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1560 -トレッキング一日目-

遂にトレッキングが始まる朝がやってきた

前夜は遅くまで荷物のパッキングがかかったのと
きっと無意識からくる興奮に蚊のせいであまり眠れなかった

しかも起きてみるとめちゃくちゃ喉が痛い
どうやら頭がぼーっとするのは寝不足のせいではなさそうだ


そんなバッドコンディションのままバスに乗る




トレッキングのスタートポイントは
ポカラからバスを乗り継いで二時間弱の所にあるぺディ


バスの終点までやってくると
そこには小さな小屋が一つだけある

小屋の前に一人のおじいさんがいる
絵の具で額にペイントをしてくれある草を渡してくれた

「神のご加護を」

という事らしい

いくつかのコインを渡す



この小屋で朝チャイをする事にした


20100518-1.jpg



パンに卵を頬張ってチャイで流し込みながら
ゆっくりと頭が回転している

一体これからどんな出来事が待っているのだろうか

余りしっかりと考えがまとまらない
ぼーっとする頭がただ近づいてくる歩き出す瞬間まで
順調に過ぎて行く時間を感じている


20100518-2.jpg




天気を心配して空を見上げるけれども
そこはもう山々に囲まれていて余り空が見渡せない

すっかり奥地の山の麓まで来てしまった

ポカラからブディバザールから何処からでも見えていた
白いアンナプルナの頂は全くここからは確認できない

本当にこれからどれだけ歩くんだろう
どれだけ歩を積み重ねればあそこまで行き着くんだろう


ただ淡々とそんな想いが頭にやってくるけれども
その頭はしっかりとその事実を掴めないで
不安も興奮もあまり引き起こさない

僕の意識としてはどうしても熱っぽい頭に
痰が絡まる喉を気にしている



兎に角淡々と時間が過ぎて行く



小屋での腹ごしらえを終えると
早速何とか切り詰めて軽くしたリュックを背負う

これで旅できたらどれだけいいか
そんな事を思いながら歩き出す




小屋のすぐ近くにある砂利の坂道




小屋を出てそのままの勢いで砂利道へと入る

何もサインがなかったしみんなでも何も言い合わなかったけど
きっと今のこの足の裏に砂利の感触がやってきた瞬間が
このトレッキングのスタートを表しているんだろう


20100518-3.jpg



砂利の感触は同時に坂の負担を太ももにかけてきた

そしてそれと同時に背中にかかるリュックがぐっと重さを増してきた
軽くなったといってもリュックは多分8キロはある

ぐっとかかってきた重さは
すぐに足と肩を攻めてくる

急に圧し掛かったその重さにびっくりして
意識が身体中を駆け巡る


大丈夫か?俺の身体
足首は?ふくらはぎは?太ももは?肩は?背中は?


何処にも想像以上の負荷が既にかかっている
確かに今はまだ大丈夫だけど
もうちょっとずつそして着実に疲れが大きくなってきているのが判る




黙々と頭でそれらを考えながら足を進めて行く
目線は既に足元を向いている
汗は早速背中を流れ出した




こんな状態で本当に大丈夫なんだろうか


このペースでどれだけ歩いていくんだろう



一週間の予定

パンフレットには8日から10日くらいのコースと書いてある
きっと平均の日程だろうから順調に行けば僕達ならきっと一週間か
もしかしたら切る位で行けちゃうだろう

そんななめきった安易な想像をしていたけれども
一体それは正しいのか?

カトマンズで出会った人が
一日だけ一日7時間歩いた日があるけど
あとは大体平均5時間くらい歩いたと言っていた

勿論歩いた距離なんかわからないから時間で想像するしかない
ペースはそんなに変わらないとして
さて、今日はこのままあとどれくらい歩くんだろう

今歩き出してこの疲れ具合
これをあとどれくらい繰り返すんだろう




そこまで考えて時計を見てみる




時計の針は九時五分を指していた




九時五分!!??




確か小屋を出る時に時計を見たら九時少し前だった
トレッキングの出発は九時出発!
とその時そういえば思った気がする

まだ5分!?

いやそんな事ないだろう
小屋から砂利道までは本当に近かったから
確かあの時の長針は55分くらいを指していた
だから10分は歩いている筈

とまだまだ全然歩いていない事を認めたくないだけに
セコイ計算をするもそれでもたった10分!!


