スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

アンダーグラウンドバス


前回強烈な印象を残してくれたラオスのバス
さて今回は良い印象のままラオスを出国できるのだろうか




バスターミナルに着く
この時間そして土曜日にはローカルバスしかない
一抹の不安がよぎるものの
一度経験しているのでまぁ大丈夫だろうと高をくくる

VIPバスの値段から2,000キップ安い9,000キップを払いチケットを受け取る
バスターミナルにはタイに向かう色とりどりに彩色された大型バスが待っている
勿論それではない

僕達の周りで待っていた沢山の人を一人残らず詰め込んで
そのキレイで大きなバスは行ってしまった
その後こじんまりとした外の夜の暗さにも負けないくらい暗いバスがやってきた

バスがエンジンを止めると
暗闇の中から一人二人と何処からとも無く姿を現してくる
あっという間に十人ほどの人だかりがバスの周りに出来る

バスには座席番号というものは無いだろう
誰も居ないと思っていたバスターミナル
ゆったりと座席で寝ようと思っていた僕達の思惑は崩れ去り
急いで荷物を背負って向かう

近づいて暗闇に閉ざされたバスの中を覗き込むと
バスの後ろ半分が前回のビエンチャンからパクセー行きのバス同様
座席が全部取り外されて荷物置き場のようになっている

僕達のリュックも
数個あるダンボールの上に置かれる


20091227-1.jpg


中に入るとそのクオリティはやはりラオスバスだった
全体的にくすみクッションはしっかりと剥がれている
ただ救いなのは今回のバスはまだ残された座席が
キチンと床に直角に据え付けられている事だ


20091227-2.jpg


バスの中で煙草を吸いながら人に席を割り振るスタッフ
その指の先の座席にはちゃんと空いている並んだ二席があったが
足を置く筈の場所には大きなダンボールが置いてある
座席はダンボールと地続きになっている

流石にえっと声を出して顔をスタッフの顔を見る
もう一度スタッフは指差すがそこが嫌ならと
先に別の所に座った尚吾の隣を今度は指差す
そりゃそうでしょう


僕達が座ってから程無くしてエンジンが再びかかる
いそいそとスタッフが乗り込んでくる
22時サバナケット発のバスはなんと五分前に出発した

これから多分翌日の昼13時までの15時間かけて
ベトナムのフエへ向かう
ただ途中ラオスとベトナムの間で
国境が開くのを五時間待つという不思議なスケジュール

つまり五分早く出発したという事は
五分多く国境で待たされるというだけで
五分早く到着するという訳ではない


走り出すと綺麗に並んでいたと思われた座席は
アトラクションの席のように振動を余計に伝えてくる
わざとネジを緩くしてあるみたいに

昔に比べて随分とラオスの道は整備されて良くなったみたいだ
なのに振動を受ける身体は何回も空中を舞う
寝ようと頭を座席に沈めようにも跳ね返される


十分くらいやっと走っただろうか
すぐにバスはエンジンを止めてしまった
また乗客だろうか
既にこの間に数人が乗り込んできている

外を眺めるとシャッターの下りた倉庫の前に
三十個はあろう一メートル四方の大きなダンボールが積み上げられている
そこへスタッフが駆け寄って行く
まさかあれを今からすべて積むんじゃないだろうか


東南アジアはこういう時
見事に期待に答えてくれる


若い男子が一人一個持つのが精一杯
それを冗談をいいながら笑顔でよいしょよいしょと詰め込んでいく
その先は普通ならバスの乗客の荷物を詰め込む
バスのタイヤの間にあるトランクだ

そこに入れる為に乗客の荷物をバスの中へ
バスの中はその為に座席が取り外されている
とそんな事なんだろう

結局三十分くらいかかった
いやむしろあれを三十分で済ませたのは素晴らしいかもしれない
日ごろの作業の繰り返しの賜物だろう

だったら出発の前にやっておいて欲しい物だ
そんな愚痴っぽい事を尚吾が言う
ごもっとも


また走り出すバスのエンジンは重たそうだ
安定して振動は優しくなったという事は勿論無いが
室内の光は優しいというか弱く
カラオケも設置されていないというかただ無い
一応目を閉じれば眠れそうな感じだ
車の心地良い振動という訳ではないが
慣れとは恐ろしい物で
強い光と大きな音が無いだけ寝やすい
むしろ快適な感じを受けてしまう


そんな印象だとしても実際に寝られるかどうかは別問題で
なかなかじっくり寝たという感じは無い
多分全部足せば一時間にも満たないんじゃないだろうか
途中からイヤホンをつけた耳から聞こえる歌声は
ほぼしっかりと聞き取っていた気がする

とは言っても最終的には眠りについていたみたいで
振動とエンジン音が止まる気配で起きる


いつも不思議だが振動や音がやむと逆に起きるのは一体どういう事だろう
身体はやっぱり起きていて変化に対応する本能が
キチンと機能している証拠なんだろうか
そしてもう一つ必要な仮説が
人間は寝た時の環境が頭の中でロックされるという事か
変化とはそこからの変化


