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底知れぬ、シリア人!

[20100730-2]









ユーフラテス川に沈む夕陽







やんちゃ坊主共との戯れにへとへとになって宿に帰り
シャワーや洗濯などを済ませ広いロビーでのんびり水を飲んでいたら
哀愁漂う映像が突然頭に浮かんで離れなくなり
頃合を見計らって僕はまた橋へ向かう事にした

















外に出てビックリ



ゴーストタウンと思ってしまう程荒んでいた街には
沢山の人が行き交っていた

さっきの癖でフラフラ道の真ん中を歩いていたら
後ろから車のクラクションを鳴らされる

重く閉ざされていると思われたシャッターが上げられ
人で賑わっている



どうやら昼は暑いからみんな揃ってオヤスミしていたようだ
スペインのシエスタと同じだろう

そういえばドバイのタクシー運転手が

『昼間の1時から4時は暑すぎるから政府が外を出歩くなって
 注意勧告してるんだよ』

冗談みたいな話を真顔でしていた気がする




店頭にでっかいヒーターの箱を運び出している汗だくのおっちゃんがいる
ヒーターの中には串刺しになった沢山の鳥が
クルクルと回されながら炙られている

ついお腹が反応して立ち止まるとおっちゃんに大声で話しかけられる


おっちゃんだけでは無い
あちこちで呼び止められる

昼間はあっという間に橋まで辿り着いたというのに
自分で寄り道してしまうのもあって全然前に進めない

気がついたらあっという間に周りは真っ暗になってしまった

仕方が無い
きっと夜は夜で何か感慨深いものがあるだろう
そう思って諦めずに進む事に






暗くなるとさらに人が増えてきた
街の中心広場には待ち合わせをしているのか沢山の人が座っていた


確かに昼間に比べたら格段に涼しいし
ずっと家の中に居たら息が詰まるだろう

そう思った矢先に広場にあった電光掲示板を見てビックリした
温度計が壊れているという事を祈るばかり
いや温度計が壊れているというのもそれはそれで恐ろしいか


20100730-2 (1)



広場から一人の男性がのそのそ僕に近づいてくる
ブツブツ喋りながらやってきてついに前に立ちはだかり
僕の肩を叩いて今度は自分を指さす

どうやらこのデリゾールという街はみんな写真が好きなようだ

写真を撮って見せて上げると満足そうにうんうんと頷いて
またブツブツと喋りながらどこかへ歩いて行ってしまった


20100730-2 (2)



















夕食のサンドイッチを買って食べながら辿り着いた橋は
昼間のそれとは全く違った雰囲気を出していた

まあ、昼間の印象は腕白坊主達によって随分と脚色されてしまった節があるが
それでもこの橋入口の重厚な感じは少し背筋を伸ばさせる


20100730-2 (3)



友達同士やカップルに家族連れ
サンドイッチや飲み物を飲みながら沢山の人が渡っている

橋に足を踏み入れてみると
意外にも沢山人はいるのに全然音がしない
とても静かだ

人の話し声はすれ違う時にしか聞こえない
かといって川の音も聞こえない


人が歩く場所だけライトアップされ、それ以外はとても暗い
周りを見渡しても何も見えない
かろうじて川岸の街灯が反射しているので
そこに川が流れているのが分かる

不安になって欄干に向かってみると
昼間の熱くてなかなか触れられなかった鉄が異様に冷たい


20100730-2 (5)








けれども欄干の向こう側へ顔を出して覗き込むと
ビックリするような轟音が飛び込んできた

橋の上のライトが照らす少しの川面
そこには先の静けさからは想像も出来ないような
荒々しい水飛沫が散っていた


20100730-2 (4)



















橋の反対側までやってきて
そのまま向こう岸を散策するか今来た道を戻るか迷っていると
二人組の男に話し掛けられた

ここいらでは珍しく英語が流暢だ
と思ったらどうやら国境コントロールで働いているらしい

今まで出会ってきたシリア人同様とても人懐っこく
そして親切心が全開だった


「はるばる日本から来たのか!
 どう?シリアは楽しい?
 ビザや出入国で分からない事や困った事があったら相談しなよ」


結局話は弾んで三人で今来た道を戻る

これから友達の家でパーティーをするから是非と誘われたが
さすがにいきなりそれは、というのもあるし
明日早いというのもあって丁重にお断りする

そうか、それなら、、
代わりこの近くに行きつけのサンドイッチ屋さんがあるから
と、熱心に誘ってくる
さすがに全てを断るのは申し訳無く、向かう事に

さっき食べたばっかりだしあまり余計な出費は、、、
なんて考えていたらあっさりと注文され
肉がどっさりと入ったサンドイッチが手渡された


「さあ、ここのはすっごくうまいんだよ」


さっき食べたと言っても節約で肉入りのサンドイッチなど食べられず
常にベジタリアン用サンドイッチで済ませている僕は当然食べる

食べ終わって少し話してから
彼らはパーティーの時間というので席を立つ

勘定を、、となると二人は


「いいんだ、無理に誘ったんだから
 本当ならパーティーにも来てもらいたかったし
 だからこれくらい全然いいよ」


さっき知り合った訳も分からない外国人への
この親切心はなんだろうか

呆然としていると


「じゃあ、また
 本当に国境で何かあったらここに連絡してね
 楽しんで!」


店先であっという間に別れてしまった
僕は渡された連絡先を握り締めながら二人を見送るしかなかった


20100730-2 (6)








