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歴史の卵

20120202









名前、風習、道具
などなど歴史を証明するモノは多々あれど
それを体現する一番のモノと言えば

人自身

ではないだろうか





今を生きる人々


人が考える歴史というものから連想するのだから
きっと当たらずとも遠からずと思う







親から子へ


語り継がれる童話伝説
教え込まれる伝統料理
そして贈られる名前

そうして数珠続きにやってきた歴史


大人になれば多くの知識を吸収する
雁字搦めにそして混ぜこぜになった中を生きるのに比べて
子供達はより純粋に歴史を表していると言えないか





パラグアイの41km地点
またの名をイグアス移住区

そこで僕達は幸運にもそんな子供達と接する機会を持った































五人で来た事をいいことに
クーラーのある一室を占拠して一週間泊まったペンション園田

そのうち殆どをダラダラと過ごした中での
ある一日の話






ダラダラしたいトップバッター僕と愛二はベッドでゴロゴロ
さすがに愛想をつかしたのか
ジュンコとツウとアヤカちゃんが買い物ついでに外にお散歩

すぐ近くのスーパーへ
その割りには帰りが遅いと思っていたら
何やら興奮して帰ってきた


「ちょー面白い子に会った」


名前をトモヤ君という小学3年生なのだが
ぽっちゃりというにはちょっと無理がある
というよりもビール腹のような体格

その子に三人が気に入られて
ずっと遊んでいたそうだ


「今日夕方からお姉ちゃん達がバレーの練習するんだけど
 遊びに来たらいいよ」


でっかいお菓子の袋に手を突っ込みながら
誘ってくれたのだという





スイッチオフ状態の僕達だったが
辛うじてスポーツは大好き

早速汚れてもいいような服に着替えて
意気揚々と教えられた場所へ

そこで僕達は中学生と高校生の
地元の女子バレーボールチームに混ざって
汗を流す事になった



彼女達は大会が近いというので
しっかりサポーターを付けて試合着

大変申し訳無く思いながらもオジサン達が
練習試合の相手をさせて貰える事になったのだが
久し振りの部活の雰囲気でとても楽しめた




20120202 (1)























彼女達は気軽に僕達に日本語で話し掛けてくれた

合間合間に、

「きゃー」とか「マジ?」とか

全然日本の子達と変わらないようなノリと言葉で
部活の雰囲気も相まって日本にいるような錯覚





でも、完全にその錯覚に覆われる事は無かった




まずはコートの周りに平らに広がる赤土の大地
そして彼女達どうしで喋り合う時に出てくる異国の言葉

日本人のような顔の子もいるし
こっちの血が何処かで入ったのだろう
彫りの深い顔をしている子もいる




錯覚が時々に襲ってきては払拭されて
兎に角不思議な感覚だった

























彼女達は部活が終わってから僕達を夕食に誘ってくれた


今まさに青春を謳歌する多感な女子学生諸君に
夕食を誘われてしまったのだ
どうしていいか正直言って戸惑ってしまった

日本にだって彼女達くらいの歳の知り合いなぞ
親戚にも居ないかもしれない


という訳でオジサンはもしもの時の為にと
いつも荷物の重さと戦っていながら
辛うじて一着、捨てずに持ち続けているYシャツを着て向かう


待ち合わせのレストランは
まあ、何ともない言ってみればファミリーレストランのような場所
でもきっとここら辺では一番の場所なのかもしれない

程なくしてみんなが集まると
さっきの汗泥にまみれた身体をしっかりと洗い流してきて
バッチリおめかしして来ていた

Yシャツあって良かった




さて、レストランに入ってメニューを見てビックリ

ONIGIRI に YAKISOBA などなど
完全なる和食の名が並んでいる

さすがイグアス移住区
と思いきや店員は日本語は一切ダメ
女子学生諸君がこっちの言葉でオーダー

これまた面白いクロスカウンターである















彼女達はやはり普通では無かった


いや、このパラグアイの中での感覚なら
別段特別な事は無いだろう

ただ、彼女達は日本語で僕達に喋りかけてくる
そして僕達は知っている日本の事を思い出して
そこと比較するのだ

そうなれば、やはり彼女達は特別な存在に思える



彼女達は日本語とスペイン語
そして現地のグアラニー語を解し
中には親がブラジル人だったりして
ポルトガル語を解したり

この地域には他にドイツやスイスからの移民も多いらしく
そっちの言葉を知っている子もいたりして



英語はおろかスペイン語にフランス語に中国語に
色んな言葉に挑戦しながら全然力及ばずの僕からしてみたら
既にその時点で神業に思えてしまうのだが

そんな事お構いなしに彼女達は
今の日本のドラマやジャニーズの話をふってくる

まあ、どちらかといえばそういう話の方が困ったりするが




20120202 (2)
























