スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

台湾の旅の始まりは嵐の如く



さてブログの懺悔もした事ですし
これからぱあっと羽を伸ばしに台湾一周の旅に出てまいります




ご存知オーストアリアで出会った台湾人ルルの案内の元
色々な人を訪ねながら台湾を感じるツアーを
今日から台湾の旧正月まで約二週間かけて廻ります


台北を離れ反時計回りに台湾を一周
初日はまず台湾の真ん中に聳える山々の麓
台中へ

そこにはルルと同じくオーストラリアで出会った
台湾人エディが住んでいる街

ルルに連絡を取ってもらい
今日はどうやらバスでそこへ向かって
台中の街を案内して貰う事になっているみたいだ




そう僕達の今までの旅スタイルは今完全に影を潜めている
恥ずかしながらすべてルルに任せっきりである

何処に寄るかからバスのチケットまで

僕達も出来ない訳無い
というか今までやってきたのだからやるべきなのだが
今回に関してはちょうどルルも旧正月
自分の故郷である台湾の南の都市高雄に帰るというのもあり
そのまま地元の人に沿って流れてみるのもいいかと
そう考えたのであって
決して面倒くさがったと思わないで頂きたい


という訳で僕達はいつも使う筈が無い
トンでもないくらいの高級バスに乗る事になった


まずチケットカウンターからして違う

地下鉄の台北駅からエレベーターでそのまま昇っていくと
暗い箱から開いた扉の向こうに現れたのは
白い壁に白い床に囲まれた眩しい位のフロア

日本の百貨店を思わせるような
綺麗なフロアのそこがチケットカウンター

ルル達の仲介があってすんなりチケットを購入出来たのもあるが
形の整えられたベンチにおのおの座る客
ベンチの前で今から出発するバスをコールする糊の利いた制服を着たスタッフ
そのスタッフのいるカウンターには
セルフサービスの水が山積みされバスにも持ち込めるようになっている
そんなカウンターの上には電光掲示板で現在時刻と
次のバスの行き先に出発時刻が流れている
カウンターの後ろに敷き詰められたガラスの向こうには
大きなしっかりと側面がペイントされたバスが忙しく行き来している

東南アジアでバスと散々格闘してきた僕からしてみれば
天国のような場所
というか白く反射する光が本当にそんな幻想を与えてくる

バスといえば今の所
すぐにラオスのバスを思い返す
あの暗くて煤けたバスを思い描けば
ここの白さが天国に思えても大げさでは無いと思う


痺れさせられたのはチケットカウンターだけではない
勿論バスもそうである


乗るとそこに並んでいたのは
飛行機のファーストクラスで見るような大きさの椅子
あれは椅子と呼ぶべきものなのだろうか
顔をうずめるとその形に沿って凹んでくれて
優しく包み込んでくれるようなクッション
その大きいのが僕を待ち受けて
そして身体全体を包み込んでくれるよな

重量感たっぷり
それでいて優しい

しかもそれだけではなくて
何故か席それぞれにテレビがついている!


20100131-1.jpg


僕達はしばし興奮の為浮き足立つけれども
すぐにクッションの魔力によってより深い所へ沈み込んでいく





たった一時間
名残惜しいけれども台中に辿り着いた為渋々バスを降りると
そこは台北と同じ国とは思えない程の気温と日差しが待っていた

そんな寝てばっかりいないでしっかり台中を見届けるのだ
といっているみたいだ

空はしっかりと晴れていて
隠すものが無い空にはぎらぎら元気のいい太陽が



近くのコンビニで再会を果たす
オーストラリアから見ると随分と太ったようにみえるエディ
何故か出会った日本人がみんなが太るというオーストラリアで痩せ
台湾に戻って太ったという

という訳で台湾人はやはり台湾の食べ物が好きで
そして底抜けに食べるという事の証拠がまたここで一つ



さらにもう一つ
エディの車に乗ってさて何処に行こうかという話になる
運転席のエディに助手席のルル
二人の会話に聞き耳を立てていると
八割方食べ物の話

大体はやはり女の子ルルの発言なのだが
別にエディも慣れているのかうまく付き合っている感じだ

台中に来たからには何を食べるべきか
あれが有名だと聞いているが一体何処のお店で食べればいいのか
そういえば例の店はまだあるのか

そうやって話続けている間に
ある一軒のレストランに行き着く


一階でいかにも中華料理店のお店にあるような
丸テーブルの真ん中に回る小さな子丸テーブルがいくつもある前で
ステージに立ってカラオケをしているおじさんの声を聞きながら
二階の閑散とした所へ入っていく