暫くしてから僕は宿へ戻る道へ歩き出す

言い様のない幸福感がじわじわ込み上げてくるのを感じながら
僕は昼間の何倍も賑やかな夜道を歩いた

賑やかさは幸福感をどんどん刺激する
きっと端から見たら奇妙な顔をしていたかもしれない
すれ違う人みんなに笑いかけていたような気がする




























部屋に戻って自分のベットに座り込む


部屋は4人ドミトリー
四つのベットと真ん中にテーブルがある

窓際の2つのベットにはシリア人の先客が居た
僕が昼間に来た時、部屋はカーテンが閉められて暗く二人は寝ていたが
今は居ない

僕は独り部屋でゴロゴロしながら今日の出来事を思い返していた






気がついたらあっという間に夜中を過ぎていた

明日朝一のバスでアレッポへ向かう
朝の弱い僕はそろそろ寝ないと起きれなくなってしまう

しかし二人はまだ戻ってこない
夜中に帰ってきて電気がついていなかったら大変だろう
僕は仕方無く電気を付けたまま寝る事にした

ドミトリーなのだからそこまで気を使わなくてもいいだろうが
きっと今日受けた親切心が人への思い遣りを強くさせたのかもしれない















明日はどんな出会いが待っているだろうか















、、と、想いを巡らせていると急に肩を叩かれた

何かよく分からずに目を瞑りながら様子を伺っていたら
今度は何度も身体を揺すられた

なんだなんだ、と目をこすりながら時計を確認すると
いつの間にか一時間経って夜中の2時になっていた

やはり電気を消さずに寝ると眠りが浅いな
夢をみていたのかただ考えに没入していたのかよく分からない

それにしてもこの時間に起こすとは一体何事だろう





部屋を見渡せばシリア人の二人が戻ってきていて
二人の間にセットされたテーブルにガサゴソ何かを広げている

恰幅のいい方が僕を手招きする

よっこらしょ、っと身体を持ち上げてテーブルに向かってみると
その上には沢山の野菜やオリーブにチキン、そしてそれらを巻くホムスが


20100730-2 (7)




まさかまさか、と思っていると
恰幅のいい方がアラビア語を喋る

勿論分からないが手を口の方にやっているのを見ると
どうやら一緒に食べようという事らしい








えー!!!








今日夕食を自分で買って食べておきながら
仲良し二人組に肉サンドイッチ、『シュワルマ』をおごって頂いて
その親切心に愕然となっていたというのに、まだやってくるのか!!

大食いの僕もさすがにお腹いっぱい
今日の出会いも十分満足に足る幸せなモノだった

空腹も親切も既に僕の容量一杯なのに
シリアはそこを軽く飛び越してしまった



だが、どう考えても寝ている人をほぼ無理矢理起こす
この人の半ば強引な親切の押し売りを振り切るなど僕には不可能だ
ましてや隣のベットとなれば尚更逃げ切れる筈も無い

相手の常識外れの行動が
通常なら怒るであろうこっちの常識の反応をも外させて
僕はもう笑っていた


20100730-2 (8)















初めはちゃちゃっと食べて寝ようという魂胆もあるにはあったが
すぐに諦めてしまった

まずはその食材の量が半端無く多く
そして二人がそういうつもりがなさそうだったからだ



特に恰幅のいい方はよく喋った



と言っても僕達はお互いが理解できる言語を持っていなかった

彼らは英語をなかなか喋れないこの地域の人の中にあって
さらにワをかけて喋れなかった

多分三単語くらいじゃなかろうか、本当に
そして僕は当然アラビア語は皆無に近い


なのに彼はそんな事は意にも介さず喋ってくる


僕は言葉だけじゃない大事なモノがあるというような事を想いながら
上手く喋れない英語を使うのに躊躇があって
結局伝える努力どころか何もせずにしょんぼりしてしまうというのに

さあ、この恰幅のオジサンはどうだろう
言葉のしがらみなど強引にはねのけているではないか
中途半端な知識は足かせにしかならないのだ


彼を見てると妙なプライドは吹き飛んでこっちも調子にのってくる

僕はいつの間にか英語やら日本語やらを混ぜながら喋っていた




彼ら二人はアレッポ出身で営業の仕事でこっちに来ているらしい
夕方お店を回るので昼間は寝ていたという

僕はと言えば日本を出て世界を旅行しているという事を伝える


一体どういう仕組みでこのコミュニケーションが成り立ったのか
当事者でありながら全くもって理解不能だが
彼らがそういう事を言っていたという自信があるし
僕の伝えたかった事も伝わった気がする





