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悠久のメッセージ

[20100728]








社会の隙間を抜けていく生活において
新鮮な情報は生死にも関わる程重要なモノである

だから同じ状況下にいる旅人同士の情報交換というのはみな必死であるし
その方法も、先人達や現役の人達よっていくつも提案がされているし
活発である



一番ポピュラーな物といえばガイドブック
例えば日本では一番有名だろう『地球の歩き方』

今までの旅行者の情報や現地の特派員などの協力の下
情報を一括して編集し出版
編集するので見やすいし国ごとの歴史や状況を初めて理解するにはいい

しかし、膨大な情報を編集して製本、出版までするので
どうしてもタイムラグは否めないし
日々移り変わる情勢によって敏感に変化する細かい部分を知るのは難しい

そして本という物は兎に角重い

長期に渡る移動の旅にはなるべくその重さを減らしたいし
沢山の地域を渡る為に何冊も持ち歩くのはほぼ不可能だ






『日々移り変わる情勢』そして『持ち歩く』
という問題を克服する為に生まれた物がある

それが『情報ノート』と呼ばれる物





旅のルートやアクセスのし易さ、勿論サービスやクチコミなどによって
旅人が良く集まる宿というのが自然に形成される

殆ど途切れる事無く行き来を繰り返す場では貴重な情報交換が行われる
東からやって来て西へ向かう人は西からやって来る者へ話を聞く
逆もしかり


そんな中で、いつどこでだれがこれを発明したのかは分からないが
ある人がノートを買ってきてそこに自分の持っている情報を書いた
今まで通ってきた国の情報、国境の問題、国境から市街地までの移動手段等々
そうすれば自分が去った後もここを通っていく人がこの情報を頼りに出来る

さらにそのやって来た人が情報を書き足せば別のルートの情報も載る事になる
東西だけでは無く、南北からやってくる人たちもそれを見る
そして書き足していく

そしてそのノートは宿に保管され
半永久的に成長していく



そうやってインターネットの普及する前から
アナログに『日々移り変わる情勢』と『持ち歩く』という問題を解決した
一種のガイドブックが生まれた

それが『情報ノート』



今では世界中の宿にこの類いの物が置かれている
宿側もこの情報ノートを見る為に宿に人がやってくるというので
ちゃんと保管していたり、宿側が作成に携わったりしている所もある
























僕はこの『情報ノート』というのを少し敬遠している所があった


理由は前にも少し書いたが
僕はどうしても影響されやすい人間でありながら
いっちょ前にプライドを持っているもんで
影響されない為に情報収集に制限を加えてしまう


一度この情報ノートなるモノを読んでしまったら
きっとそこに書かれている事にとらわれてしまう
そんなんじゃあ飛び出して道を切り開いていこうとしている今
全く意味がなくなってしまう!

情報は自分の手で直接得ていくしかダメだ!


