違う場所である気がしてくる


20100524-2.jpg












山がよく見える所にテーブルと椅子が出ている
途中から抜きつ抜かれつを繰り返して今たまたま同じ所に泊まっている
エストニア人とテーブルを囲んで少し話をする



不思議なモノですれ違う時に何言か喋っただけなのに
何だかすごく親近感が沸く



同じタイミングで同じ場所を目指している

みんな歩くペースはバラバラだし
グループで来ている訳ではないから同時に行く訳でもない

出発時間は違うし歩き方は違うし休憩の取り方も違う
身体の大きさも違うし性別も違う
国も違うし育った環境も違う

でも途中途中にある集落で泊まる
そのペースは大体同じになってくる



何だか



人間って同じ様に出来ているんだな

千差万別だけど
その差は結局小さい所でまとまっているのかもしれない

何てちらって思ってしまう




初日に出会ったハワイの女三人組なんて
結局ずっと一緒だった

到着時間が違うから一日のうちに一度だけちらっと道で出会ってそれっきりだけど
抜いた筈なのに次の日に前にいたりしてまた会ったりする

一度同じ所に泊まったベルギー人なんてそれっきり見なかったのに
ABCで山を眺めていたらすぐ隣にいたりする
別に僕達は長くABCに居た訳ではないのに




不思議なモノだ




僕達はお兄さんと連絡を取らなくてはいけないので
今日はもう少しゆっくりすると言うと
エストニア人は先に出発するという

僕達は連絡先を交換し合い


「HAVE A NICE TREKKING」


と言って別れた












愛二と二人でそのテーブルに座りながら景色を眺めていると
ロッジのお母さんがやって来て僕達に話し掛ける



ラスボスを倒した僕達が昨日やっとこさここに辿り着いた時
このお母さんは優しい笑顔で僕達を迎えてくれた

着いてそうそう部屋に通してくれて

「ここは本当は一部屋250ルピーなんだけどあなた達は200ルピーでいいわ」
「私、日本大好きなの」

まあ商売文句である気はするが
何ともそのお母さんの笑顔が母性に溢れていて気持ちが良い


その夜も僕達は非常食が尽きてしまったし
もう物価が安くなってきた事もあって
久し振りにこっちのヤキソバである『チョーメン』を食べたのだが
これが本当に美味しくて二人で騒いだ

