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上から見渡すもの

起きると空は晴れていて
朝一番に漂っていたいくつかの雲は
時間が経つと共にどこかへ消えて
今までで一番の快晴になった

全くの快晴

エアーズロックの麓の町に泊った僕達は
今日
国立公園にもう一つ聳えている
オルガ岩群
そしてエアーズロック登山
それをする為にまたあの大きな広大な台地に車を走らせる




エアーズロック
そこに登る

今まで全く写真でしか見ていなかったとてつもない存在
昨日初めて感じた大きさ
夕日に照らされていった
その重厚な存在感を放つものに
今日登ろうとしている

そんな所に行けるのだろうか
今麓まで来て
そしてその大きさが眼前に聳え立つ
どうしてもまだ信じられない

アボリジニーの聖地であるこの場所
そこに登る事で自分は何を感じるんだろうか



目の前に立つと
心臓が活発に動き出す
車で近づく時
昨日も見た景色だけれども
昨日感じた興奮にも負けないくらいにドキドキした
どんどんと車のフロントガラスに大きくなる姿



どこから登るか分からないまま
少しその周りを回る
近くで見ても赤く大きい
そして初めて手を触れてみると
沢山の思いが詰め込んであるように硬くしっかりとしている



登山口は見つからない
初めに車を停めた駐車場へまた戻ってくる
そこには立て看板があって
出来るならこの聖地への登山を控えて欲しいと書いてある

その上の方を見上げると
上の方で杭が打たれ
鎖が上の方まで伸びている


初めに車を停めた時に見つけたその鎖は
けれどもそのあまりにも簡潔な処置
老若男女
沢山の人が登っていると聞いていた僕達には
まさかそこから登るとは思いもしなかった

どうやら本当にそこから登るみたいだ
けれどもその下にはフェンスが敷かれていて
入口が見当たらない
そしてその横に
強風の為に進入禁止とある


強風


まさかそんな事で
昨日もインフォメーションセンターで
登山が可能かどうかを確認した時
それは天気予報が雨だったから登山禁止だとかかれていた
予報でなんて
でも雨なんだったらまだ納得がいく

でも今日は
これ以上無い快晴で
南から来た僕達には確かに暑かったけれども
ここからしたらそこまででもないだろうに
そして何より
そんなに風が吹いているようには感じられない
いくら上の方が強いとはいっても


すごい感情が昂ぶっていただけに
その悔しさは強く

その事に気が付いて戻る僕達は
しぶしぶ車に戻って
なんて事は出来なくて

でもどうしようもないから
車に戻った僕達は
車の中でほとんど叫んでた


この目の前にして
上へ行けないなんて


一度そういう状況になると
人間
ついさっきよりもその思い入れが強くなってくる

とりあえず今日行こうと思っていた
もう一つの目的地
オルガ岩群へ行こうという事になったが
どうしてもそれに対する意識が上がってこない
会話の中身は
どんどんと澱んできて
愚痴みたいになってくる


オルガ岩群は
そんな僕達には勿体無い位に
真っ青な空に
映える赤色を伴って
36個の岩を敷き詰めている
その眺めはやっぱり壮大なもので

でも僕達は
登山の事が気になって
その思いがさせたのか
登山の真似事みたいな事をして時間を使った


車に戻って遅めの昼食を食べて一息ついて
さてどうしようか



みんなの頭の中にはやはり登山の事が



本当は
そのオルガ岩群にはウォーキングコースが2つあり
メインと思われる
風の谷
という日本人ならつい気になってしまうような場所に
まだ行っていなかった

でもやっぱり行きたい所は


携帯でとりあえず登山可能かインフォメーションセンターに聞いてみよう
ただ携帯は圏外だ
エアーズロックの近くまで戻らないと電波が届かないらしい
しかしそこまでは40キロくらいある
1回行って戻ってくるには少し遠いかもしれない


さて


僕達はエアーズロックの近くまで戻る事にした
希望を持って

この快晴

延々とレンタカーで南からやってきた
その間の天気はぐずぐずだったり
むしろ自然を感じるべき場所
ニュージーやタスマニア
その時は必ずといっていい程
僕達は天気に恵まれていない

そんな僕達の頭上は
今までで最高の快晴が覆っている


なんとしても今日
今日登りたい



もうエアーズロックが近づいてきた位にやっと電波が届いた
サトが携帯で聞いてくれた
みんながその電話に集中する

サトの喋る事で会話を推測する
けれども変な想像と期待は
あとの落差を大きくしてしまうという気持ちも加わって
サトが結果を言うまで
何とか想像を抑えて待っていた


サトが電話を切ってみんなの方を向く


そのインフォメーションセンターの人が
二時か三時くらいに聞いてみた所によると
その時に登山が出来るようになったらしい




登山が出来る





まじかよ
今もう三時半だし

そうやって叫ぶ間に愛二の右足には力が込められて
路肩に停まっていた車は一気に走り出した


早く言えよ
てかそうなら教えてくれよ

なんて冗談なのか本気なのか
全然理屈に合っていないような叫び声をあげながら
まさに一気に麓へ向かう


そして心は一気に自分の興奮の頂点まで登りきる



車を停めると
一目散に飛び出す
靴を履き替えるみんなを尻目に
朝からずっと履いていた自分は1番初めに乗り込むつもりで駆け出し
そうしたら目の前に沢山の人が
さっきまで静まり返っていた
エアーズロックの肌に張り付いている景色が目に入り込み
咄嗟にカメラを構えた