エディが手際良くオーダーしていく
まず現れた漬物のようなものの味の強烈さに少しびっくりし
この後の料理に戦々恐々としていると
後ろからぬっと大きな影が現れて目の前の子丸テーブルの上に置かれた

こんなに大きなモノを食事中に見る事は殆ど無いから
果たしてそれがチキンの丸焼きである事に気が付くのに時間がかかった
しかもお皿の横には手袋が添えられている

ルルがその手袋を手にして
まさしく目口鼻の付いた顔と肉の塊の間にある首を持ち
そして肉汁を滴らせながらお腹の辺りから
こんがり狐色に焼けた皮を引き連れて肉をもぎ取る


20100131-2.jpg


他にも沢山の料理を頼んでくれたのだが
勿論美味しかったのだが
あの鳥の強烈なイメージはなかなか他のモノを主役にはさせなかった


お腹一杯になった僕達
でも車に戻っても食べ物の話は止まらない


台中の郊外にあるという花園に行く時も
そこが入場料が要るとわかって入らずに
ただ入り口で記念撮影をして戻ってくる時も
運動がしたいと言ってエディの友達の家に行き
バスケットボールを借りて近くのコートでバスケをした時も


ずっと


ずっと


食べ物の話は尽きなかった
途中実際に車を停めて買う時もしばしば


バスケが終わり
流石にもう八時を回り夕食になって
近くのナイトマーケットへ

そこでも結局それなりに食す



僕達は途中途中ごまかしながら食べたり食べなかったりだが
一番の大食いルルは常に食べる

あれだけ一日中買い食いをしていながら
ここナイトマーケットでも
きのこの揚げ物を食し
ソーセージを食し
スープを食し
そしてきちんと最後にソフトクリームを頬張る

食べていれば兎に角幸せなのか

と思えばそうでもない
目の前に突然出来た人だかりに飛び込んで行き
どうやら人気歌手グループの撮影が会ってそこに有名人が居たらしい


20100131-3.jpg


嬉々として戻ってきたルルは
妹が好きだから写真を撮ってきたの
絶対に彼女嬉しがると思う
すんごく目の前に立って撮ってきちゃったと
間違い無く自分も興奮した様子で写真を見せてきた




まあ食べ物だけ食べていてもしょうがない
台中にいるのは今日一日だけなのだ

エディと久し振りに会ったと思ったら
明日にはここを経たなくてはいけない


エディとはオーストラリアで数度しか会った事が無い
でもあの初対面であっても男でも女でも
エンジンを緩めずに切り込んでくる快活な感じが
僕の心に印象強く残っている

例え飲んでいたとしても
軽く色んな所に顔を出してちょっかいを出して
それでも誰かが空気を壊しそうになったり
バランスが崩れそうになると気を使う
そして彼なりの人情を常に大切にする