お母さんが味はどお?って心配そうにやってきたから
「全然!最高に美味しいよ!」
って言ったらすごく嬉しそうに
「ママクッキングよ」
って言った


そのお母さんは子供が四人いて
二人が日本に住んでいるそう


だからか、何て妙に納得した


日本が好きっていうのもそうだが
何だか日本人が好きな接客というか
そういうくすぐる所を持っている










大雑把に言ってしまって申し訳無いのだが
南アジアの人達のサービスは日本の感覚とは大きく違う
特に北インド

よく言われるのは

彼等は「アリガトウ」を全く言わない

根本的な考え方の違いだと思うから
それがダメな事とは言わない
というかそれがこっちでは当たり前なのだから


宗教や根ざす思想に所以する訳だが
僕がイメージする感じでは『所有』という概念が一番違う


ここの人達はきっと
すべての物は神か何かから与えられた物であって
人間達はそれらを頂いて使わせて貰っていると根本的に思っている

これは何も地球とか太陽とかそういう物理的な意味では無い
もっと概念的な意味で

すべては人間全体で与えられた物として考えていて
もともとこれが誰の物なんていう
人間個々の『所有』という考え方が深層心理に無い気がする

だから人から何かを貰っても
何かを手に入れてもそれに「アリガトウ」を言う必要が無い
だってもともとみんなの物だから

たまたまその時あなたがそれを持っていただけで
今この瞬間にわたしがそれを持つ番になった

多分こんな感じ



それと異なるのが東アジア
中国を筆頭に韓国日本がこれとは違う考え方を持っている


兎に角個人での所有欲というかが強い気がする

欲と書くとまた違った形になってしまうのだが
物は誰か人間個人に所属するという考え方を持っている気がする


中国なんかはこの意識が時に強い気がする


だから人に何かを貰う時
それは誰かに所属していた物を切り離して戴くという事で
相手個人に対する感謝の気持ちが現れる訳である


日本もそれに漏れない気がするのだが
ここに日本独特の人間関係の形成が影響しているだろう

謙遜という所が強く全体に幅広く浸透しているという点


特に謙遜が強い日本なら物を貰う時についつい
「ゴメンナサイ」
がついてきて
「アリガトウゴザイマス」
となったりする


外国人によく「日本人は何ですぐに『SORRY』というんだ」
何て言われたりするが
それはきっとこんな所からきている気がする









と、そんなんで根本的な考え方が違うから
サービスも異なってくる訳で

でもそんな中でここのお母さんは
この日本人の心を判ってサービスを提供してくれているような
そんな気持ちの良い感じだった


僕達はここでお母さんにポップコーンをサービスして貰ってしまい
頬張りながら山を眺めていた


実は9時くらいにシヌアのお兄さんが泊まっている
ロッジに電話を掛けた所
いつの間にかお兄さんは出発してしまっていて
昼過ぎにはそこに到着するだろうという事を言われたのだ



ここで愛二と協議する



さて果たしてここにお兄さんはここに一体何時に辿り着くのだろうか
僕達は昨日散々な思いをしてやっとこさ一日かけてここまでやってきたのだ

いくら屈強なお兄さんでも昼過ぎといっても
三時くらいになってしまうだろう

そしたらまたもう一泊ここで泊まる事になってしまう
いくら物価が安くなったといってもやはりまだ高い
そして僕達はもうゴールのすぐ近くにいるのだ
その気になればあっという間に下まで行ける場所にいる

お兄さんを待っていたらここでもう一泊に間違い無い
何よりお兄さんはここガンドルックに泊まりたがっていた


うーん、、

というか何でもう出発しちゃってるのよ!
今日朝また連絡してどうするか決めるって言ったじゃない!


と言ってももうどうしようも無い
ここのロッジの名前はお兄さんに伝えてある

ここに書き置きして出発するか?
いや流石に待った方がいいのだろうか?
暗くなってから降りる?
それともここに泊まる?



とあーだこーだやっている時にロッジの電話が鳴った



お兄さんからだ



良かった




電話で僕達はもう出発したい事を告げる
下まで降りてしまって下のロッジに泊まってそこで待っている

そうしたらお兄さんはいつものように
「大丈夫!」

と答えた








今日は随分と遅く10時に出発した

お母さんとカワイイ末っ子と最後に記念撮影する
「私の新しい息子」
何てくすぐったい事を言われながら僕達は一緒に写真を撮ったのだが
光の関係かあんまりいいように二人が映らなかったので
二人の名誉の為にここにアップするのは控える事にする







多分あっという間に麓まで行ってしまうだろう

もう道は最後のクールダウンのような
柔な道ばかり




ここら辺の山の集落で一番大きいガンドルック


石塀が続いていて
子供達が学校へ行っている姿

それを追いかけたりして


20100524-3.jpg




街を抜けるとながーく石段が続いているけれども
山の肌を真っ直ぐ横一直線に伸びていて


20100524-4.jpg


景色を眺めながらスキップでもしてしまいそうになるほど
軽快に進んで行く


20100524-5.jpg




少し行くとこれまたながーい下りになった

石段が続いているけれども
その勾配は急だけれども
「きっとこれを逆に登っていったらトンでもなくキツイだろう」
何て余裕で喋りながらぐんぐんと景色は変わって行く





途中ハワイ女三人組がお土産やさんで買い物をしている所に出会う

また会ったな!