恰幅のオジサンはさらに調子が出てきたのか

『アレッポに居るいとこの娘が英語を勉強しているから
 是非話したらいい!!』

なんていって夜中の三時を過ぎているのに電話をかけだす


こらこら、さすがにそれはマズイだろうと止めようとするが
当然この人は止まらない
あっという間に電話を掛けて僕に手渡す


「あ、ど、、どうも、夜中にすいません。。」


これ以外にどう喋ればいいのだろうか
彼女も完全に困りきった対応

すぐにオジサンに電話を返すも、彼はとても満足したらしく
なんとその一時間後にももう一度電話した





さすがに彼女には申し訳なかったものの
僕はこの会自体はとても楽しんでいた


























開けっ放していた窓から大きな音が流れてきた
スピーカーから町中に大音量が流れる

モスクから流されるアザーンだ


恰幅のオジサンが、ちょっと、という感じで立ち上がる
二人はロビーへと向かっていった


アザーンはイスラム教の祈りの時間を知らせる合図
イスラム教徒は一日に5回聖地へ向かって祈りを捧げる

時計を見てみると朝の四時を過ぎていた
そうだ、5回のうちの1回は早朝だった気がする


ロビーを覗いてみるとあれだけ陽気だったオジサンが
無言でゴザの上を立ったりしゃがんだりしている

そうかこんなにまで起きていたのは祈りの為だったのか















独りで部屋で待っていると
空がだんだんと白んできた


さて、このパーティーもお開きになるだろう
これからどうしようかな

朝のバスまであと二時間ほどしかない
寝るにはリスクがありすぎる
でも何かをするにはちょっと宿の中は気を使い過ぎる





そう思っていると彼らが戻ってきた
ガタイのいい方はもう寝るという


さて、、

と、立ち上がろうとする僕を呼び止めて恰幅のオジサンが話かけてくる


『これからどうするんだい?』


あと二時間後のバスに乗ってアレッポに向かうと告げる


『それまではどうするんだい?』


それを今考えていたところなんだがな
咄嗟に、


「最後にもう一度ユーフラテス川を見たいから
 川まで散歩してこようかな」


と言っていた
すると彼は『よし、、』と僕の肩を叩いて
俺に付いて来いと言う

なんと車に乗せて連れていってやるというのだ

この人と行くと一体どんなペースに巻き込まれるかわからない
そんな不安から断ろうとするもこの人の強引さに勝てる訳も無く

 まあ、どうにでもなれ、か
 デリゾール、もう一泊になってもいいかもしれない

というふうに言い聞かせて車に乗り込んだ
























朝日を浴びたユーフラテス川


橋が見える所にテーブルを出しているチャイ屋さんがあった
そこで朝の紅茶でも飲もうと向かう

いくつもあるテーブルの一つに一人がコーヒーを飲んでいる所があって
何故か恰幅のオジサンは迷わずそれを選んで座る

『やあ!』

とかいってその男性と馴れ馴れしく話し始めているが
オジサンはアレッポ出身で出張でここに来ているのだ
それに初めに座っていた彼は医者の服を着ていて
どう考えても同業者じゃない

この恰幅のオジサン改めてスゴイ、と感心してしまった


お医者さんの方は英語が喋れるという事で
恰幅のオジサンは『さあ、さあ!』という感じで
僕を紹介して話を盛り上げようとする

お医者さんは夜勤明けでチャイ屋の目の前の病院から休憩で来たらしい

気が付けばその同僚の二人も加わって
5人で朝日を浴びながら笑っていた


20100730-2 (9)













そろそろ時間が、、という感じで時計に目を落とすと
恰幅のオジサンが『分かってる』という感じで立ち上がる

お医者さん三人に別れを告げて車に乗り込む


『大丈夫、分かってるよ
 これから一度宿に戻って荷物を取ってきなさい
 僕がバスターミナルまで送ってあげよう』


なんと、ただただ強引な人かと思っていたが
意外にきっちりしているところもあったのだ

僕は感動していた
































キッチリとお目当てのバスターミナルまで送ってくれた

街中からバス停までは遠かったので本当に助かった



僕が別れを告げようとすると
車のトランクを開けて何やらゴソゴソやっている

手渡された物はよくわからない何かのスプレーだった
どうやら商売品を僕にくれるというのだ


『欲しかったらこの箱ごとあげてもいい』


何に使うかもわからんし荷物も一杯だ
というか、そんな物受け取れない!!
親切過ぎる、あんた!!!