オーストラリアではそんな彼と
何度か語り合った


だから今から帰ってこのまま一日を終わらせる訳にはいかない



僕達はこの一日を大事なモノにすべく考えを練った
エディの家に泊まらせてもらう筈だったが
もう夜が遅いので今から伺うには少しうるさ過ぎる

外の公園には地元の人以外が夜を過ごすのは危なすぎる
というエディの忠告

そしてエディのアドバイス
彼のいう家でも無い公園でも無い
その案に僕達はのる事にした





台湾の少し田舎町台中で
僕達五人は一種の日本でいうラブホテル

のような所へ行って朝まで酒を片手に語り合う事にした





そう



そこで事件は起きた






20100131-4.jpg


スポンサーサイト

すいません僕のブログ

みなさんいつも僕のブログを覗きに来て頂いて有難うございます


この記事で初めての人も
今日時間があってたまたまクリックした人も
訳も分からず誰かに引きずり込まれた人もいるでしょう




果たしてこのまま読み続けて頂けるのか
それはまさにこの文章の魅力に関わっている訳ですが



さて魅力って何でしょうね



いつも見に来ている人は
一体何を思って見に来て頂いているのか



そこを掘り下げるべきでしょうか




でも僕には今この画面の向こうに誰が居るのか知る由もありません
コメントやメッセージが無い限り





果たして誰に読んで欲しいのか
そもそも読んで欲しいのか

このブログを書き始めていつもいつも考えている事



だって旅をしていながら
まさかこんなにブログに時間をかける事になるとは思ってもみなかったから
じわじわ頭はブログに侵食されてきていて

ここまでやるんならどうせなら沢山の人に見て欲しい
という気もどうしても起きてきてしまうのが人間でして

何というか大事に大事に育てた子供を看るような感じで
この子には大きくなって欲しいというような親バカな精神




そうなったらもう可愛く思えてきてしょうがない

いやブログを自分で絶賛する訳ではなく
読み返してみたりすると


この単語がここで思いついたのは気持ちが良かったよなあ

とか

この描写はまさに自分の頭の中の映像を呼び起こしてくれるよなあ

とか

ここでこの写真を持ってきたのは会心だよなあ

とか


細かい所で小さな満足感が積み重なって
記事がある程度の数に達すると
大雑把に眺めてみてよくぞここまで大きくなった

と悲しいくらいに子供の頭を撫でてしまう




分かってるんだけれども
恥ずかしいくらいに自慰的なんだけれども
その時の快感はやめられない




でもふと見回せば自分の周りには今誰もいない
このパソコンの画面の向こうの人達と直に会う事が無い
ネットの環境なだけでなく
実際に今僕は住み慣れた生活の場を離れている

日本には気の知れた親友も沢山の時間を過ごした彼女も
当然世界で一番僕の事を知っているだろう両親が居て
僕の事を簡単に理解してくれて
そして社会の中の僕という存在をやんわり保証してくれている



そこから離れて行った
実際に会って話し合ったり経験を共有したり
そういう繋がりを日本に置いてきた
社会と繋がっていた沢山のパイプの蛇口を閉めてきた

感情や知識の供給をしていたパイプ
両親の言葉
親友との経験
社会をみんなと過ごして感じていた

目の前の事にかまけて自己満足に浸っていると
使わなくなっていたパイプはあっという間に錆付いてきたりしている
社会との繋がりを維持してきたパイプは脆くなって

目の前には
蛇口からちょろちょろ何かが出ているのもあるし
蛇口を閉めていないのに管がボロボロにあってしまったのもあるし
蛇口を閉めたまま錆付いて開かなくなってしまったのもある


怖くなって闇雲に蛇口をひねってみる
でも今度は蛇口が取れてしまったりする


ねえ誰かいないの?

誰か答えてくれ

俺だよ!ここにいるから返事をくれよ!