会うのは久し振り
彼女達もABCを終えてこのエンドランに入り
随分と気が緩くなっているに違いない



ただゆっくり話す事も無い
こっちの下りの勢いは止まらない















途中で

「あ!!」

と叫ぶ


叫んだのは僕




突然、僕の貴重品が殆ど入ったヒップバックの存在が頭の中に現れたのだ




「あれ?入れたか??」



一度捕われだすともう止まらない



出来ればこの歩みを止めたくなかったが
気になってしょうがないので前を行っている愛二に声を掛けて止まってもらう



お兄さんの事もある
無い話じゃない



というかそうなったら、、



すぐにリュックを解いて
中の物を引っ張り出す



と、そこにはちゃんと入っていた



一気に力が抜ける



そこで一休憩する事にした

軽快で疲れを殆ど感じていないけれども
山の肌を歩いているので日差しをモロに受け
汗はびっしょりである

水を飲みながらふと時計を見る




ん?



まだ一時間ちょっとしか経ってない!?




トレッキングのオフィスに許可証を貰いに行った時
ABCのトレッキングコースの簡単な地図を貰った

その地図はグラフのようになっていて
山を横にスライスした絵があり
縦軸に高度、横軸に距離が描かれている

集落の名前も載っていて
集落と集落の間に数字があり
それが大体の平均所要時間を表している

それを見ながら今高度どれくらいだとか
あとどれくらいで着きそうだとか
次の道は登りだな

なんてわかるしくみになっている




そこでガンドルックから今いる集落までに掛かるだろう
所要時間を足し算してみる



そうしたら5時間



5時間を1時間ちょっとで来ちゃったの!?



この地図に描かれているのは反対側からのルートだから
所要時間は今日のルートを逆に登る時間で正確には比較できないけれども
それにしてもそこを1時間ちょっとで来ちゃうなんて
いくらなんでも早すぎやしないか!?