スプレーが嫌ならこれはどうだ、とまた何か取り出そうという彼を
初めて振り切り僕達は別れた





後ろから、


『アレッポについたらちゃんと連絡しろよ!!』


多分そう言った叫び声がアラビア語で聞こえる
彼は夜中にもずっとそれを言っていた


20100730-2 (10)

















バスが出発してターミナルを出ると
その車はまだあった

手を振って別れを告げる





















一泊しかしていないデリゾール、
とんでもない場所だった

そしてシリアのこの国民性の底知れなさ





徹夜したのもあったが
バスの席に座っても心臓の興奮は収まらなかった

















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ユーフラテス川のほとりで

[20100730]





もともとシリアに来る前は
殆どこの国に関して前情報を持っていなかった

ボスラやパルミラ遺跡などは勿論の事
ダマスカスが万年の歴史があるとか
ここが社会主義国家だという事や
ましてやこんなに人懐っこくて楽しい場所だとは


恥ずかしながら
ただトルコに抜ける前に通る、

という認識しかなかった







『8月の下旬に愛二とイスタンブールで落ち合う』


それに合わせて中東のスケジュールを組んでいる時
 
 シリアには大体一週間ちょっと居れればいいだろう
 2,3都市でそれぞれ2,3日滞在

それくらいならそんなに負担も無いだろうし
ゆっくり楽しめるだろう

大雑把にそう考えていた






















だからパルミラの後、
そのルートからさらに外れるデリゾールへ向かうと決断した僕は
明らかに前とは変わっていた


ヨルダンからシリアを抜けてトルコに向かうなら
まずヨルダンのアンマンからダマスカスへ北上
そのまま真北へ向かってアレッポという
トルコへの玄関口となる街まで向かってそこからトルコに入るのが
言ってみれば一番近道で進みやすいルートである

既にパルミラはダマスカスから北東へずれているので
このルートからは外れている

デリゾールはさらにそこから北東へ外れる
しかもダマスカスーパルミラ間の倍は離れている
そうなればシリア滞在予定日数を変えなければ
すぐにそこからアレッポへ戻るルートへ変更しなくてはならない

デリゾールはきっと一泊しかできないだろう



ダマスカス

パルミラ

デリゾール

アレッポ



日本の半分の面積があるシリアの東半分をぐるっと回るルート
それをパルミラ一泊にデリゾール一泊

一泊とは、その日に移動してきてそのまま観光して
次の日の朝までにはその街を離れて次の街へ移動するという事だ

今までなら絶対に疲れるだろうから選択しなかった
無理が出るだろう
行っても何も出来ないだろう






しかも何故デリゾールに行くかと言えばただ、


『ユーフラテス川が見たい』


という欲求だけ


きっと郊外都市で何も無いのんびりした街だろうけど
ただ、あの『ユーフラテス川』が見たかった









世界史の授業で一番初めに教えられた世界四大文明
そのうちのひとつメソポタミア文明を育んだチグリスとユーフラテス川

壮大な歴史の初め、今から遠く離れた『時』の話
現実離れしたイメージがそこに登場する全ての単語についた

その、ユーフラテス川がすぐ手の届く場所にある



となったら行きたくてしょうがなくなった



















まあ、と言っても理由としてはやはり弱い

のに、来てしまった


今、欲求を形にするバイタリティーに溢れているのだ、きっと
ゆうや君、ありがとう
























それにしても、やってきたはいいが本当に何も無い所だった


20100730 (1)


一番の大通りと思われる場所を歩くも車は殆ど通っていない
いや人も歩いていない
道ばっかりは広いが逆にそれが寂しい
ポツポツと小さな商店らしきが道沿いに並んでいるが
殆どがシャッターで閉まっている

シャッター通りとは世界中にあったのか





事前に調べていた宿に向かう為、大通りから一本横道に入ると
まあ、ゴーストタウンのように新聞紙やら葉っぱやらが道に舞っている

シャッターの前には今にも潰れてしまいそうな小さな木で出来た腰掛に
無精髭を生やしたオジサンが独り座ってブツブツと何か喋っている

珍しく開いている売店にはこれまた怪しげな数人のオジサン達が
店先にたかっていてこっちは大声で笑い合っている
店主は、、なんと子供ではないか
中学生くらいの男の子が白いタンクトップで愛想笑いをしている


お目当ての宿はさらに細い路地へ曲がった奥にすすけた看板を引っ掛けていた
路地は行き止まりで所々錆び付いてはげた緑色の鉄壁が道を埋めている

宿入口の扉は路地の一番奥
やはり重たい鉄扉になっていてバシッと閉められている
鍵を開けてもらうために扉の横のブザーを押さなくてはいけない
押す前に何故か一呼吸置いてしまう

上を見上げると灰色の無表情な4階建て程のビル
窓には鉄格子が見えて少しひび割れが見える





『とんでもない所にやって来てしまったかもしれない、、』





灰色の雲が心を襲いだす
得たいの知れない不安に包まれながらもブザーを押す

鍵をしなきゃいけないような治安の場所なのか??

思考がどうどう巡りする前にあっけなく扉が開く



入ればいきなり階段

上の方で声がするのでそのままリノリウムの階段を上る


重いリュックを背負いながら三階分ほど上って行くと
階段の踊り場に机があって中学生の男の子が座っている




まさかこんな所に受付??!




