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リオのカーニバルに行ったけれども、、

20120221














今年の年越しはニューヨークで過ごした


貧乏旅人には随分と不釣合な
とても華やかな空間と時間だった

出会った人達もまた華やかで素晴らしい人達だったから
僕達もその恩恵にあずかっていつもみたいに
ひねくれる事無く楽しいひとときを過ごした


元日に格式の高そうなジャズバーに行ったのも
その思い出の大事なひとつである

歴史も長くそれなりに名のある所だったみたいで
何とか一つ、旅に持ち歩いているYシャツでも心許無いので
友達にジャケットを借りてまで行った



そのジャズバーに入る前の事だ



基本予約制のバー
予約などしていなかった僕達は店の外で一旦待たされる
同じ様な人達が店先に並んでいる


さむいー!何て言い合っていると
僕達の前に並んでいた家族連れのお父さんが話し掛けてきた

もう何度も年越しにニューヨークにやってきているという
見るからにお金持ちそうな彼等は
ブラジルのリオデジャネイロからやってきたという



僕達はその時、南米にこれから行くという身

南米は全然英語が通じなくて大変だ
という話を聞いていたのだが
この家族は二人の息子に至るまでバッチリな英語を喋る

間違い無くブラジル国内でハイクラスな方達であろう



当然僕達はリオのカーニバルに行きたいんだ
という旨を伝える

、、というよりもアピールした


そうすると彼等はリオのカーニバルの時期
とんでも無い人数が世界中から集まってくる
それはこのユーヨークの年越しと同じくらいだろう
ホテルはもう予約しているのか?
今からとるのでも大変だぞ

本気の顔で心配してくれた



実際その後、心配になって調べてみると
まだ二ヶ月弱も先だというのに
ホテルどころか安宿までほとんど一杯で
あってもなんと相部屋で普段15ドルくらいの所が
100ドルという信じられないような値段だった


結局お父さんは
リオは本当に冗談じゃなくていい場所だよ
自分が住んでいるというのもあるが
そうで無くても最高のビーチや景色があるよ
是非、来なさい
そして来たらここに連絡しなさい

と言って、ジャズを堪能した後
去り際に僕達に連絡先を残していった



























旅人になる条件の大事な一つとして
『図々しさ』があげられると思っている


理由は今はおいておいて
きっと僕はその素質があっただろう

そして旅を通してその図々しさはさらに度を増していく


僕達は当然の様にリオに向かう前にお父さんに連絡をする

きっと、
「まさか本当に、、!?」

いやむしろ、
「ん?一体誰だ?」

という感じだったに違いないが
ハイクラスのお父さんはそんな事はこちらには一切見せずに
ウェルカムの意思を示してくれた





図々しさにもルールはある
それはバランスだ


それぞれの文化や性格によって変わるものだけれども
やりすぎてはお互い最悪の気分になって終わってしまう

何より旅においてはお互いが別々の環境に居て
大概は時間の共有としてはあまり無いのが常だから
感覚的な所は余計に気を使うべき所である


という訳で、

さすがに今回は「泊まりたい!」
などという事を言うのを控えまして
せめて荷物を置かせていただけないでしょうか
というお願いをした



きっと珍しい僕達の謙遜の気持ちが通じたのか
お父さんは快く引き受けてくれた




















弓場農場から夜行バスを乗り継いで
リオデジャネイロにやってくる

世界でも有数の国際都市であり長い歴史も持つリオだが
それと同時にやはり世界でも有数に治安という面で悪名の高い街


旅人の間でも十分その噂は流れていて
沢山の被害報告を聞く

そして今はそんなリオの一年の中で一番のイベントである

弓場農場ですっかり旅としての注意力が低下しているのを
自分自身で感じている僕は少し肩に力が入るのである




僕達は朝バスターミナルに着いてから
まずバス会社を軽く回る

ただでさえ物価が高い上にさらにカーニバル価格になった今
治安の面においてもここに長居は出来ない
という訳で、僕達はお父さんのお家に
荷物だけ置かせてもらって一日カーニバルを楽しんだあと
徹夜でそのまま次の日の早朝バスでここを去る計画を立てたのである





