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宝物は

パクセー行きのバスは望み通り現地の人がひしめく
ラオスらしいバスだった

乗客の中に観光客らしいのは僕達の他に
欧米人の女性が一人
後はすべてラオス人だ




パクセー行きのバスはやはり別のターミナルからだった
決意を新たにターミナルを出た僕達は
まず昼食を済ませ
荷物を取りに宿に戻った

情報を整理して宿の人に別のターミナルの話を聞いてみる
そうしたらやはりここから出ているという話だった

ここの宿の人も英語がなかなか通じない
ピンポイントに質問出来たから
正確だろう情報が得られたんだと思う

宿の人に念の為
メモ帳にパクセーという文字を書いてもらって
今までの礼を言って荷物を背負いターミナルへ向かった

あの日本語のおじさんも見掛けたがもう話しかけてこなかった

暫くしてバスがやってきて
バスの運転手にメモ帳を見せると
その運転手は頷いてそのメモ帳にラオ語を書き込んだ

そこには三つの文字が書いてあって
その間に矢印とその上に金額と思しき数字が書き込まれた
その数字が2,000に100,000だ
遂に警官の2,000の数字が現れた訳だ

三つの文字の一番初めを指して地面を指す
つまり今いる場所
二番目が別のバスターミナル
三番目がパクセーだった
パクセー行きのバスもまだあるというも確かめる


すぐにバスに荷物を詰め込んだ

バスが動き出すと安心感と達成感から眠気が襲ってきて
三人とも寝てしまった

別のターミナルに着くと
人のよさそうな運転手が僕達を起こして
パクセーパクセーを連呼し外を見る
そこにはバスが今にも発車しそうだ

急いで荷物を持っていくと
係員が出てきて僕達の荷物を持っていこうとする
若干の不安があったが
バスの運転手の親切な対応が
それを信じさせた


値段は聞いたとおり2,000
そしてそのバスも100,000


ばっちりだ



バスがすぐに動き出した時は
その運の良さも加わって本当に気持ちが良かった





だって宝の姿もおぼろげだったものが遂に姿を現して
今それが現実に自分の手の中にあるのだから



回りを見渡すと
満足のいく光景が入ってくる

これで荷物から開放され大きな気持ちでパクセーまで迎える




筈だったのだが


そんなにアジアは甘くなかった



望んでいたとはいえ
それはそれは何とも凄まじいバスの旅になった

間違いなく今までで一番ハードだ




席が汚い
そういうどころの話ではない
席が床とは並行ではないのだ
外れかかっている
いやむしろ外れているものもある

勿論エアコンなどない
リュックは何とか下に入れられたが
回りをみると沢山のダンボールで溢れている

途中で何度も停まり乗客が乗ってくる
眺めていると沢山の荷物を屋根の上に上げている

乗る時に慌てていて注意して見なかったが
どうやら荷物が乗っかっているらしい
建物に写る影を見るとその数は相当な数らしい
そこにさらに持っていこうとしている

荷物が詰まれてもまだ進みださない
何でだろうと外を眺めていると
さっき乗車した客の乗ってきた原付をバスの横まで持って来た
まさかとは思ったが
本当にそれを屋根の上に持ち上げようとしている
そしてそれを三人がかりで持っていってしまった
しかもその直後にバスが動き出した
建物の影にはまだ作業している人が写っている