はい、受付ですけど

という感じで中学生が立ち上がる


軽く宿の中を彼に案内してもらい
最初の不安はどこへやらすぐにチェックイン









事前に頑張って調べてもデリゾールの安宿は三軒しか出てこなかった
どれも似たり寄ったりの値段設定だしあまり大差ないように見えた
わざわざそれを確かめる為にまたリュックを背負いながらあの街中へ戻りたくない


そしてなによりこの宿が綺麗であった事


踊り場の所から中に入れば大きなコモンルーム
20畳くらいはあるんじゃなかろうか

椅子も冷蔵庫もテレビもある
壁も天井も白く塗られて清潔感があり
床は何故か白と黒のタイルでオセロのようだったが
別に悪い気はせず、むしろ明るい雰囲気があった


オーナーという人にのちほどあったがその人を見て納得

彼は白いガウンのようなモノを羽織り
顔はいつも優しい笑顔を絶やさず
声は抑え目でゆっくり穏やかに喋った



20100730 (13)



何だかキリスト教会の神父さんのようなイメージを瞬間的に思い浮かべたが
イスラム世界のここでそんなイメージは失礼だと思い直す


新しい世界を訪ねる際には
固定のイメージほど嫌悪すべきものは無い

しかし、それは日に日に凝り固まろうとする思考を
変化に結び付けてくれる起爆剤になる

そうか、神聖であるという神父のイメージは
あまり神父に馴染みの無かった僕が勝手に抱いたか、
いつの間にか刷り込まれたモノであるという事なのだ、
というふうに
























無事に荷物を下ろすとすぐに外に出る


さっきの売店にたかっているオジサン達がまだ居たので
川はどっちか聞いてみる



もう不気味さは不思議と無くなっていた

リュックを下ろした安堵感と一度既に見ているというのは
随分と街の印象を変えた

さっき宿の中学生とオーナーの人だけではあるが
ここの人と話をしたのも大きいかもしれない
急に『普通の』街として眼に映る

これが情報として知っているだけと
実際に体験して経験として蓄積されるのとの
一番簡単な違いなのかもしれない






川までの道をのんびり歩いていると小さな橋を通った
まさかここではないだろうと思う

それよりも川岸に建つビルを見て
この街が本当に郊外都市というか何気ない街なんだというのを
しみじみと感じた

ただ遠めに見ただけだが
あれは間違いなく団地と呼んでいいだろう


20100730 (2)













少し離れてくると道が小奇麗になってきた
今まで区別なんぞなかった道がいつの間にか車道と歩道に別れている
しかも間には丁寧に植木まで植わっている

両脇にある家々は大きめの一軒家が並びだした


その中に一軒空き家になっている家があった
草木はぼうぼうに生えドアは外れ窓ガラスは割れている

壁にある沢山のペイントが眼に留まった
その顔が誰を指しているのかはすぐにわかった

ダマスカスや国境や至る所で見る事が出来る顔
今シリアを治めているアサド大統領だ


20100730 (3)



こんな所にペイントされているが
落書きや乱暴なメッセージが無い所を見ると、きっと肯定派であろう






こうやって町中で同じ顔を見る事が出来るのは
なんだか中国を思い出す


日本にいた頃に一番身近な社会主義国と言えば中国だ
その中国は日本からしてみれば不気味なイメージがあったりもする
その原因は何といっても政治の仕組みだろう

一党独裁体制

それが沢山の規制や検閲という部分にスポットを当てさせる
人民平等という社会主義の理想はなかなかピンとこない


もし僕がシリアが社会主義国だという事を初めから知って入国していたら
きっとイメージは幾ばくは違ったかもしれない



でも、僕はここで人懐っこいシリア人に沢山出会った
最大の都市ダマスカスでさえ僕とゆうや君が歩いているだけで
突然人だかりに囲まれる事もあったのだ

みんな好奇心旺盛で親切である



なんとなく社会主義に対する偏見が取り除かれたような気がしないでもない

冷戦が終わって随分とたっている中で
社会主義万歳などと言うつもりは毛頭無いが
それぞれの『主義』に対して持つイメージが変わった

主義にはそれぞれ唱えた正義が必ずあって
その正義の先に求める幸せの形は
方法は違うにせよ同じ形を求めているんじゃないか、という




簡単な話

意識せずとも違う主義の下に生活しているシリア人と僕
シリア人の人柄はとても人懐っこくて
そして僕もそれはくすぐったいけど笑いが出てくる

気がついたら肩組み合って笑い合ってるんだから


そしてそんな笑いっぱなしのシリア人たちを見てると
幸せで彼らなりの平和な生活を送れているんだろうな、と思える

























道は真っ直ぐ
すると大きな大きな吊り橋が見えてくる

明らかに街の規模からいえば異質とも言える

沢山の甲高い声が聞こえてくる
そしてそれにも負けないくらいの水が流れる音





ユーフラテス川





確かに大きな川だった

けど、それはこの街の規模に対してであって
向こう側が見えないくらいの大河、という訳でもない

それはそうだ河口付近ならいざしらず
まだ中腹なのだから

重要なのはこの水量が砂漠の中を干からびずに流れているという事





橋の欄干にはいかにもやんちゃそうな子供達がずらっと並んでいた

ちょっと面倒だな、、と思う
旅先の子供は危険だ



と、思った矢先に一人が僕の事を見つけ声を上げる




と、


雪崩の様にやんちゃ坊主どもが襲ってくる






何を言っているのかわからないが
みんなオレの話を聞けとどんどん声量が大きくなってくる
そしてみな自分を指さす

『俺を撮れ!俺を撮れ!!』


20100730 (10)