バス会社を回ったり
早朝だったので少し時間を潰したりして待っていると
トイレに行っていた愛二が二人の日本人とやってくる

「あらあらあらあらー!」

ペンション園田と弓場農場で一緒だった
タイヘイ君とタクヤ君だった

今サンパウロに宿をとっている彼等は
僕達と同じ様に0泊2日の強行スケジュールで
リオにやってきたという


みんなで情報交換をしていると後ろから


「あっ!!」


という声
振り返ってみるとプエルトイグアスで別れた
ツウが立っていた

ツウも今はサンパウロで宿を取っていて
やはり同じ様に昨日来て徹夜でカーニバルを見て
これから帰る所だという


愛二は他にもトイレに行く途中で
ペルーあたりで出会った旅友にも会ったという




リオのカーニバル




バッタリがこんなにポンポン起きてしまうのだ
それだけ世界中から人が集まってくるのだろう


そしてもう一つ


ツウは宿で一緒になった友達二人とリオに来ていたのだが
その友達のデジカメが盗られてしまったらしい

愛二がトイレに行く途中に出会った友達も
ついさっき、ベンチで大事な物が入ったバックを
置き引きされてしまったという



このバッタリ出会った友達の内
なんと50%の確率で既に被害に遭っているという

この一大イベントの時に
犯罪を犯す方も張り切っているのだろう

それにしても同じバスターミナル内
自分達が普通に居るこの場所で
犯罪が起きてしまったという事実は
結構ビックリする事である

きっと、お父さんが居なかったら
かなりビビって全然動けなかったに違いない








さて、そのお父さんに一刻も会わなくては

お父さんが居るのでハッキリいって
殆ど何も調べずにやってきていた

ただ『カーニバル』の名前に誘われた
ハエ一匹といったところだろう
このままでは飛んで火に入ってしまうので
住所を頼りにバスに乗り込む









恥ずかしながら知らなかった事なのだが
リオデジャネイロには世界的に有名なビーチが二つある

イパネマビーチとコパカバーナビーチだ

その地域はいつでも人で賑わっているという
ちょっとしたリゾート地になっているらしい

なんとお父さんのお家は
その二つのビーチのちょうど真ん中にある
さすがハイクラス




バスターミナルを出てすぐ
そこはボリビアで見たような
少しくすんでひび割れの所々走る家々が
傾きながら建ち並ぶエリア

そこを抜けて一時間程もバスは走る
さすが大都会リオといったところだが
街の反対側までやってくるとその景色は一変する


ガラス張りのエントランスが並び
そこには私設ガードマンが歩いていたりする

薄暗い雰囲気も一掃され
ラテンの太陽がガッツリ降り注ぐ
開放的な空気

歩道を歩いている人達も
お洒落な服を来て
犬を散歩させていたりする


僕達はそのエリアでバスを降りる
そして高級感の漂う一つのビルの玄関を入る

ビルの管理人というよりも
私設ガードマンの様な雰囲気のオジサンに
お父さんの名前を告げると
エントランスの扉を開けてエレベーターまで案内してくれた


マンションの一室
洒落た大きな額入りの絵や
ピアノに装飾が散りばめられた部屋

お母さんが出迎えてくれ
僕達を快く部屋に入れてくれた

暫くして散歩に出ていたお父さんが帰ってきて
ベランダで暫し歓談する
心配だったが何とか覚えてくれていたようだ
ニューヨークの話も少し出る

美味しいコーヒーをご馳走になり
持っていく荷物を準備して
早速僕達は街に繰り出す


20120221 (1)







リオのカーニバルというのは
南米中にあるカーニバルの中でも世界中に名を馳せる程である
やはり規模が一番大きいらしい




期間は4日間

規模が大きいというその大きな理由は
大きな屋外アリーナを貸し切って会場とし
そこを何百人規模のチームが何チームも参加して
盛り上げるからであろう


リオにはカーニバルの専門学校がある
しかもいくつも

その学校がそれぞれ一年の練習の成果を
ここで発揮するために何百人のチームを組織して
参加するのだ


メイン会場のそのイベントは
夕方の6時から始まり何と朝の4時まで延々続くというのだ

何百人の踊り子達が大きな山車を率いて
何時間も踊りまくる

想像するだけで圧倒的だ









一年の内の一大イベント
勿論会社に学校は殆ど休みになって町がカーニバル一色になる
さらに凄いのは実は会場はアリーナだけではない

それこそ町中いたる所、バーやカフェそして道端にビーチ
そこらじゅうでステージが作られその周りでお祭り好きの人間達が
真っ昼間から飛び跳ねる


そう、だからメイン会場も含めて
本当に一日中朝から晩まで踊り狂う

それを4日間まるまるやり通すというから
ブラジル人の祭りに対する本気度には恐れ入る
一体いつ寝ていつ休んでいるというのか



20120221 (2)