結局十分位してその人は走行しているバスの屋根から
壁を伝って前方の入り口から何事もなかったかのように入ってきた


道は悪い
大きく揺れる

窓に寄りかかって何とか堪えていると
壁が動いているのに気が付く
バスの一番基本の枠組みが道の窪みを飛び越える度に
大きく歪むのだ


そんな中幸せな事に椅子はまだ倒れる機能を有していた
いやもしかしたらただ壊れて倒れるだけかもしれないが

しかしその倒れるのも10度も倒すと動かなくなる
何度試して駄目
自分が座っている席の後ろは
席が外されて誰もいない筈だ

おかしいと思って後ろを覗くと
ダンボールががっつり積まれていてひっかかっていた


席や床や壁や
すべての場所がくすんでいてべとべとしている
窓を開けるも排ガスを含んだ風が顔を打ってくる


ある程度進むと係員が重い箱を持って
僕達が座っている後方へやってくる
がちゃがちゃ席を外したりダンボールをいじったりしている

少しするとかちっと音がして
満足して外した席を元に戻して前へ戻っていく

今度は何なんだと思いながら
もう気にしてもきりがないと考え直して
既に数時間も経っている椅子との格闘に戻る

そんな気持ちを無理やり引き剥がすように
突然の爆音が襲う
さっき係員がおいていった方を注意深く見ると
でかいスピーカーが
通路いっぱいに置かれていた

不快な椅子との格闘をさらに煽る様なその爆音は
それから朝方まで続いた
時間帯的にはこれからみんなが寝静まろうとする筈の時間だ
日本の長距離バスなんて
電気は消して音も無くすというのに
こっちはむしろさっきにましての爆音だ

すべてを忘れて自分の世界に浸る為に
いつもはイヤホンを耳にはめ音楽を聴くのだが
どんなに耳の奥に押し入れてもその爆音にかなう筈はない




もうどうしようもない


いろいろと諦めて
寝る事も許されずにただぼおっと歪むバスの壁を
目で追いながら
いつもよりもゆっくりと進んでいく時間と併走していた


現実にいるのか夢の中にいるのかよく分からない
何だか生温い風が身体を包んでくる


そんな時に今度は人の騒ぎ声で意識が現実にしっかりと戻される
一番後ろに座っていた人達が騒ぎながら前方へ向かっていく

後ろを振り返る
そうしたら熱い風が顔にかかってきた
あの風は気のせいではなかったのだ

外からのものかと思ったがどうやらバスの中からだ

係員が二人一番後ろの席へ向かってきた
何だかトラブルの様相を呈してきた
もしかしたらエンジンになんかあったのだろうか

思い返せば
確かに最近スピードを随分と上げて
エンジンが最初よりも唸りをあげていたような気もする


びっくりするのは
係員が工事現場で使うような頭につけるライトを装着してきている事
そして一番後ろの席に座ると
床を剥ぎ取ったのだ

しかも無理矢理にではない
簡単に
昔の浴槽の蓋をしていたみたいな木の板を一枚二枚剥がして
中の温度を確かめるみたいに
出来た穴を覗き込んでいる

そして中に手を入れて
あつっ
というように手を素早く引き戻す



何だかよく分からないが
覚悟を決めないといけないのかもしれない

本気でそう思った



悪い事は重なるもので

隣の席に置いていた荷物をぼおっと眺めていると
何か液体状のものが席に小さな池を作っていた

急いで取り上げると鞄がびしょびしょになっている
中にはパソコンが入っている

急いで取り出してみると
入れ物はびしょびしょだ
他の物もすべて濡れてしまった


最悪だ


パソコンは動かなくなってしまった

だからといって捨ててしまう訳にはいけない
すべてが入っているのだ
そして自分の貴重品も乾かさなくてはいけない
すべてを椅子に出し
二席を使って広げて干す

という事は


席がどうとか
バスがどうとか

それにもまして貴重品を守る為に


寝れないという事だ





幸か爆音はまだ鳴り響いている



20091111.jpg




そうやって朝を迎え



僕達の宝物は15時間かけて無事にパクセーに運んでくれた


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    ふらふら何処かへ酒飲んで本読んで人と話してぼーっとして海に入って空飛んでバスに乗ってまたふらふら何処かへ、、何処へ?うーん。。とりあえずの試行錯誤継続鍛錬。

    2009年5月、日本を後にし、ゆっくりだけどそのうち加速予定。

    未熟ながらもなんとか自分の言葉で世界を書き起こしたい。ただいまその道中。


    name : LAN
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