そう叫んでみるけれども
廃墟のような場所に声が木霊するだけ


整然と並べられた朽ちていくパイプを前に途方に暮れ
周りを見渡せばついこの間までパイプによって一緒に回っていた筈の社会が
僕を置いて急に早く回りだす


取っ掛かりを無くし
社会のどの取っ手を掴んで行けばいいのか分からなくなる


僕の周りには今までどれ程生活をしていく上で大事な人達が居たのだろうか
僕の周りには今どれ程の人が居てくれているのだろうか





自己満足の快感の後にくる孤独感
そして果てしない虚無感

沸き起こった感情の行き着く先が無い
パイプを通る事無く自分の中に溜まっていく

共有者を無くし
どんどん溜まっていく感情は
混ざりに混ざって動かぬ水は腐っていくように
黒く染まっていって景色を暗くしていく





結局共有者が居なければ僕は発狂してしまう


どんなに自分の好みがあったとしても






だから





すいません

僕のブログ


本当に読みにくいですよね




僕は読みにくいのが好きなんです
自分が本を読む時


すごく圧倒されるくらいに個人的な世界が描かれている本を読むと
その時頭が必死に回転しているのを感じる

その熱くなった自分が嫌いじゃないんだと思う

一生懸命に何かを汲み取ろうとしている
その世界に飛び込もうとしている
試行錯誤している

そしてある時にすっと世界観がマッチする時
パイプの詰まりが取れたような
詰まっていた物が一気に雪崩れ込んでくるような

その感触が好きなのかもしれない





でもそれって僕の話であって
今発信している僕のブログの話ではない


だから


何とかもっと読み易い伝わり易い
そしてわざとパイプを詰まらせて分かりにくさを利用するんじゃなくて
大きな想いをストレートに出して心を響かせるような

そんなふうに
そんな魅力をもったように

出来るように




日々精進していきたいと思います












こんな事を突然書いたのは
何を隠そう

なかなかあんたのブログは読み難いよと指摘されたからです



という事は



見てくれている人が居るという事なのだけれども







20100130.jpg



彼女



まさみからメールが来た


名前をここに書くのは初めてだろう
ずっと書くかどうか迷っていた
いや書かないと決めていた

でも何度か書いている
何故なら僕の心理に影響を与えている人だから
僕はここに感情を抜きにして書けないのだから
その人の事は描かれている

文中の描写にしても
代名詞としても
僕の感情の起伏にしても








僕の日本に居た時からの彼女



いつもいつも一緒に居た
時間が許す限り顔を合わせた

たった数分でも
一日と空く事を許さないような
五分のつもりでも結局会えば一時間くらい話し込む


何処へでも臆する事無く顔を出す
いや臆してないとは言わない
元々人付き合いを苦手とする彼女は
好奇心によって身体を突き動かされていた


一体あんな小さな身体の何処から出てくるのか
激しい熱が身体を操っていて
自分はそれに抗わずに流れにのる事によって
何とかバランスを取っている様な

だから彼女は少しでも気を許せば
雪崩のようにそのまま勢いに乗って何処までも行ってしまう


そんなんだから
彼女が一体何処を向いているのか
今何処へ行こうとしているのか見ようとした
ちょっとでも時間が経てばすごく先の方へと行ってしまっているから

危うい高回転のエンジンを積んだバイクが
ひょんな所で小さな小石を吸い込んで大事故にならないように


色んな感情をぶつけてくる
いつの間にか僕に対してすごく怒りをぶつける時もある
そんな時はすぐに見つけてあげなくてはいけない
僕に対してだけではなくて周りに対しても

気がつけば感情はすぐにエスカレートしているから

自分でもきっと戻し方を知らないだろう
そんな彼女を戻す方法を僕が知り得ようか
いやそんなの僕が戻す必要も無いのかもしれない


彼女をたしなめたってしょうがない
行き先を指定したってしょうがない
ただ毎回毎回定期検診のように
小石が紛れ込んでいないかを確かめてあげるだけ
あとは軽快な走りに僕も身を任せれば良い


気が付けば沿って走っていた僕にも
彼女のような感情の起伏が現れてきた

いつも冷静を装おうとしてきた僕には
すごく新鮮な事だった









そんな彼女とこの旅の途中で二回会い



そして別れた









旅に出発した
僕は彼女を置いて日本を出た

それでも向き合えると思った
僕はこの旅でも当然向き合うつもりだった
もう彼女を見る事は僕の仕事みたいなものだったんだろう



慣れてきた自信が僕を付け上がらせて無意識のうちに
何でこの仕事をしているのかという理由を顧みずに
こなしていく事に目がいって

すぐさまその心の隙間は旅道中の風雨がすぐにボロボロに侵食していった



一度歯車が狂うと元には戻れない
過去と現在の間には時間分だけ欠片があって
歯車に挟まった欠片が綺麗さっぱり消えてなくなる事は有り得ない


なんとか新しい回路を見出すしかないけれども
彼女は自分を救う方法を知らないのだ
彼女は本当に激しい人間なのだ

アクセルを噴かしたまま走り去ってしまった
何処までも走り回って急旋回して
熱が暴れまわっている


そんな状態を一番気にしていた筈なのに
僕がその引き金を引いてしまった


そして彼女は自分を戻す為に
最終的に自らを傷つけたり強引にクラッシュして
勢いを止めようとする事を僕は忘れていた
そして当然それは周りを巻き込む事になって






彼女からのメールには槍の如く
遠くから力のある一突きが僕に突き刺さる



僕は彼女を見ていた筈
でも仕事をこなすようにただ反射神経のように
向き合っていただけなのか

それに気が付いたまさみは
僕を勢い良く攻め立てる



そう僕が悪い



先日送られてきたお世話になっている先輩のメール
僕を漢字一文字で表すと「配」だと書かれていた
他人に対しての心配りに配慮が出来ると

心に突き刺さる



こんな僕が?