しょーがないから撮ってやると
別のやつがやってきて撮れという

しょーがないから撮ってやると
今度はそいつが別の奴を連れてきて友達を撮れという

しょーがないから撮ってやると
今度は俺を中心に友達を撮れという



20100730 (8)




きりがない

どいつもこいつも腕を伸ばしてきてベタベタ触ってくる
腕を掴んでこっちを撮れと言う


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最初は面食らって抵抗するのに必死だった



20100730 (7)



けど、
みんなが止まらない所を見てると純粋さを感じてくる
そしてみんなが笑顔だから
何だかこんな事でグチグチしそうになっている自分が恥ずかしくなってきた

撮ってあげればいいじゃないか、それくらい
カメラを持ってるのは僕なんだから
それに一人でのんびりするのもいいけれども
全くほっとかれるなんてまた悲しいじゃないか

みんなで楽しんだらいいじゃないか



みんなが笑顔だ
そして僕もいつの間にか笑いながら写真を撮っていた


20100730 (9)





















そんな中一人珍しく真顔なのが居た

そいつはただ無言でカメラの前に入ってきた


20100730 (11)



撮ってやると何やらジェスチャーをする


『今から飛び込むから撮ってくれ』




みんなが盛り上がる



『撮ってやれ撮ってやれ!』



お、それは面白そうじゃないか
としている間に青パンツで無口な彼はすすっと欄干の上に立ってしまった

急いでみんなで欄干に寄る


20100730 (5)










と、すかさず彼は飛び込んだ


あのユーフラテス川へ




20100730 (4)































まあ、彼らにしてみれば家の近所にあるただの川だ
いや、僕からしてみたって今見下ろしているのはただの川にしか見えない

今となってはそうかもしれない
それとも言い方としては
全てはそうでしかないのかもしれない




名前はどうであれ、

この川は随分と昔から砂漠を潤し続け
皆の笑顔を作り出してきたのだ










名前は違いを強調させる



ただ、

主義も方法も違ったとしても
それでもその先の幸せの形が同じであれば
別に恐れる必要も嫌悪する必要も無い
そして特別に戯れる必要も尊敬する必要も無い



まずはちょっとずつ全ての相手を好いてあげるだけでいい

何かを知る前にそんな姿勢を持って居たら
きっといつか沢山の事を受け入れられるようになる





そして、

カラカラの中であろうとしっかりと水を海まで運び
周りを潤せる事が出来るかもしれない


20100730 (12)














弾丸トリップ

[20100729]




大のお気に入りになったダマスカス
街の規模も大きいからまだまだ楽しめる
いつもならここに一週間二週間とダラダラ滞在するだろう

しかし今回はそうならなかった
というか、たった二泊したのみで
バスに乗って東、パルミラへ向かった


これは今一緒に行動を共にしているゆうや君の影響だ


















ここ数回のブログに何度も名前が登場しておきながら
全く説明していないなんぞ失礼千万というものだろう



ゆうや君

彼は、言うなれば『弾丸トリッパー』

日本ではサラリーマンというしっかりとした社会的地位を持ちながら
大学の時に成したいくつかの旅への欲求を持ち続け
さらに達成している人である

彼は有給を上手く組み合わせて一週間前後の連休を作り
一年に数度海外旅行を実現させている



会社で働いている(いた)方々にはわかるであろうが
一週間の休みがとれたところで思い切った海外旅行などなかなか難しい

まず休みの前に準備の時間が必要であるし
そして現地までの移動時間もかかる
移動時間は日本へ帰ってくる時もそうであるし
さらには社会復帰するまでのクッションの時間も必要だ

一週間からこれらの時間を引いたら
純粋に観光できる時間など三日くらいにしかならないかもしれない

日本から遠いヨーロッパなどは
移動時間がよりかかるので観光時間は減るというのに
逆に物価や飛行機代が高くついてしまう

となると、たまにの海外旅行といっても
どうしても距離的に近い東アジアや東南アジアになってしまう




だが、僕がダマスカスで彼に会った通り
ゆうや君は実に思い切って飛び出している

今回も日本からドーハ経由のアンマン入り一週間の中東の旅

きっと成田空港からアンマンの空港までですら
20時間以上の移動時間ではなかろうか



しかし、ゆうや君は
大学の時にした旅を見事に経験として身に付け
いちいちひとつひとつの事にビビる事無く進んでいく

小さな事にこだわり続けてしまったら
貴重な時間が失われてしまうからだ










僕の考えとして、

 時間に縛られるなんて肩がこって仕方が無い
 そんなの落ち着かないし
 急ぎたい時は急げばいいし
 でもじっくり『ここは!』って反応したら
 気が済むまでいなきゃ意味が無い
 折角来たのだから!