その驚きは自分の中に仕舞いこむ事が出来ずについつい口に出てしまう


「まだ10分しか歩いてないし!!」


そしたら愛二も反応する


「まじで!?もー疲れたんですけど!」


先を歩いているお兄さんが笑う




いや、これは本当にシャレにならないかもしれない

砂利道はさっきよりもきつくなっている気がする
上を見上げると間違いなく最初より勾配がきつくなっている
そしてその道はジグザグに山の表面を登っていって
見えなくなるまで続いている

横をさっきから犬が前に立ったり後ろからついて来たりしているが
反応する余裕が無くなっている自分が居る




犬の後ろから今度は制服姿の子供が三人登って来た

と思ったらあっという間に僕達に追いついて
そして追い抜いて行く

「おい、こら」

と言いたくなるも全然追いつけそうにないし
何より今そんな事したら後で大変だろうというのが容易に想像出来る


20100518-4.jpg




お兄さんはまだ余裕があるのか
その子供達に道を尋ねている





見るからに身体の強そうなお兄さんは
このトレッキングにとんでもない格好でやってきた

まず荷物がリュックでは無い
部活で使うようなナイキのドラム缶バックを肩にかけている
服はタンクトップだしパンツもハーパンである
靴にいたっては日曜日のお父さんが履くような
ぺったんぺったんの楽な靴
ソウルは薄いし踝までのソックスが
まるっきり見えている


すごく


とてもすごくラフである






そんなお兄さんは当然のように元気一杯で
僕達の前を順調に歩いて行く

道案内をしてくれるのか
子供達がそのお兄さんの前に立って歩き出した


子供達にいたってはたまに走り出したり
道の縁にある石段に乗ったり
ちょっと道からそれてみたりと
楽しそうに歩いている


僕達は当然それらに絡む事も出来ずに
黙々と足を前に出す作業を繰り返していく







砂利道が石段になってきた

子供達はショートカットの道を僕達に教えてくれてから
一体何処に行くのか道の横にある森の方へと入っていってしまった





石段の道は両側を石塀に囲まれて
どんどんと山を登って行く

石塀の向こう側にはとうもろこし畑が広がり
その中にぽつぽつと家が立ち並んでいる


きっと日本人ならラピュタか沖縄を思い浮かべるだろう景色


20100518-5.jpg


そこは村になっていて
石段の所に数人が集まって世間話をしていたりする

その目の前に蛇口があって水が出てきている


お兄さんが側に居た人に飲んでいいかと尋ねて
顔を洗って水を飲む

僕達もそれに習って水を飲む
熱くなっていた身体を一瞬で冷やしてくれる

山の水は本当に冷たく美味しい






これまたカトマンズで出会った人が言っていたのだが
山の上は山の下とは物価が全然違うから注意した方がいいという事
食べ物が本当に倍以上違うという

例えばダルバートなら
下なら100ルピー前後で食べれる所を
300ルピーくらい払わないと食べれなくなるという

特に水は違って
下だと15ルピーとかが
上だと最高で300ルピーくらいになる

と衝撃的な値段を言っていた


荷物を準備する時に水を持って行こうという事を言っていた
貧乏な僕達ですからそんな値段いくらなんでも出せない
でも間違い無く一番必要な物

だったら沢山持って行こう
という訳にもいかない

だって

水は重い


そこでお兄さんが「山には水があるから大丈夫」
と行く前に空の1.5リットルのペットボトルをそれぞれ渡してくれていた


実際砂利道を登りはじめる時に僕達は
すぐ側から湧き水が出ていて僕達はそこでペットボトルに水を補給していた

そんな感じでトンでも値段からは無事に解放された訳である







水を飲むと身体に沁みこんで来ると言ったりするが
まさにそんな感じで冷たさが皮膚のすぐ裏まで伝ってきて
確かに何だか身体が少し疲れから解放されたような感じがある


また気持ちを新たに石段を登りだす






少しすると上から両手に持ったピッケルを
片方ずつしっかりついて降りてくるご婦人トレッカーとすれ違う


簡単な挨拶をするとご婦人が

「本当に、、本当に長い道のりだったわ、、」

と漏らす様に言った


それがずっと耳を離れない



あの感じは本当に心底
心の奥の奥から漂ってきた本気の想い



ああ、、あーいうふうになってしまうのか、、



また漠然とした不安がやってくる



その想いに捕らわれると
一段と石段がきつく感じてくる



規則正しい石段から
荒っぽく並べられた石段に変わっていく

村を抜けたらしい

石段の傾きはどんどんと激しくなってきて
一歩一歩力を込めて足を上げないと登れないようになってくる



段々と三人とも無口になっていく



石段を登りきると少しの土の道が現れる
基本的に石段を登っている時は視点は足元にあるから
土の所にやってくると背筋を伸ばす感じで視線が上がる
その時に少し先の方にまた石段が視界の上まで続いているのが目に入ってくる

「うそぉ、、」

と思いながらあっという間に土の道を渡りきってしまって
次の石段に取り掛かる事になる

石段の先に空しか見えなかったりすると
もうそろそろ頂上かだなんて思って標準を絞って最後の力を爆発させて登りきるも
そこから振り返るとそこにはやはり石段がまた待っている