彼女のメールの文章全てから
僕の過去の行為に対する批判が炙り出されていた




わかっている
わかっているんだ




今の僕は特に二次元のイメージしか無い
出会って話をするという事が出来ない
限定された情報が僕を形作る
その時強烈な方へと針は振れる


言い訳の癖が頭を持ち上げてくる
でも僕は決めた
受け入れるしかない


このまま何もせずにいくのは不可能だ
今旅の只中
僕は沢山の事を得ていかなくてはいけない
僕は人生の途中で沢山の事を掴み取っていきたい

すべてを捨て去って
謙虚に山の中に篭る事は出来ない


誠意というのがあるのなら
僕は全てを受け止めるしかない
飛んでくる矢に腕を差し出して身を削るしかない



全ての批判をこの身体に受ける覚悟をしたのだ



だから



だからそれは当然本当に辛い痛い


彼女のメールを読めば読むほど
兎に角辛い
すべての言葉が小さな虫となって
僕の心臓目掛けて駆けずってくる







僕が信頼している人からのメールを思い出す



そう僕は過去をぶら下げてこれから歩いていかなくてはいけない



どんな変化があろうとも
過去の僕は今の僕と繋がっている訳で

少しきっかけがあれば
僕の残像はすぐに背中に見え隠れする




どんなに変わろうとしても
繋がっているという事はこんなにも重大な事なのだ

変化を僕自身が意識し始めても
人が強く僕に光を当てればそこに残像が現れて
僕の背丈よりも大きい影に覆われる






何だか急に醒めた気持ちになったりもする

結局過去から解放されないのであれば
もうその人間になってしまったらいいじゃないか
変わろうとしたって無駄じゃないか
報われないのだから


でも何だかそれすらも叶わないような気もする

結局僕はそんな人間になれない
漠然とした確信がある


だとしたらもう僕は常に腕を差し出すしかない
足を差し出すしかない
そして心も


打ちのめされるかもしれない
すぐに駄目になるかもしれない

それでもするしかない
これしか今は思い付かない









何だか突然すごく疲れた


肩に圧し掛かる重さに抵抗を止めた脱力感









雨が降って欲しいと思って外へ出て空を見上げる


いつもぐずつく冬の台北の空は重い白い雲に覆われているだけで
じっと僕を見下ろしている





僕には何も与えはしないと決めたようだ
慰めもしてくれない







そうだ強く抵抗しなくては
ただ生きているだけだって重力に逆らわなきゃいけない

脱力感は暗いトンネルの始まりだから






20100129.jpg



頭は身体よりも正直だ


最近時間はあるのだが
何だかそれほどゆっくり出来ていない気がする

端から見ればすっかりだれていて
まったりし過ぎているくらいなのだろうが
それでもゆっくり出来ていない気がする


つまりは余裕が出来ていないだけなのだが
僕の遣りたいと思っていた読書や散歩を全くしていない


一度余裕がなくなると
追われる不安は雪ダルマ式に大きくなる

一体何処で負の連鎖を断ち切ればいいのか
どこに立ち上がるキッカケがあるのか
そうやって探す僕は全然余裕が無いものだから
そうそう見つけれない
焦りのスパイラルが加速するだけだ









士林夜市に行った時の事



洗濯機から溢れてきた沢山の人達を眺め
メガネスーパーのような所のエントランスの階段で座りながら
取り留めも無い話をしていた


今向こうに見えてる黄色い看板のお店
あそこの豆腐は格別なんだよ
ほら今通ったカップルも
今目の前に腰を下ろしたグループも持ってる

友達に日本語を勉強したい人はいない?
この先4月くらいまで台湾にいるんだけど
北京語と台湾語の勉強をしたいんだよね
交換授業って事で誰かいないかな

台湾を観光するならいつ出発するのがいいかな
何処に行くべきかも教えて欲しいな


そんな時ルルが突然思い出したように

「そうだ!」

と大声を出した



これまた話が遡るのだが
前回小可愛の家に遊びに行った時に
尚吾がトイレから帰ってきて突然聞いた

「何でオーストラリアで俺達と住む事にしたの?」

ようは僕達三人
彼女からしたら外国人男三人組が住んでいるのだから
とても一緒に住もうとしないだろうと


その時ルルは僕に理由があると言った

ルルとクラスが一緒だった僕は
部屋を探しているという彼女を誘った
ちょうど家の一人が家を出るので
代わりに入ってくれる人を探していたのだ

まだ僕達はそんなに話していなかったのに
すぐに乗り気になって
そして一度家を見に来てすぐに決めてしまった


理由が僕が少し北京語を解した事だと言っていた
勿論他にも家が綺麗だとか眺めがいいだとかあるのだけれども
その時までは尚吾に愛二の事は知らなかったが
大丈夫だと思ったのだそうだ