なんて思っている節があって
だからリスキーであっても半無制限な旅を選択した

それもあって、

 短期で訪れるのとは違う何かが体験できている

筈だと思っている時がある
いや、思おうとしている






でも、



それはよく考えたら違うのだ





























パルミラの宿はすぐに決まった

決めては『フリーで水がいくらでも飲める』



実際これは大事だった

別に水道水でも問題は無いのだが
やっぱり飲むなら美味しい方がいいし
それにここパルミラは、、、




20100729 (1)





メチャメチャ暑かった






アラビア海沿いの国々の暑さによって鍛えられた僕は
西アラビア半島の国々の暑さはそうこたえるモノでは無かった

しかし、やはり砂漠の真ん中というのはそう甘くは無い






パルミラは沢山の遺跡群を抱えるシリアの中でも
とびっきり重要性が高いと言われているパルミラ遺跡のお膝下

そのパルミラ遺跡は世界でも有数の規模を誇るローマ様式の街遺跡
『ローマ様式』と聞いて思い浮かべるような柱が砂漠の中に点々としている

そう、規模が大きいと言っても一つの大きな建造物がでーんとあるのではなくて
砂漠の中に一つの町がほぼ丸ごと遺跡となっているという規模の大きさである




だから室内の壁の装飾など触ってみたりはたまた遠目に眺めたり
なんていう余裕などなかなか無い

観光する者は日陰の殆ど無い砂漠を歩き回らなくてはいけないのだ





砂漠の日差しはそれはそれは厳しい

直接太陽を見ている訳では無いのに目がすぐに痛くなってくる
というか顔を空に向ける事すら辛い
気温は宿の人曰く50度を超えているそうだ

そして日中にしかも直射日光に浴びせられ続けるなど
一体体感温度はどうなってるのだろう


そんな所で、水は必要不可欠


勿論、あっという間にぬるま湯になってしまうが







早朝にダマスカスを出てきて昼過ぎにやってきたパルミラ
移動のバスで疲れていながら
さらに宿に着くまでのちょっとでもかなり暑さにやられている
一息もせずにすぐに砂漠へ繰り出すなど、、、


と、なるところだが、
僕たちはすぐに出発した

ゆうや君はこの一泊だけしかパルミラにいる事が出来ないのだから
























ダマスカスでゆうや君と出会ってから数日であるが
彼のバイタリティと言ったら驚愕であった


限られた日程

その中で最大限に楽しむべくしっかりとモチベーションを持ってきている


僕とゆうや君はダマスカスのウマイヤドモスクがいたく気に入って二度も行った

モスクの広場で仰向けになって
広場に響く子供の声を聴きながらただ空を眺めたりした

そういう僕がずっとしてきたような
のんびりとした時間の過ごし方も彼はしていながら
それだけに終わらず精力的にいろいろな場所を訪ねようとした


ダマスカス初日僕は近所を散歩して宿に戻ってきた
そんな僕よりも数時間遅れてダマスカスにやってきたゆうや君は
宿にやってきてからすぐに出発してウマイヤドモスクへ向かった
近くのバザールも見学した

次の日にはボスラへショートトリップ
その帰りにまた街を散策して再びお気に入りのウマイヤドモスクへ


僕は人と行動するのが好きであるから
初めは興味本位もあって一緒に行動を共にした

『きっと独りなら行かないだろうけど、、』

そんな気持ちもあったかもしれない
でも気がついたら、

一緒にあそこへ行こう!
ここへも行ってみよう!

となっている自分がいた
ゆうや君が精力的に連れていってくれる場所が
本当に見事な場所だったから












僕がどんどんとのんびり屋になった言い訳のひとつに
兎に角疲れてしまうという事があった


旅をしてると『家』という物が無いから
常に一日先を気にしなくてはいけない

明日どこにいるか
そこまでの移動手段
その先の宿

言ってみれば自分が歩いている道一歩先の場所を
コンクリートで固めながらいちいち歩いている感じ

なかなか精神力を使うものだから
いつの間にかそっちに力を温存しようとしてしまう

それじゃあ旅に出ても本末転倒じゃないか、となってしまうが
致し方ない、さすがにこれには観光だけでなく生活もかかっている




そしてもうひとつ


僕は現地の空気感や生活のリズムが知りたいという欲求があった

こればっかりは本当に屁理屈っぽいのだが
でもやっぱり観光に精力を使っている状態では
現地の生活感は見えないとは今でも思う

だからなるべく観光色の強いところから離れようとしていた節はある


この空気感と観光色の二つは殆ど相反する要素だと思っていて
二つをなるべく切り離して好みの空気感にどっぷりハマろうとしていた










言ってみればゆうや君の弾丸トリップは
その僕の最も避けるべき対象であった

が、いつの間にか僕はそこにのめり込んでいた


いや、今思えば、やっぱり僕の想いは屁理屈であったのだ
空気感と観光色は相反するものでは無いのだ

それをゆうや君は体現していた


きっとただ言われていただけなら僕は断固として拒否していたに違いない
いつの間にかのめり込んでいたのはきっとゆうや君の人柄にもよるだろう




























宿から出て道を数本横切るだけであっという間に砂漠に出た

その頃には既に冷水として持ち出した物は
体温くらいの水になっていた


裸眼の徒歩で逃げ水が確認できる
本気で地面がゆらゆら見える

真っ白な砂漠の中ただ真っ直ぐ伸びる一本道は絶望感が込み上げてくる


20100729 (2)




