スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

人のタイル


朝の三時にバナラシ駅に着く

当然まだ日は昇っていないので辺りは真っ暗
駅も閑散としている、、





、、事は無くむしろ駅は人で溢れかえっていた

『溢れかえっていた』というのは間違っているかもしれない
確かに沢山の人がそこには居るのだが
歩くと肩が当たって真っ直ぐ歩くのが困難ないわゆる駅の混雑とはまた違う

殆どの人が下に敷物や新聞紙やサリーのストールを敷いて横になっている
子供の手足が伸びていたり朝食にするのか色んな袋が道端に出ていて
注意して下を見ながら歩かなくてはいけない

真っ直ぐ歩けないといえば確かに混雑かもしれないが
この景色は少し異様だ


20100622-1.jpg



まさかこんなに人が寝ているとは思わなかったから
僕達も寝場所を探すのに本当に苦労した


ホームを出て電光掲示板のあるホールのような所に出るも
そこはホーム以上にびっしり人が敷き詰められていた
『人のタイル』はホールを出て駅前の広場まで続いている


20100622-2.jpg


何とか柱の側に場所を見つけて
僕達もその人のタイルの一つになる
日が昇るまでここで待つ事にする


夜移動するのは値段の面でも安全の面でもあまり好ましい事ではないし
ガヤの時同様ここで予め次のチケットを買っておこうとしたのだ

チケットのカウンターが開くのが朝の8時なので
それまで一団に混じって仮眠を取る事に









眠りにつくまでに何となく周りを眺める



横になっている人々の間に数人立っている人は
新聞紙の束を持っていて駅から出てくる人なんかに配っている

いつも電車の中で見かける売り子が
チャイなどを売りに合間を縫っていく

人々の合間にはほんの少しの隙間しかないのだが
そこを売り子や駅を出入りする人ばかりでなく
大きな牛がのっそりと歩いている

牛は枝が沢山放り込まれたゴミ箱にぐっと頭を押し込んで
何かを漁っている


20100622-3.jpg


サリーを着たおばあさんが手に数枚のチャパティを持って
牛の背後から近づきゴミ箱に向かって投げ入れる

牛はそれに気が付いてチャパティを口に頬張り
目を細めながら口を左右に動かして食べている

満足そうに去っていく黒い牛の後に今度は白い牛がゴミ箱にやってくる
既にそこにはめぼしい物が無かったのだろう
白い牛はすぐにそのゴミ箱を離れて顔を地面に近づけながら食べ物を探している

すぐ近くに敷物を敷いている家族に近づいて行く
小さな子供の兄弟が驚いてその場を離れる
牛はそれには動じずにそこに置いてあった袋に口を突っ込む

子供の小さな悲鳴を聞いてお母さんがやってくる
お母さんは「こらっ!」とでも言いながら
空のペットボトルで思いっ切り牛を叩いている
ポン!という気持ちの良い音が当たりに響く

それでも牛が動じず今度はお父さんがやってきて
牛のお尻を蹴り上げる
牛はその間にもう袋の中身を食べてしまったのか
のっそりと動き出そうとする

怖がっていた子供達は両親の動作を見て
真似して空のペットボトルで去って行く牛のおしりを叩いている

枝を30センチくらいに切りそろえたのを束にして持っている
おばあちゃんが今度はゴミ箱にやって来て
中に入っていた沢山の枝を引っこ抜いて行く

おばあちゃんは側でその長い枝をやはり30センチくらいに切りそろえていく
人々がそこにやってきて何がしのコインを渡して枝を買っていく

寝癖のついた人達はその枝を口に入れると
ごしごしとやり出してぺっと吐く
どうやら歯ブラシの代わりのようだ


ある時間、多分5時くらいだろうか
今まで電池の切れたように横になっていた人たちが
無言で立ち上がり始める

そして掃除機に吸い込まれるように
駅に向かう小さな扉に向かっていく


気が付くと6時過ぎで外は白み始めている
愛二に促されてホールの方を見ると一人の男が
僕達にそこを退くように言っている

彼の手には大きなモップが握られていて
いつの間にかホールに寝ている人は一人も居なくなっている

ホールの真ん中に水が撒かれ
その中心にきっと寝ていた人達がだしただろう沢山のゴミが積み上がっている

一人はゴミを大きなブラシで集めながら水を伸ばして床を拭き
一人はモップで広がった水を今度は切っている
ゴミと人によって覆われていた白い床が浮かび上がってくる

そうやってバナラシ駅に朝がやってくる




きっとこの繰り返しは毎日続いている


人が集まるとそこには自然にそれぞれの行動の凹凸がはまりだす
そして一応のスマートな流れが生まれる

これがルールとなってこの場を支配しだす
きっとそれが『社会』というシロモノ







僕達は掃除中のホールの端に腰掛けてまた少し眠り
オートリキシャーのおっちゃんに

「チケットを買うんだろう、もう開いたぞ」

と起こされてやっと僕達のバナラシでの一日を始める事にした








コメントの投稿

非公開コメント

main_line
main_line
Profile
    ふらふら何処かへ酒飲んで本読んで人と話してぼーっとして海に入って空飛んでバスに乗ってまたふらふら何処かへ、、何処へ?うーん。。とりあえずの試行錯誤継続鍛錬。

    2009年5月、日本を後にし、ゆっくりだけどそのうち加速予定。

    未熟ながらもなんとか自分の言葉で世界を書き起こしたい。ただいまその道中。


    name : LAN
    now : Quito ( Ecuador )
    latest update : 20120816
LAN Twitter
    旅の日記はなかなかリアルタイム更新とはいかないが、twitterならなんとか、、

     → follow me on Twitter

関連日記

共に旅立った同志達のブログ

sallan

I.G.
http://salig.blog37.fc2.com/

SHOGO
http://salshogo.blog37.fc2.com/


共に旅をするパートナーのブログ
ばーちーの、ちるり旅
http://jstyle623.blog129.fc2.com/

最新日記

 → check my all posts

カテゴリ
本 (0)
UAE (4)
カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新コメント
SAL
検索フォーム
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。