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再出発

[20111230]








例年なら10月にだって雪が降るモントリオール
今年は12月になっても雨ばっかりという暖かさだったけれども
クリスマス当日に雪が舞い降りてきた


そして昨日は雪嵐が吹き荒れる












モントリオールの冬は厳しい

日本の中に比較できる街は無いのではなかろうか
ー30度にすら達する上に川に囲まれているからか
街中を強い風がいつも吹いている




遅かった今年の冬

もしかしたらこのまま厳しい季節を過ごさずに
モントリオールを離れる事になるだろうか

そんなふうに考えていたら出発の前日に捕まってしまった
簡単には見逃してくれないようだ


そして僕の心もまだモントリオールに捕らわれたままだった




















一年お世話になった部屋

彩っていた沢山のモノ達は色々な人達の手に渡り
ガラーンとした空間の中、僕は電気を消してドアを閉めた


一年お世話になった店

何度もサヨナラをいったけれども出発の直前まで足を運ぶ
いつものノブが壊れた鉄扉を抜けるとバイバイの声はキレイに閉ざされた



通い慣れた道
青く澄み切った空を見上げて歩いた事もある
傘を持たずに一気に走り抜けた時

近所のスーパーにコンビニ
家の目の前にある公園もたまには行ってベンチでのんびりしていた



もともと一年限定のつもりだった
何事にも顔を突っ込みたくなる癖を随分と抑えていた

ゆっくりゆっくり
徐々に慣れていって
徐々に生活を組み込んでいって

慎重に活動範囲を広げて











そして、徐々に引いていくつもりだった











経験上そうした方がいいと頭は思ったのかもしれない


けれども僕は結局滞在ビザを延長して
クリスマスとお世話になった人の誕生日をモントリオールで過ごした




出発の日が一度延ばされたからだろうか
その日が近づいても一向に現実感はやってこない

『生活』ががっちりとシステム化されていて
そこから抜けるイメージを持てない


もう、ここから離れるという事に対して腰が重い
というだけでは済まされない

一体自分は何処に向かうのか全く理解しないまま足を前に進めている
夢遊者のような足取りだ

















一年住んでいる間
はるばるモントリオールを訪ねてきてくれた友人を迎えたバスターミナル

いつの間にか建物が新しくなっていて
僕がリュックを背負ってやってきた今は雰囲気が違う


再会と別れがあった場所
いつか自分自身もこの場所からモントリオールを旅立つ
そう思って随分と前から気持ちをセットしていたのに
ここでも肩透かしを浴びて心はまだ何処かに行ったまま








いくつものバスが出入りしていて
年末クリスマス休暇の喧騒を体現している


家族連れが大きなトランクを囲んでいる

母親は疲れた表情を見せてベンチに一人座り込む
弟が心配そうにそこに寄り添って行く
父親は予約表の紙の束をめくりめくって
姉はそんな父親の方を向きながら何か別の事を考えている

色彩り彩りの服を着飾ったブロンドの女性二人組が
気持ちが高揚しているのか話し込んでいる
二人とも少し小柄なスーツケースを持ちながらリュックも背負う
大きな荷物など気にも留めず目を輝かせている











出来たばかりの真っ白な壁に囲まれたバスターミナル
その中に一つだけ黒く長い長い列が出来ている


ニューヨーク行きのバスの列


ここから7時間、深夜バスで夜を一つ迎えれば
国境を越え、次の国アメリカ合衆国
そして世界の首都ニューヨークだ
























無事にバスに乗り込むと運転手が席の間をぬってやってくる
そして大声で今日のスケジュールをジョークを交えて喋り出す

ダミ声で謙虚さの見当たらない強烈な英語

モントリオールを離れて大都市へ向かうのだ
という気持ちがやっと顔を出してくる


けれども感傷はまだやってこない
僕は何処に行くのか

どうやらバカンスでニューヨークに行くと思っているらしい
また戻ってくるとどこかで思っているらしい




















バスがゆっくりと動き出しても
まだ運転手はマイクを通して喋り続けている


夜中のモントリオールの街に出たバス
窓から感傷に浸るべく眺めようも
バスは街の裏側を通ってあっという間に川を越えてしまった






お世話になった人からいただいた手紙を取り出す

僕にはもったいないような言葉が沢山あった
僕が確かにこの一年モントリオールに居たのだという証明


この日をもって一つの区切りがついたのだという事


感謝感謝感謝


でも、
この気持ちを何処に仕舞っていいのか分からない










何故なら心がまだ、










出発している体についてきていない



















































気が付けば朝日が

何も写してくれなかった窓から差し込んできている


北米らしい真っ直ぐのハイウェイをずっと走っていたバスは
今大きなカーブを描いている

窓に写される景色はそれに伴ってダイナミックに展開する


その中にニューヨークのマンハッタン島があった




垂直に伸びる摩天楼

ビルの足元から先まで




目は一気に覚めて身を乗り出す
























バスを降りてリュックを背負いバスターミナルを出る



あのイエローキャブがずらっと並んでいる
目の前をニューヨーク市警が通り過ぎる
道の角にはホットドックを売る売店が
そして全てのバックにガラス張りの建物が建ち
そこには大きくニューヨーク・タイムズの文字

ニューヨークを象徴するモノ達が一気に飛び込んでくる




このニューヨークで再会する友達
彼が泊まっているホテルに向かおうとするも
上を見上げて人をかきわけでなかなか進めない

そこらじゅうに鳴り響く車のクラクション
蒸気機関車のような大きな汽笛を鳴らして走り去る真っ赤な消防車
ほとんど隙間無く建ち並ぶ建物

建物の色はレンガ色で
赤茶けていて朝日に霞んでいて


全部が全部ニューヨークを形作っていた














人混みにあちこちぶつかりながら
自分の感覚が段々と戻ってきていた


心はいつの間にか興奮に連れられて戻ってきたようだ












モントリオールは確かに大事な思い出だ

それを大切に仕舞うかどうかは
気まぐれな心に任せるモノではないのかもしれない


心は感情という筆を持って思い出に色付けするだけだ

あとはゆっくり人と語り合ったり
ふと思い出して噛み砕いたりして
キレイに畳んでいくしかない







大なり小なり

僕はそうやって今まで同様
これからも前に進んで行くしかない












この大都会ニューヨークから

今回の僕の旅の第二章





20111230.jpg













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    ふらふら何処かへ酒飲んで本読んで人と話してぼーっとして海に入って空飛んでバスに乗ってまたふらふら何処かへ、、何処へ?うーん。。とりあえずの試行錯誤継続鍛錬。

    2009年5月、日本を後にし、ゆっくりだけどそのうち加速予定。

    未熟ながらもなんとか自分の言葉で世界を書き起こしたい。ただいまその道中。


    name : LAN
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