しかしあれから考えてみてその本当の理由が分かったという

という事はつまり理由が僕では無かったという事で
それをわざわざ笑顔で僕に伝えなくてもと思うのだが


オーストラリアに住んでいた時に
よく僕達の家に遊びに来ていた人

その人にバーベキューで出会った
そして僕達と家の事を聞いた
そこで良い返答を貰った
それが決め手だと

つまり僕達の知らない所で僕達の話がされて
そしてそれにのった


何だか気持ちの良い話

だから理由は藍じゃなかったよう!
とか言って笑いながら肩を叩いてくるのは癪だが
それでも漠然と温かいものが頭に流れてくる


何だかそれを取りこぼさないように
大事に取っておいて後で吟味しようと
色んな方向をだらしなく向いていた僕の思考が
一気にそちらになびいていく



急に反応した頭



ここ最近徹夜した後みたいな
頭は熱く早く回転しながらぼおっとしているような
効率の悪いというか
何も出てこない状態が続いていた

それがこの反応を示した


自分じゃどうしようもなかった

押しても引いてもビクともしなかった扉が
横にスライドさせたらあっけなく開いたみたいな
少しあっけなすぎて
いつもなら何の疑問も持たずにのめり込む作業が
一瞬止まってしまった





僕はこの温かい気持ちを掴もうとした
自分の物にしようとした
ゆっくり後で噛み砕く為に
身体は一気にアクティブのスイッチが押された

今この時の映像を目に焼き付けようとする
耳がすべてを聞き取ろうとする
口がより深める為に勝手に動き出す

身体が前のめりになる



そんな中急に醒めた意識がついていかない



何故だろう



ただ本当に鈍ってしまったのか
それとも尚吾の最近の癖になっている
ノートにメモを取る作業を見たからだろうか
それともルルに茶化されたからか

何だか頭は流れて行く
温かい物を掴む事に及び腰になっている




自然な事を自然に出来ていないような

満員電車でなるべく静かに出来るように
呼吸の仕方を意識した時から
無意識にするやり方を忘れてしまった時のような


すごく苦しくなってくる


あとでブログに書こうか
どう書いてやろうとか
写真をどう撮るか
ここを訪れたら何を思うだろうか
これを思わなければならないだろうな

そんな事をやっている僕が
突然頭の中に現れてきてかなり異様に映って見える


何の為にこんな事しているんだろう


ブログを書いたって
世界一周をしたって
何をしたって
それっでもって何もしなくたって生きていけるのに

こんなに形振り構わず
何もかも絡め取るのは自然な事なのだろうか


全てを感じる事は不可能なのに
その瞬間にすべてを理解するのは不可能なのに


あとで書き起こしてどうするのだろうか
あとで現像してどうするのだろうか
事実僕はここ最近頭がぱんぱんで何も出来ていない
それなのに何かに追われる様な感覚の中にいた