情報の取得に関して、情報ノートから得るのと人から得るのと
実は別に大した差は無いのだけれども
いちいちこの強迫観念が襲ってきて避けてしまう

避けているという事は意識している事でもあるのだから
その姿は哀れとしか言いようがない

自分でも変な固執の中に陥ってしまって息苦しかったが
一度はまってしまったのでなかなか抜け出せていなかった




と、そんな中で
最近無駄な出費が続いていた
というか旅をしている中で色んなムラがあった

比較はしていないが
絶対にこれ以外に上手くそして安く済ませる方法があっただろう
そう思う出来事が続いていてしょんぼりしていた

しょんぼりするとあれだけ動かざること山の如しだった
自分のプライドはペラペラになってしまう








ということで、遂に僕はダマスカスで一番有名と言われる宿
そこにある情報ノートを借りで読む事にした










、、ら、その凄い事



日付までみんな丁寧に書いているから
同じ場所の情報でも更新されている所もわかる

ちょっと田舎の方への観光だって
煩雑になりそうなバスの乗り換えも書いてある

バスの番号から時刻表まで
路線が繋がっていない間の移動手段
注意点


兎に角感銘を受けながら
必死に書き写している自分がいたのだった




















そしてもう一つ、僕がこのダマスカスで感銘を受けた事があった

それが前回のブログでも登場したゆうや君との出会いだった

















僕達は中東地域でも一番の大きさと保存状態と言われる
ローマ劇場があるボスラという街にバスで向かった

それは宿の近くにあるドルムシュという乗り合いタクシーに乗り込んで
郊外にあるバスターミナルまで向かいそこからボスラ行きのバスに乗る



その行程は無知で行けばまず大変な労力を必要とするが
これは情報ノートのおかげで無事に何事も無くたどり着くことが出来た

むしろこの『ちょっと遠出』というのが実現したのは
情報ノート、そしてゆうや君の持っていた中東版地球の歩き方による
でなければこの世界遺産を知る事も無く通り過ぎていただろうし
知ったとしても行くのなんて億劫と思っていたに違いない


今まであまり拠点のある街から日帰りなどで
少し郊外まで観光しに行くなんて殆どしてこなかったが
それを考え直さなくてはいけないと思った

当たり前だが情報と時間を上手く使えば
十分ストレス無く素晴らしい景色に出会えるのだから





















ローマ劇場というモノには初めて入った


中には入ればアーチに囲まれた回廊
天窓から指す光の筋


20100728 (3)


暗い中を進んでいくと横道があり
その先から光が入ってくるが眩しくてよく景色は見えない

何個目かの横道の先に人影があった
遠くからかすかに聞こえる音
吸い込まれるようにその横道に入って行く


20100728 (4)



テレビや本でよく見る景色だけれども
それでもやっぱり本物は違った





急に明るくなった視界に
段々と浮かび上がってくる大きな建造物





劇場は外から眺めて想像していた大きさよりも
随分と大きく感じた

ずらっと席が取り囲み
ステージがはるか下に見える



20100728 (5)



今もあるステージと何ら変わりない
過去から全く形が変わっていないのも不思議な感覚にさせられる

昔の人々もこの席に座って
下のステージで繰り広げられるストーリーに一喜一憂していたと思うと
すごく感慨深くなる

それは今の人と仕草が変わらないだろうという想像が
この過去から変わらない形によって確信に近くなるからだろう


20100728 (6)







ローマ劇場の裏には同じようなローマ調の遺跡が続いている
そこは昔のボスラの街並みである

石の文化

20100728 (9)




そこには電信柱や住所の表札などがあったりして
さっきの時間的錯誤の感覚にまた襲われる


20100728 (8)



遺跡の真ん中に一本通る大きな道


20100728 (7)



まさにこれこそ『全ての道はローマに通ず』か?
過去も未来も全ては同じ地続きの世界
















ボスラを観光し終わってダマスカス市街に戻る

そして僕とゆうや君は迷いなくある場所へ向かう
それはダマスカスで一番と言われるモスク
『ウマイヤドモスク』である


前日ゆうや君と出会った時に連れていってもらって
いたく気に入ってしまった

ゆうや君も日本に居る時からこの場所に行く事を夢に見ていたらしい



僕は現役のしっかりと住民の生活に根ざしたモスクに行ったのは
ほとんどこれが初めてだった

今までのモスクのイメージと言えば
やはり宗教、そして祈りである
そのまま宗教的建築なのだから当たり前なのだが
今回のこのウマイヤドモスクを訪ねてみてその考え方が一気に変わった













ウマイヤドモスクに行くまでには
沢山の商店がひしめく大きなアーケードを通り抜けて行く
いつもその道は混雑しているけれども
夕方の祈りの時間にそれはピークになる

なんとか自分の場所を確保しながら流れに流されると
自然と大きな門の前に辿り着く



だがなかなかそこから中に入れない
何故か人によく声を掛けられる

「ハロー!君たち何処から来たの?」

それは友達同士だったり
家族連れだったり
暇を持て余しているオジサンだったり

「シリアにきたのは初めて?」
「ダマスカスはいいでしょ?」
「ぜひ一緒に写真撮ってよ!」
「何かわからない事があったらなんでも聞いてね!」


20100728 (2)




どちらかといえば僕は
これからみなが大事にしているモスクの中に入るのだと少し緊張していた

それを一気に打ち砕いてくれた
言葉がマシンガンの様にとんでくる















随分と気分が軽くなって僕達はモスクの中へと入った


大きな広場に沢山の人影


20100728 (1)