彼女達の中に特別というか異様に元気な子が一人
その名も牛、、

いやいや、アッキーナ



自分から

「私みんなから牛ってあだ名で呼ばれてるんですよねー」

なんて笑いながら言う子

バレーをやっている間も一番背が小さいのに一番元気だったのだが
実は今日やったチームはBチームで
彼女だけはAチーム、つまり一軍に所属しているというから驚き




そんな彼女は気圧され気味の僕達を前にも全く動じずに
ぐんぐん突っ込んでくる

彼女の好奇心はまさに純粋で勢いがあった




彼女の行っている日本語学校では
校内で二人だけ研修という形で日本に行くプログラムがあるという
そのプログラムに立候補して見事二週間程日本の地を踏んでいる


今の日本のドラマをしっかりネットでチェック
バラエティーだって芸能情報だって
いや政治も知っていたかもしれない


そんな彼女は将来日本に行きたいと言った





「でも、今お姉ちゃんが日本に言ってて
 私も行ったら両親だけになっちゃうから」





14歳の少女の言葉とは思えないような

一体彼女は何を背負い
そしてどこまでパワフルになる必要性を自分に課しているのだろうか





普通に日本語を喋り
最近の日本の事情も僕達よりも詳しいかもしれない



それでも、

ここから日本という『本土』を意識して
育ってきた彼女にはやはり
僕達とは逆の意味で日本は『特別』な存在として
受け止められているようだ

そしてそんな日本からやって来た僕達自身も
同じ日本語を喋りながらも
『特別』な存在として見られていたのかもしれない










彼女は何と次の日に自分の家に僕達を招待してくれた



大きな大きな敷地の中にある
木でできたまるっきりの日本家屋は
なんと彼女のお祖父さんが建てたものだという

移民でやってきた人達の
色々な試行錯誤の日々を容易に思い浮かべられる



エアコンがバッチリ効いた部屋で
大きなソファに大人5人がいつもの癖で
グターっとなっているにも関わらず
アッキーナはしっかりおもてなしをしてくれる

歳が倍も違うというのに
という気持ちはあるのだが
すっかり甘えてしまう




アッキーナがテレビを付けてビデオを繋げる

去年、ここイグアス移住区の移住50周年祭が行われた
そこでアッキーナが披露したというダンス
それを見せてくれたのだが

てっきり日本舞踊かかと思いきや
なんとそれはパラグアイの伝統舞踏であった


ビデオの中には日本舞踊を踊っている子達もいたが
彼女曰く


「だってカッコ悪いじゃん」


いや、ハッキリした物言いでヨロシイ





彼女はその時の衣装を実際に僕達に見せてくれた

不思議な踊りで
ドレスを着て笑顔で踊るのはいいのだが
なんとその頭の上に空瓶を載せるのだ



20120202 (3)



その空瓶を持たせてもらったのだが
メチャメチャ重い

一本だけでもスゴイというのに
なんとそれを何本も載せて
その本数を競ったりするらしい

ちなみにアッキーナは8本

こっちが見上げるだけでも首が痛い




ビデオの中では5人が一緒に踊っていたのだが
どうやらアッキーナが一番載せられるらしく
メインをはっていた

そしてその弾けんばかりの笑顔













彼女は何事にも一直線で真面目で
手を抜かない性格らしい



そんな彼女だからこそ

日本を意識しつつもパラグアイの環境に育ったという
ハッキリとした二つの文化が織り混ざった
このイグアス移住区の歴史を体現しているように見える


彼女はきっとそれを自分でも理解していて
さらに加速度を上げようとしている



何故日本に行きたいかを訊ねた



「何でもあるし楽しそうだし
 日本へ行って、がっぽがっぽ稼ぎたい!」



『がっぽがっぽ稼ぐ』なんざ
久し振りに聞いたセリフだ

でも、彼女はやっぱり全く物怖じせず
ハッキリとそれを言った

自信すら感じられる










普通と特別を自由に行き来できる彼女



今のご時世、確かにそれは強みかもしれない

自分に対する自信と相手が感じる説得力の理由
今までの歴史をしっかりと掴みきっているという事なのか


























彼女は僕達と別れた後、ご両親と話をしたのか
日本に行く決心がついたらしく
4月の新学期に日本の高校に行く事になった

パラグアイのイグアス移住区から日本の高校へ

彼女の夢は一歩近づいた
というより一つ叶った訳である



自分の高校時代を思い浮かべて
同級生に

『パラグアイから来ました』

と、日本人の顔をして綺麗な日本語で話されたら
それは人生変わってしまうくらいのインパクトを
持っていたかもしれない






是非ともアッキーナに頑張って欲しい






そしてがっぽがっぽ稼いだら
是非僕達をまた招待して欲しいモノである





20120202 (4)












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    ふらふら何処かへ酒飲んで本読んで人と話してぼーっとして海に入って空飛んでバスに乗ってまたふらふら何処かへ、、何処へ?うーん。。とりあえずの試行錯誤継続鍛錬。

    2009年5月、日本を後にし、ゆっくりだけどそのうち加速予定。

    未熟ながらもなんとか自分の言葉で世界を書き起こしたい。ただいまその道中。


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