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青年実業家サノ氏

サノさんといっても佐野さんではない
れっきとしたインド人である

『れっきとしたインド人』と書いたがこれもまた語弊があるかもしれない
何故なら彼は日本語がかなり上手く喋れるからだ
そして彼は既に7年も埼玉に住んで日本の会社に勤めている

だからついこの間日本人になったばかりでしかもフラフラしている僕よりも
何年も働き税金を納めているだろう彼の方が
日本国内に住む『住民』としては全く健全である



『埼玉に住んでいる』という所でピンと来る人もいるかもしれないが
先日ブログの中に『スイス大阪埼玉に住む富裕層三人組』と書いた
その中の埼玉に住む人こそがサノさんである



僕がネットの出来るカフェで
溜まっていたブログを必死にアップしている時にたまたま三人と相席した
その時陽気なスイスに住むインド人氏が僕に話し掛けてきた

作業をしながらも応対するが久し振りにお金を払ってのネットだったので
なるべく効率的にコンパクトに作業をこなしてさっと切り上げたかった僕は
失礼ながらかなりそっけない対応だったに違いない

むしろそういうような素振りをあえて出して
暗に「今僕は作業中ですのでちょっと一人にさせて戴けないでしょうかぁ、、」
といった感じを示していたような節もあったかもしれない
ただそれでもインド人というのはぐいぐい来るものであって
少しの遣り取りの後に僕が日本人とわかると

「こいつは日本に住んでいるんだよ」

スイス氏がサノさんを指差して言う
そんな事を言われたら反応しない訳にはいかない

前のブログにも書いたけれども
もう日本に住んでいるとか日本語が喋れるというのは
沢山いるので何も珍しい事では無い

さらに彼等は結局『日本語を解するインド人』であって
その場合は日本人を相手に商売を目論む人達が大半である
大体日本語の会話が始まるとビジネスの話に最終的に移行する

別に暇な時なら適当にあしらう事も出来るし
面白い人も中にはいるのでよろしいのだが
今は作業中である
しかもこの一瞬一瞬にお金を払っているのである

勿論出会いも大事だが
なるべくなら今は集中したい


三人とそれぞれ会話しながらも作業を続けていると
程無くして僕は自分の時間に戻る事が出来た
三人は三人の会話に食事を楽しみ始めた

そっけなくした態度が功を奏したのだろうか
少し申し訳ない気持ちにもなりながら
こうでもしないとインドでは一人の時間は持てないだろうと
自分を正当化して作業に戻った


のだが実は後で聞いた所によるとそうでもなかったらしい
実はサノさんが僕の気持ちを汲み取ったらしく他のスイス氏と大阪氏に

「彼は作業中なんだからそっとしておいてあげようよ」

と言ったのだという



その話を聞いた時にびっくりしてしまった
そんな態度をしていたにも関わらず
僕はそれが伝わるとは全く思っていなかったのだ
こんな事はサノさんに関しては沢山あった



僕は彼等がカフェを去る時に
このままでは折角の出会いが台無しになってしまうと思って連絡先を聞いた
まだまだコルカタには滞在しそうだったので
是非その間にもう一度あってゆっくり話そうと思ったのだ
そうしたら彼等は自分達の店があるからそこに来てください
と一つのショップカードを渡してくれた

数日後にそのショップカードを頼りに店に向かうと
サノさんはちゃんとそこに居た

彼は実は日本で仕事をしながら4つも店を持っている
バリバリの『青年実業家』なのだが
僕達が行ったお店とは別の冷房の効いたお店に僕達を連れて行ってくれ
チャイを振舞ってもらいながら

「訪ねて来てくださって有難うございます
 僕の事を覚えていてくれて本当に嬉しいです」

ときちんとした日本語でまず言ったのだ




僕は彼を見ているとインド人にとても思えない
彼ははっきりいって『日本人より日本人なインド人』である
人との関係性や謙虚さバランスの取り方
人の挙動を注意深く見ているし心遣いが行き届いている