今ここの集落からゴールの集落までの所要時間を計算する



たった2時間しかない



しかもそこからはもう平坦な道しかない







あ、もう着いちゃうんだ





この長く辛く大変だったトレッキングが
あと少しで終わるんだ




何だか急に心細くなる







道が石段から懐かしい砂利道に変わった


20100524-6.jpg






色んな事を思い出す


初日の石段

チョムロンの谷

山の足

時の止まった空間

祝杯

ラストダンジョン

優しいお母さん




何よりも最後に初日にすれ違ったご婦人とレッカーの言葉を思い出す



「本当に、、本当に長い道のりだったわ、、」



ご婦人は本当に搾り出すように言った
あの時の顔を思い出す


今僕はあの時のご婦人の立場にいる


確かに長い道のりだった気がする


思い出せば長い


頭の中の映像には常に一歩を繰り出している
僕の足元が繰り返し視界に入ってきている


その一歩は本当に小さい


到底それが積み重なってあんなどでかい距離になるとは信じられない


でも事実はその積み重ね




一次関数からは二次関数の伸びは信じられない程だけれども
二次関数が到達した高さにはいつか一次関数も辿り着くのだ

横軸が半永久的に伸び続ける限り









長くだらだら延びていた最後の直線


あまり刺激の無いというか多分色んな想いに捕らわれながら
殆ど無口になりながら


結局しっかり二時間かけて


最後の山での集落ナヤプールに辿り着く









そこでパンとコーラを


20100524-7.jpg



至福の贅沢


ああ、めちゃくちゃ安い


チョーメンも


ああ、美味しい


しっかり手を合わせて「イタダキマス」をする


日本語にイタダキマスって言葉があって本当に幸せだ


20100524-8.jpg








宿にリュックを置き

久し振りに肩の重圧から解放されて
僕達は辺りを散歩する


20100524-9.jpg



何も持たずに歩くって


いやあ、本当に楽


トレッキングの大きな一つの醍醐味というかキツさは
まさにでっかく重たいリュックを背負って行く事にある

道のキツさは二の次だ







道端から山を眺める






そこからはもう雪山は見えない







3時間のトレッキング終了
ナヤプール泊

1200m地点




トレッキング全行程終了




20100524-10.jpg




1900 -トレッキング六日目-

朝起きてからの僕達の山でのリズム

部屋から出ると必ず澄み切った空があって
そこに山々の自慢の頭がよく見える

それを眺めてから背負ってきた非常食を取り出す


20100523-1.jpg




山の高騰価格にどうしてもついていけない僕達は
途中から試行錯誤で新しい食を生み出して何とか遣り繰りしていた











まず昼食なら袋のインスタントラーメンが大活躍する


スーパーで予め買ってきておいたいくつかの袋のインスタントラーメン
これを使う

こっちの人はよく袋のインスタントラーメンを買って
調理せずにそのまま砕いてスナック感覚で楽しむ習慣がある

僕達もそれにならって山の上での非常食にするつもりだったのだが
それではどうしても腹の足しにはならない

というかちょっと小腹が空いた時に食べるつもりだった訳だが
想像以上に食の価格が高かったものだから
僕達はロッジに必ずある一番安い食べ物『ヌードルスープ』
ようはロッジが提供するインスタントラーメンをまず頼む

これでも150ルピー前後してしまうのだが
(ちなみに150ルピーもあれば三食は余裕で食べれてしまう)
そこに『替え玉』と称してスープがまだ温かい間に
持参したインスタントラーメンを投入して嵩を増して昼食にしていた


20100523-9.jpg




そして袋のインスタントラーメンに必ず入っている粉
これだって大事なカロリー

これはこのように使う


まずキッチンにライスとお湯を頼む


山では水が貴重品だから水だけでも高い
沸かした水だってお湯だってガスが必要で
そのガスだって麓から頑張って持ってくる物だからそれなりにする

お湯は一杯10ルピー
下だったらそれでビックのチャイが飲めてしまう
ちなみにチャイは50か60ルピーもするので
僕達は上に上がってからは朝のチャイをやめ
朝チャイを愛二がオーストラリアから大事に持ってきてくださっていた
パックのお茶に変えていた


さてライスとお湯をどうするのかといえば
お湯のコップに例の粉を入れる
これでもう充分美味しいスープの出来上がりである

でもスープだけは全然力が沸いてくる訳も無いから
そこで炭水化物の登場である

ご飯をスプーンですくって
つけ麺の要領でスープに浸して食べる
ようは即席雑炊である


20100523-8.jpg



これが実はめちゃくちゃ美味い
嘘だと思うなら是非試して欲しい



想像するにクオリティーのより高い日本のインスタントラーメンに米なら
間違い無く美味しいに違いない
僕達は日本に帰ってから絶対にやろうと
発明した時に二人で思いっ切りはしゃいだ

といっても家に鍋があってコンロがあれば
最初から一緒に投入して雑炊にしてしまえばいいのだが




オッキー!松浦夫妻!!
あの粉は本当にこんな所で役に立ったんですよ!!
カロリーですよ!!!









朝食の場合は別に買ってきたビスケットである


僕はケチってカトマンズのバンダの時に買ったビスケットがあったので
新たに買わずにそのビスケットだけで遣り繰りしていた

二日目と三日目の朝に袋から何も考えずに4枚食べる
これでも倹約したつもりだったが想像以上に袋には残っていなくて
実は残り4枚に

気が付いた時には既に時は遅しで腹の中

それからABCの朝にもう下りだからと思い切って二枚食べ
そう今残り二枚

今日一枚食べ最終日と思われる明日の朝最後の一枚を食べる予定



ただ下りと言っても流石に大の大人がビスケット一枚では死んでしまう
しかもトレッキングの最中何だからとんでもない



という事でこれだけは買ってきていたキャンディー
本当は氷砂糖を探していたのだが探しきれずに
きっと歩いている最中に欲しくなるだろうと思って
薄荷のすーっとするヤツを買ってきていた

これをビスケットを食べた後に食べる


ここでまた一つ会心のアイテムが飛び出す


カトマンズの時に出会ったチコちゃん

GWを利用してネパールにやって来ていたチコちゃんは
バンダがまだ継続する中僕達より一足先に日本に帰っていったのだが
その最終日に僕達の部屋までわざわざ来て下さって
餞別と言ってニュージーランドのキウイチョコレートを持ってきてくれた

僕達は食べきらずに持っていたのだが
それを何と愛二が持ってきていた!!