そしたらこのタイミングでカメラの充電が切れてしまって


登りたい
でも写真は上で撮りたい


一瞬の葛藤の中
急いで駆け戻る


そうしたらみんながこっちへ小走りに向かってくるのが見える
急がなければ

急いで車の鍵を受け取って
カバンをぐちゃぐちゃにして
昨日調度充電してあった満タンの充電器に取り替える


走りながら新しいのを入れる
前を見ると尚吾と愛二が
今はもう取り払われているフェンスの所で
今にも駆け上る体勢を取ってこっちを見て煽ってくる

そんな事やられたら



走るでしょ



カメラと水筒をポケットに入れる時間を放り投げて
二人を見据えて走り出す

二人もそれを見て走り出す



全速力で


エアーズロックを駆け上る



初めは一生懸命で気が付かなかったけれども
すぐに足に重みが伝わってきて

やっぱり見上げた時の印象通り
その勾配は激しく
すぐにスピードが緩んでしまった

ふと横を見ると
鎖が見える


助かる
これは必要だよ鎖


しっかりと掴んで
既に一分しか経っていないのに
息が上がっている身体を支える


一息つく為に体重を鎖にかけて
前かがみになった顔を起す
腰に痛みを覚えて伸ばした

そしたら視界の端に青と緑の色が入り込んで来て
頭を回してみると
そこには
いつの間にかやってきた
エアーズロックからの景色が広がっていて


オーストラリアの
どこまでも続く平らな大地が
ずっと先まで続いている


20091002-2.jpg



どこまでも


先には小さな箱といくつかの道が伸びていて
あとは何の人工物も見えない

地平線には
微かに山が見え
そして唯一さっきいたオルガ岩群が
独特のオーラをもって存在している


20091002-1.jpg


登っている感覚が込み上げてくる
この景色は今まで見てきたどの景色にも合致しない

登る事は今まで何度もやってきた
山を登るにしても
沢山の木々に囲まれ
色んな所を潜り抜けて
最期に景色が開ける

けれども今登っているこの場所は
一枚の岩が聳え立ち
その肌を舐めるように登っている
その肌には何も無く
いつでもどこからでもどの方向も見渡せる
そしてその周りに広がる景色は
これもまたずっと先まで続く
大きな空と大きな大地と




息が上がりながらも上を目指す
下から見えていた岩の稜線まで辿り着くが
そこから突然先が現れて
随分と先に小さく人影が映る
まだまだ先があって

本当に甘く無い

稜線まで辿り着いて
その先にまた続いていく岩波が続き
先に新たな稜線が現れる



一つの岩だとは思えないほどに
起伏に富んだ道を
白い点線を頼りに進む


どれくらい経っただろうか
人が腰掛けている場所が見えてきた

ついに頂上なのか
今まで先には稜線がずっと自分の前に立ちはだかっていた
そこに辿り着けば
このどこまでも続く大地が360度見渡せるんだろうか



昂ぶった心が
どこかに残していた体力をかけ集めてきて
小走りにそこへ駆け寄る





そこには頂上を示しているだろう
柱が立っていて
その周りに景色を眺めているだろう人々が
方々を向いている


一体どの方向から見ていいのか
息が弾んで下を向いている自分は判断しかねる

とりあえず顔を持ち上げると
今まで見えていた稜線は視線の下に引き下がって
その向こう側の地平線が顔を出している

そこにも地平線しかない
あとは平たく広がる大地

後ろをもう一度確かめる為に顔を回す
その視線の移動が
何かを捉える事は無く
その地平線が延々続いている


20091002-6.jpg




声が漏れる
言葉にはならない



間違いなく今までお目にかかった事が無い景色
こんなにも遮る物が無くて
こんなにも遠くまで見通せて
こんなにも天気が良くて

自然の法則に
何も雑身が入っていない
そのままのストレートな自然
それが目の前で繰り広げられている


ここからの景色は
確かに人間では考えられない力を感じて
アボリジニーの聖地となるのは必然といえる






天気は相も変わらず雲ひとつ無く
昨日も夕陽を見た僕達だけれども
またそれを見に行く事にした


昨日と同じポイントへ向かう
そこにはやはりり沢山の人が
そしてやはり昨日と同じようにエアーズロックが佇んでいる

けれども昨日と今日では
僕達の眺めるその大岩は
全然違う



夕陽を遮るモノは何も無く
赤い陽射しは
赤い肌をより照らし

そして太陽が沈むと共に
エアーズロックの後ろから夜がやってくる
そしてその表面に
もう一つの地平線が映る

地球の丸みが
今目の前に二つの地平線を見せる



地球の大きさ
自然の大きさ


大きい大地の上に小さな僕達は立っていて
その大きさを感じている


20091002-5.jpg

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    ふらふら何処かへ酒飲んで本読んで人と話してぼーっとして海に入って空飛んでバスに乗ってまたふらふら何処かへ、、何処へ?うーん。。とりあえずの試行錯誤継続鍛錬。

    2009年5月、日本を後にし、ゆっくりだけどそのうち加速予定。

    未熟ながらもなんとか自分の言葉で世界を書き起こしたい。ただいまその道中。


    name : LAN
    now : Quito ( Ecuador )
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