周りのインド人の中にいるとサノさんは明らかに違う




インドに行った人に話を聞くとまずみんな
「騙されないように気をつけろ」を言う
それに続けて「ただインドには本当に良い人も居る」
という事を言う

一国にはそれは色んな種類の人がいるのだから当たり前だ
しかもここインドには12億人も居る訳であって
そして州によって全く違うとなればそれはそうだ

でも『インド人』というのだから
そこにはインド人に共通するプライドのようなものが存在している筈で
良い人も悪い人もいるインド人をひっくるめて果たして何か
に対するイメージというものはあってもいいだろう
同じインドという国に属しているのだから




今世界で勢いのある二大国といえば中国にインドであろう
両国に共通して感じるのはひとえに人の勢いだ

もともとの人口の多さからくる混沌の中の
それぞれの個人がまた強いパワーを持って必死に動き回っている
それが大きなうねりとなって世界を呑み込もうとしている

中国人とインド人に感じるのはそのパワーに根ざす
強烈なプライドの高さである

そんな二つの国の違いをあえて言うとすれば
興味の対象ではないかと思う


中国人は『政治』
対するインド人は『経済』


もしかしたら僕はまだインドに来てガントックとコルカタにしかいないから
こう断言してしまうのは早計かもしれないが
それでもインドで一番初めのそして世界でも有数のビジネス都市である
このコルカタがインドのある大きな部分を表しているのは間違っていない筈

よく南インドの人は北インドの人を軽蔑するという話を聞く
特にパーティーの街として有名なゴアの人達は「俺達は北とは違う」
ときっぱりと言い、自分達の事を『インド人』とは言わずに
『ゴア人』と言ったりするのだそう

南が軽蔑する北にはデリーがあってムンバイがあってこのコルカタがある
インドを代表する大ビジネス都市が集中する
つまり彼等が敬遠する『インド人』と言う時の『インド』は
これらのビジネス都市が存在する北インドの事であって
だからこのビジネス都市がインドを表しているといっても過言では無いだろう




という事で僕の中ではインド人はプライドの高い
強引なビジネスマンであると言う結論に至った訳であるが
これは何も僕自身だけでインド人を観察して辿り着いた訳では無い
まだ滞在の短い僕がいきなりイメージを固めてしまうなど
そんな恐れ多い事が出来る訳が無い

これはサノさんのお陰である
彼のインド人らしからぬ人間性にビジネススタイルが
逆にインド人らしいスタイルを見せてくれたのだ


20100611-2.jpg






一度サノさんが僕達をレストランに夕食を連れて行ってくれた事があった

まずは僕達とサノさんが後から始めに出会った大阪在住のサム氏
そして彼らと元々知り合っていた日本人のヒロコさんがやってきて
五人で席を囲んだ

サムさんとサノさんは遠縁で気が合うのか
喋り通しで僕達は常に笑わせてもらい随分と楽しい時間だった

ヒロコさんは日本から彼氏がやってくるとかで時間が無く程無くして席を経った
サムさんと二人で空港まで迎えに行くのだという

二人が去った後サノ氏がびっくりする事を言った

「僕はサムが親戚だからあまり言えないけれども
 さっき僕は我慢出来ずに少し怒ったんだ」



僕達はこの夕食の前にサムさんのお店に行った
彼等のお店があるのはニューマーケットという
世界でも有名なコルカタの誇るマーケットでその入り口には客引きが沢山居る

店側は客引きに幾ばくのお金を月々払って
客が入ってこようとするとお店に連れて行くという流れになっている
この客引きがまた結構強引で
僕達が「いいから、大丈夫、自分達で行ける」と言っても
勝手に歩き出して「ついてこいの」仕草をする

「僕達はサノさんに会いに行きたいんだ
 場所も知ってるし大丈夫」

とまた言うも彼は「オーケー」を繰り返して前を歩く
結局道が一緒だからそのまま形としてついて行く事になる

ただ僕達も勘違いしていたのだが
始めに行ったお店はサノさんのお店だと思っていたのが
実はサムさんのお店で前回はたまたまサノさんが居たというだけだった

僕達が客引きについていくと何故だかサムさんのお店に着いた
そして当然だがそこにはサムさんがいる

「僕達はサノさんに会いたいんだ」

そういうとサムさんが

「ここで待ってなよ」

と言って従業員にサノさんを呼びに行かせた
待っている間にサムさんの店の従業員が僕にパシュミナのストールを見せてきた

実際に一つを取り出して「触ってみて」と言われたので
触って「おー!肌触りが確かにいいね」なんて言う

ただ僕達は買い物をしにきた訳では無いので
買う気は毛頭無い

そうしたら「じゃあプレゼントとかにしなよ」となる
まあいつもの流れなのだがそうなる
そんなプレゼントを買いつつ旅をしていたら大変だ
いくらお金があっても足りないし何より重くなる
その度に送るとしてもその送料だけで東南アジアが回れてしまうというものだ

