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みんなで雨に濡れるという事


桜を見れただけで結構お腹一杯だったのだが
まだ今日という日は続いていく

おじさんの家の一番上の子の学校で
卒業パーティーというモノが夜に催されるという事で
そこに招待されたのだ



台湾はアメリカと同じく新年度が9月から始まる
だから卒業式とは違う
3月に卒業パーティーをし6月に別でちゃんと卒業式があるそうだ
あくまでパーティーという趣向らしい
きちんとチケットまで準備されている

一番上の子シオリちゃんは今高校三年生
ここの学校は所謂マンモス校で一学年に千人はいるという
全員が来ては大変な事になってしまうので基本的に参加出来るのは高校三年生のみ
生徒は学生証で入れるのだがそれとは別にそれぞれ一枚だけチケットが配られる

結構しっかりとしたイベントであるらしく
みんなが行きたがってチケットの売買があったりもするとか




写真の課外実習後におじさんの家にお邪魔して
シオリちゃんが帰ってくるのを待つ

卒業の時期ではないから
ちゃんと卒業パーティーの日にも授業があるらしい




程無くしてドアが乱暴に開いてシオリちゃんが入ってくる
帰ってきて五年振りに顔を合わせる
下の二人の子供達程ではないけれどもやはり少し変わった感じを受ける
でも話しかけてきたのは日本語
まだまだ彼女はきちんと日本語を覚えていて
僕と普通に日本語で話す

ばたばた鞄を置いてまた慌しく家を出て行く
髪をセットしに行くそうだ

結局出発する時の格好はシックな黒のドレスに身を包んでいた
自分は旅の最中なので勿論そんなモノを持ち合わせていないし
何よりそんなちゃんとした格好する何て聞いていなかったから
途端に不安になってくる




学校までやってくると
大きな校舎の周りをぐるっと長蛇の列が囲んでいる

並んでいる間に校舎の中から大きな音が聞こえ始める
パーティーが始まったらしい
空はもう暗くなっている
昼に降っていた雨は一応止んでいる




並んでいる間にシオリちゃんの独りのクラスメイトと合流する
クラスメイトは日本人

シオリちゃんの学年には日本人が4人いるらしい
学年に千人もいるのだからみんなと知り合いになるなんてすごく大変な話なのだが
シオリちゃん達は珍しがられて結構みんなに覚えられるのだそう

日本の歌の歌詞とかどういう意味なのかよく聞かれて困ってしまうらしい

「だってあれ詩だからさ」
「単語教えてもしょうがないからすごく大変なの」

と言っていた




軽く自己紹介
歳を聞かれたので答え
その後聞き返そうとして口篭る

相手は高校三年生だから当たり前、18歳じゃないか!
18!!
さっき自分の歳を口に出して言ったばかりなので
まだ頭の中に残っている自分の歳の数字との差がなまなましい

今まで20を越えてからは歳を聞いて
「うわー、やばいね、年だねー」
何て言っていたが半分冗談みたいな所もあった

でも

でも今日の衝撃はとてつもない
最近「社会」というモノに触れていなかったからか
年齢というのに少し鈍感になっていたせいもあるだろう

わざわざそんな僕の気持ちを察して追い討ちをかけるみたいに
シオリちゃんが「てか8歳も違ったんだね!びっくり!」
みたいな事を言ってくる

「22,3歳かと思ってた」
どういう意味が隠されているのかわからないが
どうしてもネガティブに捉えてしまう、、




捻くれてしまいそうな所を必死に堪えて
足を前に出し校舎の門をくぐる


色んなデコレーションがされている中を通っていく
いくつかの廊下を越えて中庭らしき所にやってくると
校舎の壁で遮られていた音が一気にやってくる

想像以上の爆音にびっくりする

そこには大きな向き合ったステージがあり
真ん中に立派な照明台が建てられていて
奥にある方のステージを煌々と照らしていた


ステージ上に沢山の人が並んでいる
その真ん中に何だか不思議な格好をした人が
マイクを握って大声でステージ前に集まる人々に向かって叫んでいる

手前のステージ脇に大型スクリーンが設置されていて
そのステージ上の様子がカメラに捉えられて見る事が出来る
結構本格的だ

マイクを握っている人はインディアンのような
羽付きの派手な服を纏っていてペイントまでしている
ただ歳は若くない

まさかと思って隣にいるシオリちゃんに聞いてみると
先生という事だった
しかも校長先生


校長先生は昼間雨が降ってた時
中庭で合羽を着て天に向かって雨が止むようにお祈りをしていたという
ぱっと聞く限り変わり者な感じ
そりゃあこのイベントもこれだけ大々的にやっちゃうだろう

校長先生の演説はどんどんエスカレートしてきて

「台湾で一番最高の学校はどこだーー!?」
「この学校に入ってよかったかーーー!?」

何て言ってみんなを盛り上げている


20100312-10.jpg





校長先生のアツイ言葉でパーティーの開始が告げられ
その後に独りのいかつい男がステージ上に現れてくる

太いデニムの後ろポケットからタオルを下げ
黒い皮ジャンに白のTシャツを着て
頭は横を刈り上げ
長く残った真ん中は編み上げられていて後ろで束ねている
身体中が太くて重心がどっしりと下にあって
屈強の身体を纏ったこれぞヒップホップな人が司会を始める