この時愛二が神に見えた

そしてチコちゃん!!

ああ、、直接感謝出来ないのが悲しい
あなたのお陰で山の肥やしにならずに済みました


このチョコレートをキャンディーを食べた直後に口に入れる
そうするとまあ見事に僕の大好きなチョコミント!






これで元気百倍
無事にここまで歩いてこれた訳です
















そうやって僕達の楽しい朝食が済み
柔軟をして今日も元気に降りていこう

リュックを背負ってみんなで出発する






という訳にはいかない






一つの問題が僕達の間に起きている






実はお兄さんのデジカメが見当たらないのだ

どうやら頂上に忘れてきたみたいだという






頂上!?





頂上ってABC!?





4130mのあの場所の事ですか!?







あの場所を想像する

確かに幻想的な場所で
素晴らしい時間を過ごした場所






だけど






もう絶対に行けない!




今からまた登るなんて、、




いや考えられない!!




確かにあの場所は素敵だけど
あそこまでの道中は、、

有り得ん!!




さすがにお兄さんも登っていく気は無いみたいだがここシヌアから連絡を取って
山から下りてくる人に託して持ってきてもらおうと思っているという

だからそれまでここで待つという





うーん、そうか




どうしよう




さっきも書いたように僕にはもうビスケットは一枚しかない
そうで無いにしても山の上の物価はどうしても僕達には辛い
ビザの問題もあるが少しでも早く山を降りなくては破産してしまう