プレッシャーは余裕を無くして
負のスパイラルの入り口を目の前に導き出す

それなのに
ルルの喋った何気ない一言が簡単にループを破って
僕の五感と意識は一気にイエロージャーナリズムのように
目の前にある事実の景色に人をなめ回していく


それってどうなんだろうか
今の時間と出来事に向き合えているんだろうか
正面にある現実はスイッチなだけで
すぐに別の方向を向いていないだろうか

現実を見る視点はいくつか潰れてしまっているような
そんな不安が心に灯る




少なくともこの旅に出て出来た僕の癖




そう

絶対に前だったら考えられなかった
昔に帰れば恥ずかしくなる事だってある


ただ今僕は事実違う世界の中にいる
同じ世界の中の違う側面から見ている

じゃあ違う視点でみてもいいんじゃないか
日本にいる時と同じような視点で見ていたら
日本で見るニュースと同じ感じ方で
同じ発信の仕方しか出来ない



勿論色々な感じ方をしていかなきゃいけないだろうけれども
それでも一つ眼鏡をかけて見た方が意味合いが強くる

赤い眼鏡をかければ赤色が消えて
青色と緑色の違いが鮮明になるように

そんな眼鏡をいくつも揃えたらいいんじゃないか

こっちの新聞は右よりだ
あっちの新聞はハト派だ

色んな新聞を読んで全体を把握するみたいに
そしてそれぞれの新聞の特性を
しっかりと見極めていないといけないように
ただ闇雲に読み取らずに
仕分けながら





きっと



きっとなかなか落ち着かない僕だから
新しい眼鏡を欲したのかもしれない





意外に頭は身体よりも正直だ


慣れやすい身体
またそこから抜け出せない身体

慣れにくい頭
またそこから抜け出そうとする頭






20100128.jpg


夜市



台湾の街にはそれぞれ自慢の夜市がある
ナイトマーケット
台北には規模が小さいのも含めれば
一体いくつあるのか数え切れない

その中でも親玉として君臨しているのが
台北の北の方にある士林夜市だ

MRTで行けるのだが
最寄り駅は士林駅ではなくて
何故かその一つ隣の駅チェンタンにある



すっかり僕達の台湾ツアーガイド役のルルが
今日も案内してくれる事に

チェンタン駅の改札で待ち合わせ
かなり腹を空かせて僕達は改札の前のエスカレーターを眺めている

早く夜市の中にある屋台で
美味しい物を食べたくてしょうがない
食欲が心を逸らせて落ち着かない

早くあのホームの先から降りてこないか
そんな気持ちが視線をエスカレーターに固定させる




今日は久し振りの天気だった
太陽の光はここが沖縄よりも南である事を思い出させるような
冬を感じさせない暖かさ

殆ど出歩いていなかった僕達は
この機会を逃さない為に
待ち合わせの時間よりも早めに出る事にした

といってももうその時間には
昼はとっくに過ぎていたのだが


MRTに乗って中山駅という場所へ向かい
事前に探しておいたHISへ次の国のチケットを探しに
そして道すがら発見した39元均一ショップダイソーで沸き立ち
駅の真上にある三越ビルの最上階にあった東急ハンズ
道沿いには吉野家にドトール
ファミマにセブンにベスト電器

日本市みたいな場所に少し圧倒されながら
着実にカロリーを消費していって
お腹が僕に話し掛けてくるのを何とか無視して士林までやってきた


そう今日は夜市の親玉士林夜市
ここには沢山の人が集まってくる

親玉だから当然観光客もやってくるが
台湾人だって勿論沢山やってくる
その数は平日といえども道が人で詰まる程

胃袋が宇宙的な台湾人がそれだけやってくるのだ
人が今までの比じゃないくらいにやってくるのだから
それはそれは食べ物だって
今までの比じゃないくらいにあるのは容易に想像がつく



という事で今回はルルにもついていく為に
しっかりとお腹を空かせて
いやむしろ胃が痛いくらいに限界まで自分を追い込んで
そうして士林夜市に乗り込んできた




だからなかなかエスカレーターから降りてこないルルを
まだかまだかと待つ気持ちはいつも以上だ




やっとこさやってきたルルに
今日はこっちから聞いてやろうと
会って第一声にお腹すいてる?と問いかけると

勿論!

って返ってくるかと思いきや
むしろ真逆の返事がやってきて
ぎゅうぎゅうに絞って痛がらせてくる胃の事をつい忘れさせた

ルルは体調を崩していて
今日殆ど何も食べていなかった
そしてあまり食べる気がしないと言う


想像する出来事はなかなか良くも悪くも思い通りにはいかないもので


合理化効率化を目指す人間を嘲笑うかのよう
結局考えて考えて考えたって人間なんてそんなもんなのだろうか
こんなちょっとした事に返り討ちにあったからか
何だか余裕を持って僕の浅はかな思考を突き放せる



それでもやはり台湾を歩くなら
しかも夜市を歩くのなら食べる事を抜きには出来ないので
まずは夜市のメインのブロックに向かう前に
すぐ近くにある食べ物屋台が集まるフードコートのような場所へ向かう


屋台はそれぞれが強くライトを焚いて
大きな倉庫のような屋根に覆われたフードコートは
周りの暗さから完全に浮いている


中に入るとすぐに声を掛けられる
丸椅子に鍋に寸胴に器に箸に漢字に看板にお盆に

一体何処までが一つのお店で
ここに座っているお客さんはどっちの店の物を食べていて
この間食べた麺は何処にあるのか誰に頼めばいいのか
人は常に何かを喋っているのだが
みんながそれぞれ違う事をいいながら移動して
しっかりと把握出来ない

それぞれの機能はなんとなく分かるのだが
たまに理解出来ないものが入ってくると
一つ崩れた関係性は理解を越えて
一気に連続した屋台の並びに眩暈がし出して
煌々と光る蛍光灯に眩暈がし出して
雪崩の中にいるような全てが一緒になって押し寄せてくる