バンドが演奏したり
ダンス部が自前の衣装を揃えて踊ったり
照らされるステージが交互に変わりながら
色々な人が思い思いのパフォーマンスをやり
ステージ前の沢山の人がそこに吐き出された波に乗る
シオリちゃんのクラスメイトも出てきたりして盛り上がっていく






ヒップホップが再びステージに上がる
色んな事を叫ぶ
たまに舞台袖に行ってあれは何というのだろうか
よくライブとかディズニーランドとかで見かける
蛍光の黄色や青色に光るプラスチックの棒
それを2,30本束に持ち出しては観衆に向かってばら撒く

袖から今度は肌が小麦色によく焼けたスタイルのいい二人の女の人が現れて
流れてきた音楽に合わせて踊りだす


20100312-11.jpg


観客はみるみるうちに熱を持ち出して
降ってきた雨がどんどんと激しくなる
それにも関わらず
いやそれをもパワーにして
ヒップホップの叩く手拍子に合わせて
今じゃあみんな手を振り上げて飛び跳ねている


20100312-14.jpg


ここのパワーが何処までも際限無く膨れ上がっていきそうで
少し端から見ていた僕もその雰囲気に段々呑み込まれていく

みんなが違いを認識しているのか
今までのを単純に内輪で盛り上がっていたと思わせるような
明らかに違った盛り上がり方を見せている




シオリちゃんに聞いてみるとヒップホップは学生ではやはり無かった
学校側が何処からか頼んで来てもらったらしい
盛り上げ方も女の人のダンスも
こういっては何だが明らかに今までの他のグループとは違っていた

これが仕事というものか
これが数をこなしてきたプロフェッショナルというものか

何だかすごく理解出来た気がした



司会も曲の合間に叫ぶ言葉も
北京語だし叫んでいてよく何を言っているのかわからない
何よりも彼がどういう人なのか知らない
もしかしたら名のある人なのかもしれない
でも僕は知らない

それらが余計に場の盛り上がりの違いを純粋に見れたのかもしれない




こんなに違うと感じる理由は何だろうか

もし名のある人だったらそれも少し理解出来る
でも僕もステージの楽しさを感じる事が出来た
周りの盛り上がりに引っ張られたのもあるかもしれないけど
でも実際その盛り上がりを造り上げた彼等のパフォーマンスに理由があると思う


見ているとたまにしゃがみこんで指を指して最前列の人とコミュニケートしている
マイクを通して盛り上がってるのか!?何て事をいいながらそのままある人に触る
直接手を掴んだりもするし
視線や指を指す事である個人に触る

さっきのプラスチックライトもそう
それぞれがそれを手に入れる事でこの場に参加しているという自覚を与えている

雨が激しくなって雷まで光る
校舎の中に駆け込む人もいるけれども
それでも多くの観客はまだ踊り続けている
手を叩き合っている

ヒップホップもダンサーもびちょびちょだけど
それでも踊り歌い続ける
みんなの服が濡れている
ステージの上も観客も


20100312-13.jpg


デニムのポケットから下がっているタオルはまさに飾りとなって
ヒップホップは「濡れろ!濡れろ!」って叫んでる

濡れている服を着ているというのが共通のキーワードになって
さらにみんなは一団となって繋がりを強くして熱を膨らませていく





日本を出発する直前にずっと前から行きたかった
ブルーマンショーを六本木に見に行った事を思い出す

彼等のパフォーマンスも鑑賞者を鑑賞者と扱わない
映画館みたいにステージの前に整然と並んで座っている沢山の人達に
ぐいぐい食い込んでくる

彼等は言葉や人種に頼らないパフォーマンスを心掛けていた

パフォーマンス中は一言も言葉を発さないし
全身を青いペンキで塗る彼等の意味は世界に青い肌の色を持っている人はいないから
すべてを乗り越えて
まさに国や文化から解放されて
純粋に人間対人間で遊ぼうとしているのだ





今この台湾の高校で目の前にしているステージも
別にこのライブが見たかったから来た訳でも
このヒップホップに興味があったから来た訳でも
学校の関係者だから来た訳でも無い

そんな中で計らずも興奮を心の中に隠せないのは
きっと人間対人間を純粋に感じ取れたからな気がする


言葉も違う
文化も違う
背景も違う

それなのにいつの間にか興奮を共有するなんて


何て凄い事なんだろうか

何て可能性を秘めた事なんだろう



20100312-12.jpg




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    ふらふら何処かへ酒飲んで本読んで人と話してぼーっとして海に入って空飛んでバスに乗ってまたふらふら何処かへ、、何処へ?うーん。。とりあえずの試行錯誤継続鍛錬。

    2009年5月、日本を後にし、ゆっくりだけどそのうち加速予定。

    未熟ながらもなんとか自分の言葉で世界を書き起こしたい。ただいまその道中。


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