そんな事より折角の睡眠をまた一からやり直さなくてはいけない
どうしたものかと外を見ると
バスの中に居た人たちが殆ど外に出ている

時計を見ると午前1時半
外に出てみるとスタッフがシャッターの開いた
多分昼間はレストランだろう所に座って
ビールを飲んでいる


20091227-3.jpg


聞いてみるとそうここがまさに朝7時まで国境が開くのを待つという場所だった
周りを見渡すと国境という訳では無い
近くではあるのだろうが道の先は何も見えない
数軒隣のシャッター街が目に入るだけで周りは真っ暗だ
明かりがついているのはこのレストランだけ


外にいる時間をなるべく多くしたかったので
少し冷える外にいてだらだら視界の狭い世界を眺めていた

ある時スタッフが急に作業をし始めた
折角さっき詰めたダンボールを今度は運び出している
けれどもここに送るつもりだったという訳ではなさそうだ
何故ならダンボールをびりびりに破いて中身を出しているからだ

そして工具を持ち出して
入り口の階段の中段くらいにある小さな扉を開けて中に入れたりしている
見るからに怪しい
手には白い物体が入った袋が見える
ぱっと見はお絞りの袋のようだが果たして

たまたま乗り合わせた日本人のおじいさんが
興味を持って久し振りに見た
ネジ巻き式のインスタントカメラで写真を撮ろうとすると
後方から大声でスタッフに止められている


これはこれはもしかすると


入りきらなかった中身をスタッフがどうしたもんかと
手にしっかりと持って歩き回っている
最終的にバスの中の手荷物の鞄の中に詰め込んでしまった
そういう安易さが少し安心もさせるが


スタッフがあらかた作業を済ませたのか
みんなのバスの中へ入るようにと促す
どうやら消燈の時間みたいだ

中に入ると窓の外に
無残に引きちぎられて原型を留めていないダンボールが散らばっている
乱雑の印象がまた疑惑を盛り上げてくる


静かになったバスの中へ後方から大きなエンジン音が聞こえてくる
そうして僕達のバスの横へつけてエンジンを止めた
外は綺麗に彩色されていて
中は蒼白い光に灯されている
座席は後ろまで倒れ
横になっている人は気だるそうに白い毛布をいじって寝返りを打っている
明暗の対比が甚だしくて失笑する

ふと見るとレストランの女将さんが出てきて
いそいそとダンボールを持って
奥の暗闇へと消えて行く


隣の綺麗なバスも静かになってやっと静寂が訪れる
かと思いきやそんなに簡単に寝かせてくれない

今度は4,5人の女性が乗り込んできて
懐中電灯で乗客の顔を照らしてくる
寝たふりをしていたって無理だ
光で起きなければもう小突いて無理矢理起こしてくる

マネーチェンジの人々
マネーとチェンジとラオスの通貨キップにベトナムのドンにドル
それらの単語をただ並べるようなむちゃくちゃな英語を早口で畳み掛けてくる
要らないと言っても
持っていると言っても
なかなかひるまない
少しでも隙を見せるとその場にいる全員が寄ってくる


それがさってもまた一つ
今度はイミグレで通り過ぎる時にお金がいるという

これはネットでもよく見ている話
払わなくてもいいという話
払う必要はないという話
実際に払った話払わなかった話
いろいろある

ただ日本のパスポートがあれば正確には払わなくてはいい


このバスに乗った時にスタッフにパスポートを渡してしまっていた
東南アジアの国際バスは
乗客のパスポートを乗る時に回収するのが慣例みたいになっている
一気にイミグレを通してくれる時もあるし
何故か結局国境で返されて行く時もある

ただ今回のこのバスに関しては失敗したという感じ
必ず渡さなければいけないという訳ではないのだから
この怪しげなバスに関しては自分で守るべきだ

マネーチェンジの女の人たちと同じように
早口でめちゃくちゃな英語を話してくる男を半分無視して
僕達のパスポートを取り返す

男はさらに早口になった
真っ暗で見えないがきっと頭は酸欠で顔は真っ赤だろう
多分向こうに行ったら余計にお金を払う事になるぞ
か面倒な事になるぞ
とかそんなような事を言っている感じ


ラッキーな事にパスポートが自分の手元に戻ってきた
バスの扉も閉められ


こんなバスにも訪れる夜の静けさの中
足を折りたたんでしばしの休息を取る



20091227-4.jpg



コメントの投稿

非公開コメント

main_line
main_line
Profile
    ふらふら何処かへ酒飲んで本読んで人と話してぼーっとして海に入って空飛んでバスに乗ってまたふらふら何処かへ、、何処へ?うーん。。とりあえずの試行錯誤継続鍛錬。

    2009年5月、日本を後にし、ゆっくりだけどそのうち加速予定。

    未熟ながらもなんとか自分の言葉で世界を書き起こしたい。ただいまその道中。


    name : LAN
    now : Quito ( Ecuador )
    latest update : 20120816
LAN Twitter
    旅の日記はなかなかリアルタイム更新とはいかないが、twitterならなんとか、、

     → follow me on Twitter

関連日記

共に旅立った同志達のブログ

sallan

I.G.
http://salig.blog37.fc2.com/

SHOGO
http://salshogo.blog37.fc2.com/


共に旅をするパートナーのブログ
ばーちーの、ちるり旅
http://jstyle623.blog129.fc2.com/

最新日記

 → check my all posts

カテゴリ
本 (0)
UAE (4)
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最新コメント
SAL
検索フォーム
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。