そうなると何だかもうどれでもよさそうな気がしてくる

実際にどれでもいいんだが
僕の中で維持しようと思っていた
世界の中でこういう人間であろうと思っている
色々な所に繋げているポイント

いつも一生懸命引っ張っている筈なのに
強い力に押され込まれて
そして自分でもびっくりするくらい簡単に手放している


20100127-2.jpg




目の前に唐突に飛び込んできた
辛うじて知っている求めていた阿仔麺線の漢字
看板の下にちゃんと麺の寸胴がある事を確認し
そして目の前に食べているお客さんが何を食べているか確認する

見事に食べているのは麺では無い

もう気にしない何でもいい
結局その麺が出てこなくて豆腐が出てきても良しとしよう


20100127-1.jpg


偶然かまだこの世界にはルールが存在したのか
果たしてちゃんと僕が台湾で食べる物の中で一番好きな
阿仔麺線はやってきた

台湾で一番好きな物をお腹が空いて
一番美味しく食べられる時に食べられるなんて
こんな雑踏の中失敗も無く辿り着けたなんて

思い通りにいかないと思ったら
突然自分の望みが叶ったりもするもので





やはり今日は我慢した甲斐があったのか
食べ終わってからもお腹はまだ余裕を持っていて
ルルが僕達が食べている間に買ってきた台湾南部の食べ物
ジャーマンドックのパンの内側に甘い糯米が入った物と
サンドイッチの中にキノコの炒め物が入った物と
クレープの中身が揚げ物になった物を

相も変わらず自分の表現力に幻滅する
何だか信じられないゲテモノのような感じになってしまった
確かにどれもそれなりにクセのある食べ物だが
サンドイッチに関してはなかなかの美味で
意外と広く受けそうな味付けになっている

キノコの甘みとご飯の甘みが炒めたしょっぱさの中で絡むように
食パンの炭水化物の甘みがマッチしているのか


調子が良いのか遂に台湾の生き方が染み付いてきたのか
街を歩きながら立ち止まって食を求め
食べ歩きながらまた立ち止まるを繰り返した


20100127-4.jpg


こちらこそゲテモノとして名高い臭豆腐
高雄で有名な鴨の舌に血に豆腐を揚げた物
日本でも有名なタピオカ入り紅茶


20100127-3.jpg







流石にお腹も膨れてきて
少し人込みの中から抜け出して
道路の反対側にある建物の階段の所に腰を下ろす







本当に沢山の人がやってきている
店はブロックからはみ出て思い思いの匂いを発している
お客ははその周りを囲み
通行人はそのさらに外側を歩くのだから
人のうねりは片方の車線を覆い尽くそうとしている

その上に力強く照らし出された漢字
解読出来ない文字が奇妙な世界観を生み出す
そこに照らし出された人々は影になり
暗闇に蠢く得体の知れない空気に紛れ込んだ妖気のよう


活発に動く街に
溢れてくる人


ごうんごうんと
大きな音を立てる古びた洗濯機の何処かが壊れて
泡を引き連れた水が床を伝っていく
僕のすぐ足元にまで迫ってくるような

何だか今すぐにここを立ち去らなくてはいけないような
そんな気持ちが心を揺すって
身体をくすぐらせてくる



何処か視界の続く限り遮る物が無い
砂漠のような
大草原のような
そんな場所に行きたい



でも何処まで行っても追いつかれる気がする
街が僕を取り込んで骨までしゃぶられる




街が生きている

怖いくらい






20100127-5.jpg


main_line
main_line
Profile
    ふらふら何処かへ酒飲んで本読んで人と話してぼーっとして海に入って空飛んでバスに乗ってまたふらふら何処かへ、、何処へ?うーん。。とりあえずの試行錯誤継続鍛錬。

    2009年5月、日本を後にし、ゆっくりだけどそのうち加速予定。

    未熟ながらもなんとか自分の言葉で世界を書き起こしたい。ただいまその道中。


    name : LAN
    now : Quito ( Ecuador )
    latest update : 20120816
LAN Twitter
    旅の日記はなかなかリアルタイム更新とはいかないが、twitterならなんとか、、

     → follow me on Twitter

関連日記

共に旅立った同志達のブログ

sallan

I.G.
http://salig.blog37.fc2.com/

SHOGO
http://salshogo.blog37.fc2.com/


共に旅をするパートナーのブログ
ばーちーの、ちるり旅
http://jstyle623.blog129.fc2.com/

最新日記

 → check my all posts

カテゴリ
本 (0)
UAE (4)
カレンダー
12 | 2010/01 | 02
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
最新コメント
SAL
検索フォーム
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。