「いやいらないよ」を繰り返すも
今度はサムさんも加わって棚からどんどんと取り出してくる
「どんな色がいいんだい?」
となってくる

気が付くとサノさんがやって来ていた
挨拶をするもサムさんに従業員の話は止まらない
最終的に袋を取り出して
「これはキープしておくからまた明日いらっしゃい」
なんて事になってしまった

僕達はそこでやっと解放されてサノさんのお店に向かったのである




サノさんはその時の事を言っているのだ


「僕はサムのビジネスの仕方が間違っていると思うんだ
 客が買う気が無かったらそれはもう買わないだろう
 強引に買わせた所で次に繋がらないじゃないか」

そんな一日一日の商売をした所で先は見えている
もっと長い目を持ってビジネスはすべきである

買う気も無いのにそれで無理矢理買わせて
買ったお客さんは結局良い噂を周りに言うだろうか
その後に繋がるだろうか

一日限りのお客さんばかり作っていたら
それは毎日に追われる訳で大きくなる訳が無い
そして時間が経てば経つほど自分の首を絞めていくだろう

いくら買わないからって人と人として出会って話をして
その人がたとえ買わなかったとしても気持ち良くその時間を過ごしたら
それはその後必ず何かに繋がる筈だ

僕達が出会って今こうして時間を共有している
それで気分良くなってくれたら
いくら君達が何も買わなかったとしても
日本に帰って僕のお店の事を話してくれるかもしれない
そうしたらその先はどんどん繋がって行く


そういうような事を合間合間に

「ごめんなさいね、こんな事喋って」

とか

「ごめんなさいね、サムのお店で嫌な思いをしたでしょう」

とか挟みながら話してくれた






全くどうしてこんな『良い人』なんだろうか
さっきのインド人の良い人悪い人とまた違う
日本に居るような『良い人』だ

前にトレッキングのブログで書いたガンドルックのお母さんのような
日本人の心をくすぐるような人柄である



彼の人柄は本当に信ずるに値する

彼はよく『信用』という言葉を使う
僕もその言葉はこの旅に来てさらに強く感じる大事な事だ

「『信用』は大事です
 出会いからそれを形作れば後は自然とついてきます
 ただ一度壊れればもうそれは元には戻らない」

彼のビジネススタイルの基本はここにある

お客さんがやってきても押し売りは決してしないという
そして安い物も置かない


20100611-1.jpg


お客さんが高いと思えばしょうがない
お客さんは自分を信用してくれなかった
だから無理に買ってとは言わない

サノさんのお店はサリー屋さんでインド人のお客さんも沢山いるのだが
インド人に対しても彼は無理に言わない
買わないのであればじゃあどうぞ他の店に行ってください
あなたが本当に僕のお店を気に入って僕の商品を気に入ってくれたら
その時初めて買ってください

そういうスタンスなのだそう

なんだかサノさんの話を聞いていると
ビジネスマン向けの自己啓発セミナーの講師でもやったらいいんじゃないかと
本気で思ってしまう


彼のスタイルもそうだし
何より彼の喋りや仕草に自信がみなぎっているのだ


20100611-3.jpg






そんな『青年実業家』サノ氏の自宅にお邪魔する事になった







ー続く





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    ふらふら何処かへ酒飲んで本読んで人と話してぼーっとして海に入って空飛んでバスに乗ってまたふらふら何処かへ、、何処へ?うーん。。とりあえずの試行錯誤継続鍛錬。

    2009年5月、日本を後にし、ゆっくりだけどそのうち加速予定。

    未熟ながらもなんとか自分の言葉で世界を書き起こしたい。ただいまその道中。


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