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あなたのお好きなように



ネパールは刺繍で有名





という事をオッキーが言っていた


確かに街中を歩いている時に
懐かしい机と一体型になったミシン機に向かって
男が沢山のTシャツやらキャップに囲まれて
顔を近づけながらタタタタタタと音を立てているお店を何軒も見た





刺繍かあ





愛二と部屋に居る時にふとリュックが目に入って

「リュックに何か刺繍したらあつくない?」

何て言ってみた


頭の中に刺繍されたリュックを想像して見る




ん?



めちゃめちゃかっこいいじゃん!!




僕の今背負っているリュックはニュージーランドで大急ぎで購入した物

日本から持ってきたリュックは少し小さかったので
大きな物を探していた時にちょうどセールで安く売り出されていたのを買ったのだ

容量は文句無しというより余裕があるくらいだし
安かったのでその点では勿論気に入ってはいるのだが
形やデザインなんかは少し物足りないのを感じていた

そんな事、旅にはどうでもいい事ではあるんだけれども
どうしてもこれから沢山の場所を一緒に廻っていく訳だし
何千キロも何万キロも一緒に行く大事なパートナーですから

そんなのに好きなデザインをつけちゃったら、、
いやあそれはそれは愛着が沸くってもんじゃないですか




ここで問題はまあ当然値段なのですが




さすがに日本みたいにバカみたいな金額じゃないだろうけれども
それでも何てったって刺繍ですから
しかもリュックに

どうなんだろうなあ




そうしたら愛二が

「まずは値段を聞いていくる」

と言ってリュックの中身を取り出して出て行った





僕達のホテルはメイン通りから路地に入って
さらにその路地を入って左に右に空き地を通ってその奥
というかなり分かり辛い場所にある

空き地の手前の最後の路地を曲がった所に
小ぢんまりやっている刺繍屋さんがある

そこにはいつも僕達が通ると作業中でも頭を上げて
真っ白な歯を全部見せてちょっと唇を片方上げた感じで
ニッとアメリカンな笑顔を見せてくれる
ナイキのキャップを被ったカッコイイにいちゃんが居た

奥まった所だからバンダ中でもたまに開けて営業していたりした





程無くして愛二がそこから慌しく戻ってきた
肩で息をしている

「どうだった?」

聞いてみると
うーんとあまり浮かないような表情をして

「一文字500ルピーから」

と言う
500ルピーといえば大体600円くらい

日本から考えたら勿論安いのだが
一応旅人の僕達からしたら結構な値段である

前回にも書いたように
食事でかなり贅沢をしても全然100ルピーなんていかない国である
そこで一文字500はさすがに高い

「そうかあ」

段々と僕の想い描いていた妄想が萎んでいくのがわかる








愛二がそんな僕の頭の中のイメージの萎み具合を確認したのか
今度は打って変わって満面の笑みで僕の方に振り返る







この感じは愛二のいつものサプライズだな




直感的に悟る




愛二はサプライズが大好きで
たまにそういった嘘をついたりする




僕は愛二の後ろにあるリュックに目を移す








そこには「SAL IG」っていう文字が既に刺繍してあるじゃないか!!

おい!!


てか!
早!!


時間的には値段を聞いてきて戻ってきた
それくらいの時間だったのにもう刺繍入っちゃってるじゃん!!

しかも値段

値段はどーした?


「全部で100だった」


って安!!




だらっとベットに足を伸ばしてパソコンをいじっていた僕は
飛び起きてリュックの方に向かい
中の物を本当に放り出すようにしてベットに投げ
出し切る事無くそれを背負って6階の部屋から
転げるように降りていった




刺繍屋の前に息を切らせながら立つと
にいちゃんがいつもの笑顔で迎えてくれた


「刺繍して欲しい」


頭が焦っているのか随分と間抜けな発言をする
でもにいちゃんは笑顔で答えてくれる


「勿論。名前か?」


いや、あるマークを刺繍して欲しいんだ
出来る?


「勿論。どんなの?」


僕は持っていたSALのバッジを見せる
このロゴを是非入れて欲しい

見た感じ曲線があったりしてとてつもなく難しそうなのだが
それでも彼はチャコペンを取り出して試し書きをする
本当に好きなデザインをしてもらえるようだ
紙に書いて見せればそれをさらっとやってくれるような印象

僕が少しそれに修正を加えて
よしこれでお願いします!

ここまでで5分ちょっと




彼はすぐさま作業に取り掛かる

手馴れた手つきでミシンに糸を通していく
ミシンが動き始めると針がものすごい勢いでリュックを叩いていく


20100506-1.jpg


リュックの上では
何か生き物が成長してく様をコマ送りで再生しながら観察しているように
どんどんと形が現れてくる

始めは骨のような細い線が完成し
その後にみるみる筋肉がその周りを覆っていく




作業が始まってからたったの5分



あっという間に僕の世界で一つだけの
そしてぐんと愛着の沸いたリュックが出来上がった


20100506-3.jpg



彼は作業が終わると満足そうに抽斗からタバコを取り出して一服した




最高だよ、にいちゃん!
あんたかっこいいよ!



僕が今細かいお金が無いと言うと
後でいいよ、と言う



いやあ、その笑顔といい腕前といい
男前です!




そのリュックを背負ってまた6階分の階段を走り
部屋に飛び込んだ





その後といったらもう考えるのは刺繍の事しかない

二人して満足そうにリュックを刺繍を見えるように置き
さて次はどんな風にしてやろうか
何て言い合う


街を散歩して戻ってきたオッキーが飛びついて
彼のリュックにも刺繍を入れたのは言うまでも無い






その後僕と愛二はさらにパーカーやらストールやらに刺繍をする事になる





それにしても彼は本当に粋だった




僕が後でお金を払いに行った時

「いくら?」

と聞くと

「いくらくらいだ思う?」

と逆に聞き返される

「君が思おう金額を払ってくれ。僕の仕事に対する」

そんな事を言う



いやあそんな事言われると本当に困る
相場だってわからないし
だからってあんまり僕はお金に余裕がある訳じゃないし
でもあなたの仕事は素晴らしいし

困って困って

結局ストールにロンTにリュックにさらに刺繍してもらって
300ルピーという数字を出してもらって
僕はやっと払った

20100506-4.jpg




それから僕はその粋なにいちゃんが頼んでくれたチャイを飲みながら
彼には実は日本人の彼女が居て今月末に北海道から遊びに来るんだとか
彼はムスリムだっていう事だとか
実は前にUAEに仕事に行っていた事があるだとか
そんな世間話をして随分と仲良くなった




もしネパールに来る事があったら是非刺繍を



そして是非この粋なにいちゃんの所へ!



20100506-2.jpg



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    ふらふら何処かへ酒飲んで本読んで人と話してぼーっとして海に入って空飛んでバスに乗ってまたふらふら何処かへ、、何処へ?うーん。。とりあえずの試行錯誤継続鍛錬。

    2009年5月、日本を後にし、ゆっくりだけどそのうち加速予定。

    未熟ながらもなんとか自分の言葉で世界を書き起こしたい。ただいまその道中。


    name : LAN
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