「かはぁ、、」

もう言葉にならないただの吐息のようなのが漏れる
けれども足を踏み出さなくてはいけない


気のせいか


いや間違い無く石段の傾き
そして段差の高さはどんどんと高くなっている
間にある土の道も無くなって延々石段の連続になってくる

オフィスビルの階段を重い荷物を持って
二段か三段飛ばしでずっと登り続けているみたいだ
というかオフィスビルの階段より勾配はキツイ

そしてオフィスビルのように高さは一定ではないし
何より平らじゃない

背中にはすっかり昇った太陽の日差しが照り付けてくる



流石にお兄さんも足取りが遅くなってきている



もう僕の視線はずっとお兄さんの靴を見続けていて頭の中は

「はやく、、はやく、その足よ止まってくれ、、」
「休憩が必要だって、、、」

という事ばかり考えている



でも石段はそれでも容赦なく続いていて
さらに厳しさを増してくる

いや、もう僕は弱音を吐いているんですけど
もうさらなる負荷なんていりませんけど




そうやって思いながらもう思う気力もなくなってきて
頭の中が空っぽになってきた時にやっとお兄さんの足が止まった




「ぷはー!!」



もうそんな感じ

そこには休憩できるように大きな石が並べられていて
そこに倒れこむように三人座った

身体を締め付けているリュックの帯を急いで放す

三人とも背中は滝のように汗が流れている
お兄さんに至ってはリュックの中のペットボトルのキャップが開いてるんじゃないか
っていうくらいにびしょびしょになっている


すぐに「キツイ!」とは口には出ない


もう本当に出し切った感じで
みんな最初は無口に一生懸命水を摂取する




ただ

涼しい風を背中に感じて振り返ると
そこには素晴らしい景色が広がっていた

確かに今辛かったけれども
ちゃんと自分の足で歩いて伝ってきた道が
遥か下から自分の足元まで繋がっていた

石に腰掛け息が戻るのを待ちながら
その景色を少しの間ぼおっと眺めていた




「じゃあ行こうか」



お兄さんが鞄を肩から掛ける







すっかり気持ちの良い気持ちになった僕は

「よし、じゃあ行きますか」

とまた新しい気持ちでリュックを背負う




でもその綺麗な気持ちは一瞬で消え去る



山の景色からまた石段の方に向き直ると
首を思いっ切り曲げて見上げないといけないくらいの
石段の続きが目の前にあったからだ



回復したかに思えた身体は
一歩を踏み出した瞬間にもうさっきの疲れが戻ってくる

あれはきっと回復したんじゃなくて
身体が疲れをただ何処かに隠していただけで
歩き出した瞬間に隠しきれなくなるんだろう




それから計一時間ちょっと石段を登り続けた
きっと少しなんだろうけれども
それでも身体はひーひーで

いくらなんでも初日の洗礼にしてはヒドイ
地獄の石段だ





そこを登り切ると下りになる

僕達は登りの反動から一気に下ろうとする
そうするとさっきまでのダメージがちゃんと残っていて
一歩足を下ろす度に足が震える




そして



下るという事はまた再び登るという事で




それからはその繰り返し




頭はもう麻痺してくる

でも足は一向に麻痺してくれない

疲れは溜まる一方




登って


20100518-9.jpg



下って


20100518-8.jpg



つり橋も渡って


20100518-7.jpg





やっとこさ今日の目的地ランドルックが見えてきた



そこまでの道は平坦なのに
それがまたキツイ

辿り着いた時はもう16時を過ぎていた
そんな繰り返しを7時間した訳だ




明日からが本当に心配だ


20100518-11.jpg





何とか初日無事にランドルックに着きました


20100518-10.jpg




7時間のトレッキング終了
ランドルック泊

1560m地点



20100518-6.jpg


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ご苦労様でした

お元気ですか

シカールさんの田舎に行ったとき、高度差800mの道を
必死に登る私たちにシカールさんの奥さんはサンダルに片手にうちわ、
片手に日傘
荷物はショルダーバックでうちわをふりふり
暑いわねとにっこり一言


言葉を失いました(^_^;)

Re: ご苦労様でした

> やま

お久し振りです!
既にネパールの涼しさが懐かしい今日この頃です
またバンダが始まると出る直前に聞いたのですが大丈夫でしょうか?

ネパール人トレッカー達の格好は本当にとんでもないですよね
基本的に身体のつくりが違うんでしょうか?


ヤマビルファイター、ちゃんと手元に届いたでしょうか
本当に有難うございました!
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    ふらふら何処かへ酒飲んで本読んで人と話してぼーっとして海に入って空飛んでバスに乗ってまたふらふら何処かへ、、何処へ?うーん。。とりあえずの試行錯誤継続鍛錬。

    2009年5月、日本を後にし、ゆっくりだけどそのうち加速予定。

    未熟ながらもなんとか自分の言葉で世界を書き起こしたい。ただいまその道中。


    name : LAN
    now : Quito ( Ecuador )
    latest update : 20120816
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