そこには沢山の家族連れが円陣を組んで
既に太陽が沈んで青くなった空のもと
涼を楽しんでいた

広場を囲む回廊では友達同士がもたれかかって
笑いあっている

人々の合間を子供達が走り回って歓声を上げている
その声が空間の壁を反響していく


すごくのどかな風景が広がっていた


ここは祈りを捧げる場所であり
そしてみなの憩いの場であるのだと

だからモスクは街の中心であり
生活の中心でもあるのだと

この時理解した


そうだ、日本だって
神社の境内は一番の森があって
そして子供の遊び場なのだ


20100728 (10)








広場に寝そべって色んな声を聴きながら
ヒンヤリ伝わってくる床の冷たさで
日中熱くなった身体を冷やし
オレンジ色に光るモスクの建物に囲まれた
青い空を見上げる


この時間がとても気に入って
またやってきたのだ




ゆうや君と二人で広場に座るとすぐに視線を感じる

近くの家族の和から
みんなに小突かれて男の子が僕たちの方へやってくる

恥ずかしそうに

「一緒に写真を撮ってください、、」

と言う



不思議なモノで
旅中こっちから写真を撮らせてくださいという事はあっても
なかなか撮られることは無い

しかも一緒に

しかも相手のカメラで



いいよ、と言うと男の子は家族の方に何か言って
今度はお姉さんがやってくる

そして携帯電話のカメラで一緒に写真に撮られる







その家族がさると今度は若者二人組が僕たちのそばに座って
話しかけてきてまた写真を撮られる

何だかよくわからないけれども
悪い気はしない

それにしてもシリアの人達がこんなに人懐っこい場所だとは思わなかった
急にシリアに対する親近感を覚え出した














そんなことをしているとあっという間に時間は経ってしまう


モスクの閉館時間の5時がやってくる
広場の向こう側から警備員がみんなを追い出しにかかる

みんな重い腰をあげてぞろぞとと入口の方へ向かっていく


自慢じゃないが腰の重さは人一倍なもんで
警備員が近づいてきてもなかなか立てずにいた
そしたら警備員の後ろの景色が目に飛び込んできて
さらに身体が動かなくなってしまった

警備員の向こう側には人が一人も居なくなって
建物の光がキレイに大理石の床に反射していたのだ





僕たちは警備員が過ぎ去るまで少し待っていた

近づいてきて「時間だよ」と言われても
立つ素振りだけはしてちょっとの間遅らせてみる
警備員も何も強く言わずにすぐに周りの人を追い立て始める

そして僕たちはほんの少しの間だけ
贅沢な空間の中に身を置くことが出来た


20100728 (11)




すぐ後ろでは入口に殺到する人混みの声があるのだが
僕たちの視界の中にはまるっきり音が無かった

不思議な事に音が無くて映像が静止していると
時間が止まっている錯覚を覚える



いや、むしろこの空間こそ時間は止まっていて
悠久のメッセージを発信している
そう感じられた



20100728 (12)

















過去と現在は繋がっている
でも、中にはこうやって時が止まっているような空間が存在して

いとも簡単にその考えは弾力的に変化する



それが人がひしめくこの世界であるだろうし
人の頭というものだろうと思う





















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No title

ここいいねー!行ってみたい

この間外務省でシリアのページ見たら退避勧告が出てた。
どんな目的であれ渡航は延期してください、とのことですw

Re: No title

> salshogo

いいよね!ここは本当に気持が良かった。
今でもまだ行きたい場所だよ。

話しによれば、まあ無理に入国出来ない事は無いみたいだけど、
状況はどんどん悪化してるし、『内戦』状態に突入してるともいえるらしい。。
しっかり判断しなよ、まじで。
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    ふらふら何処かへ酒飲んで本読んで人と話してぼーっとして海に入って空飛んでバスに乗ってまたふらふら何処かへ、、何処へ?うーん。。とりあえずの試行錯誤継続鍛錬。

    2009年5月、日本を後にし、ゆっくりだけどそのうち加速予定。

    未熟ながらもなんとか自分の言葉で世界を書き起こしたい。ただいまその道中。


    name : LAN
    now : Quito ( Ecuador )
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