という事で僕達は先に下に降り
そこで待つ事にしようと思う

とお兄さんに伝えると
お兄さんもなるべく早く行くと
シヌアのロッジの電話番号を渡してくれ了承してくれた






愛二と二人でシヌアを離れる






元気に下り始めるのだが
今日は懸念すべき事がもう一つある

行きの時にも通ったチョムロンの谷が待っているのだ


20100523-3.jpg



そしてチョムロンの谷を越えると
そこからは行きとは別のルートを辿るのだが
その先にチョムロンの谷よりもさらに深い谷が待っているのだ


谷とはつまり急な下りがあって
その先に同じだけの登りが待っているという事



チョムロンの谷は行きにヒーヒー言って
記憶に残るキツさだった

谷だから逆から向かっても同じだけ辛いという事



シヌアから抜けてチョムロンはすぐだから
まだ体力はがんがんに残っているのに
見事にそこで砕け散る



久し振りのキツイ登りという事もあって
二人してあっという間にゼーゼー



そんな中石段を馬に荷物を乗せた隊列がすれ違う


20100523-2.jpg




ああ、せめて荷物だけでも持って行って欲しい、、



そんな事は叶う訳も無く
自分の荷物は自分で持たなくてはいけないし
自分の足で歩いていかなくてはいけない



必死に振り絞って谷を抜ける



そうすると今度はなだらかな下りが続く



かと思いきや急に下り坂になる

しかもチョムロンの谷以上の勾配




下に川が見える



川があるという事は谷であるという事で
降りている目の前に一つの山が聳え立っている

今立っている同じ高さかそれ以上の所に
ちらほらと屋根が見える

ようはここを降りてまたあの高さまで登るという事で



二人で「橋かけろよ!!!」



と当然の愚痴を叫ぶ



それは山に反射してまさに虚しくコダマするばかり








僕達はそれを今回のラスボスと称し
それを倒す為に谷にある集落で腹ごしらえをする事にした


20100523-4.jpg



腹は減っては戦は出来ぬ
そこで贅沢にカレーライスを頼む

といっても上に比べたら安いものだ
まあ実際非常食のインスタントラーメンももう無くなってしまっていたのもある


ここら辺のロッジは何でかわからないけれども
頼んでから出てくるまでゆうに一時間はかかったりする

のでゆっくりとここで休憩がてら
溜まっていた洗濯物を強い日差しの中で干す


久し振りの美味しい食を食べ満足気に準備を始めると
何とこのタイミングで雨が降り出した


すぐに避難するも止む気配が無い20100523-5.jpg










一向に埒があかないので
もうしょうがないという事で少し弱くなった所を見計らって飛び出た


20100523-6.jpg


そうすると雨は止みだした





山の雨は一度降ればまあ雲は去って行くものである




それでも一応ベトナムのサパで買った
防水のゴアテックスのアウターを着て歩き出す

すぐに汗が滝のようにアウターの中を流れ出して不快極まりない

脱ごうかなと考えていると
山の頂上付近から雷が聞こえてきた





山の天気は変わりやすいものである





いや、マジですか








今度は目の前に石段が現れる


登り出すとさっきのチョムロンのダメージが蘇る


必死に登り切るが
それはただの始まりにすぎず
すぐにまた次の石段が顔を出した


初日の石段を思い出す


そしてその場所よりもここが勾配がキツくそして距離が長い事を思い出す


ここがラスボスである事を思い出す


また雷が鳴る


そして遂に雨が降ってきた


まさに滝のような雨が






もうでも登るしかない


石段は順調にキツさを増してくる


息は上がって口は開きっ放しになる


そこから涎のようなモノが出てくる


鼻水も出てきている気がする


気がするのは既に雨で顔は水浸しだから


何が何だかわからないが兎に角ぐちゃぐちゃ


アウターの中は汗でびっしょり


アウターの外は雨でびっしょり






石段は一向に終わらない
雷は鳴り続けている

音までの距離はどんどん近づいている

音が近くなっているのは頂上が近づいている証拠でもあるのだが
そんな事を感じる余裕は全く無い

むしろ雷の音が大きくなっているのが
このキツさのBGMとなっている気がしてしょうがない

ラストダンジョンに相応しいといえば相応しい






何度も止まっては杖に寄りかかり


「あー、、」


「あー、、」


と瀕死の呻きを漏らす








一体何処をどうやって歩いてきたのかしっかりと記憶出来ていない
思い出そうとしても頭の中に出てくるのは
保存状態が悪くてがざがざに画質が落ちてしまったような映像しか出てこない

その映像には
狭くなった視界に入ってくる細かく積み重ねられた道の断片を
一つ一つやっとこさこなしていっているのだけが流れている










時間にして一時間少しだった


やっと上にロッジが見えてきた


ロッジまでの石段はこれまたきつかった


「何でこんなふうにするのよ、、」


でも何とかそれを登り切ろうとすると
ロッジの中から女の子が顔を出して声を掛けてきた


「是非ここに座って」


笑顔も最高だった


いやもしかしたらそう見えただけかもしれないが

そんな事を優しく言われたら
そりゃあ入っちゃいますよ


本当に倒れるように二人でそこに入った


きっとロッジの前にある高く積み上げられた石段は
こうやって疲れさせて客を入れる為に違いない







そこで少し休憩すると雨も止んできた
まさに悪夢のラストダンジョンだった

それにしてもこの一番キツイと思っていた
この場所でこのタイミングで雷雨だなんて

うまく出来すぎている








その後は何とも楽な道のりだった







ずーっと綺麗な平坦な道が続き
さっきまで呻き声しか出せなかった僕達は
ハイキングにでも来ているみたいにペチャクチャしながら
目的地である集落まで辿り着いた


20100523-7.jpg








7時間のトレッキング終了
ガンドルック泊

1900m地点





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    ふらふら何処かへ酒飲んで本読んで人と話してぼーっとして海に入って空飛んでバスに乗ってまたふらふら何処かへ、、何処へ?うーん。。とりあえずの試行錯誤継続鍛錬。

    2009年5月、日本を後にし、ゆっくりだけどそのうち加速予定。

    未熟ながらもなんとか自分の言葉で世界を書き起こしたい。ただいまその道中。


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