ただ、

愚痴は言いながらも
それでも足は前へ進む









いつの間にかすぐ右に沢山のローマ様式の柱と石が積み上がった所にやってきた

どうやら昔の目抜き通りだった所らしい
ポツポツ観光客らしい人影も見える

そこに吸い込まれるように入っていく


20100729 (3)



砂漠の色と全く同じ柱
砂漠の真ん中だから音は反響せずに飛び散って音環境はひらべったい
太陽は照りつけて頭はぼーっとする

そんな中、全くの自然とは違った
明らかに人の手が加わった形跡がある場所を歩いていると
何とも言えない寂寥感を感じる

こんな暑い中で心の中に芽生える少し冷たい気持ちは
何故か悪い気はしない


20100729 (6)

























ゆうや君と僕はあまり言葉を交わさずに進んだ

会話をする余裕も無くなったというのが正確か
ただ平地を歩いているだけなのにもう息が上がり出したのだ




観光は結構体力を消耗する

遺跡や大自然などは大抵非日常の場所にあるのだから
そこに行くまでには普段使わない労力を必要とする

さっきの話で言えば
例えば一年の有給を固めて連休を使って海外旅行またはバカンスと言っても
結局予定を詰め過ぎたら疲れて帰ってきてしまうのだ


折角の休みを、、


それじゃあ意味ないじゃないか
折角海外にくるんだったらのびのびしたい

そう思ってた
短期で来たらそんな『のびのび』した時間を過ごすのは不可能だ
と思っていたのだ



一度と言わず何度も僕はゆうや君に
そんなタイトなスケジュールで疲れないか聞いた

「うーん、確かに疲れるけど、、、
 でも気持ちが違うからね
 会社で働く疲れと違うから疲れても結局リフレッシュになるし」


理屈では何となくわかってはいたけれども
そうやって体現しているゆうや君に言われると
初めて言われたみたいにビビっときてしまった


『のびのび』とは『伸び伸び』である
のんびりゆっくりする事とは違うのだ

両手を大の字に広げて大あくびをする事では無いのだ
両手を空に伸ばして鼻から新鮮な空気を思いっきり吸い込むの事なのだ


























人の少ない遺跡の目抜き通りを歩いていると
向こうに人よりも数倍大きなラクダが居た


20100729 (4)


ラクダの装飾からみてどうやら観光客向けの商売らしいが
側にいるラクダ使いは商売する気があまりないらしく
日陰の石に座り込んでのんびりしている
この日差しでは仕方ないだろう


家族連れがやってきて子供がキャッキャ声を上げている

そっちの方へ顔を向けると二頭のラクダがいる
一頭はびしっと立っているがなんともう一頭はへばっているではないか

砂漠と言えばラクダ
あのラクダが暑さにヤラれてるではないか


思わず笑ってしまったが
いや、ちょっと待て


これぞまさにしゃきっとゆうや君とぐったりした僕ではないか



20100729 (5)
























ラクダを過ぎるとまた寂しい目抜き通り

先には神殿跡がありそしてそれを見守るように丘が裏にあった



「あそこまで行こう」



無意識に声に出していた




想像していたよりも随分と距離はあった
しかも途中から上り坂になり
結局石、というより岩がゴロゴロとする山道になった

けど、


なんとなくその先にはすごい景色が待っている


今までゆうや君が見せてくれたような景色がきっと待っている
疲れるけどその疲れはきっと後で爽快な気持ちをもたらせてくれる

そんな確信だけを信じて登った
























景色は見事だった

全てを見渡す



20100729 (7)






























ゆうや君は明日ダマスカスまで戻り
さらにアンマンまでとんぼ返りして日本に戻らなくてはいけない

今日が最後の夜


20100729 (8)



僕たちは郷土料理であるラクダ肉を食し
パルミラ遺跡で一番の穴場と言われる夜
二人でビールを買って遺跡まで向かった


夜は昼と違って随分と歩きやすかった
街灯など皆無だが先に見えるオレンジ色の光を頼りに歩いた


それは遺跡を照らすライト




パルミラ遺跡は何と入場ゲートというものが無い

言ってみれば砂漠に『放置』されているといってもいい
ので、夜でも自由に入れるのだ




一番大きなアーチ状の遺跡の前で
僕たちはiPodから音楽を流しながらビールで乾杯をした

ローマ遺跡のライトアップに囲まれながらの乾杯


20100729 (9)






こんな贅沢があるだろうか









ゆうや君、ありがとう



20100729 (10)










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