という訳でお目当てのメイン会場に行くまで
まだまだ時間があるというのに
僕達はまだまだ強い日差しが指す街へ向かう


眩しい太陽

それだけでも身体が火照ってくるというのに
ビーチに出てみると
その開放的な景色が僕の心をドキドキさせる

確かにここに生まれて育ったら
遊びにいつでも本気な、あんなブラジル人が生まれるだろう
そんな確信を持つ



20120221 (3)







ビーチでは本当に沢山の人が行き交っている


歩いていると色んな人だかりが出来ている
ある一つに行ってみると帽子を配っているではないか
スポンサー企業が配っているモノらしい

同じ物をさっき売っている人達がいたが
どうやらこれは本来はタダで配っているようだ

悪徳な奴等はこれを手に入れて色んな所で売っているらしい




貧乏旅人がこれに食いつかない訳がない

悪徳と言われようと何だろうと
僕達も輪に潜り混んで大量ゲット

でも、悪徳になりきれない
残念日本人の僕は結局最終的には悪徳になれないようで
結局道行く人に「頂戴!」と言われてあげてしまった



20120221 (5)





そのうちステージから爆音が流れてきて
行き交う事も出来ないくらいになる

あっちこっちから水なのかビールなのか飛んでくる
それが気持ち良い


もう昼間っから完全にお祭りモード
これじゃあメイン会場まで果たして体力が持つだろうか、、、



20120221 (4)























と、いう心配はごもっとも

結局メイン会場に向かう頃にはすっかり体力ゲージが
心許無いくらいになってしまった

強引に盛り上げようとビールを買ってあおる





メイン会場には大人数を収容する為に
いくつかのブロックに分かれている

ブロックが並ぶ真ん中に踊り子達が通る道がある
そこからの距離によって席の値段が大きく変わってくる


色々と悩んだがさすがに当日料金だったので
一番遠い所以外はひるんでしまう金額
我々はここにこれただけでも幸いと思おう
という事で最安値の席を取る

踊り子が通る道の一番最後の場所で
さらに一番遠く、そして自由席
コンクリートに直に座るという

きっとこの冷たさがのちのち眠気を吹っ飛ばしてくれて
最後までカーニバルを鑑賞できるのだろう
いや、もしくはみんなの熱が真夜中のコンクリートすら
温めてしまうに違いない

そうやって言い聞かせたけれども
そういう事は一切無かった






9時に乗り込むと
町中に向かって流れる爆音に
煌びやかな衣装に身を包んだ踊り子達が
会場の熱を温めていた

周りのブラジル人達は知った曲のようで
一緒に歌って踊っている人達も居る


リオのカーニバルには一応優勝というのがあって
それぞれの踊り子達の笑顔やパフォーマンス力
山車の出来や会場の盛り上げ方によって得点を獲得する

演技時間も決まっていて(一チーム80分)
その間に通りを抜け切らなくてはいけない

だからみんな一生懸命






ただ、


その80分の間
実は同じ曲が延々とかかるのである

知らない僕達にとってはなかなかハード
しかも踊り子達の一生懸命な演技も全然見えない

気が付けばコンクリートの椅子に
うずくまってしまっていた
お尻からせり上がってくる冷たさと必死に戦いながら
そして昼間にはしゃいでしまった疲れとも戦いながら

アップテンポなサルサが大音量で流れているけれども
結局同じ旋律が繰り返してくるので
いつの間にか僕には子守唄のようになってしまう








結局僕達は最終チームが出てくるまでは踏ん張ったものの
そこで会場を後にする

一体どれだけ寝てしまったのか
9時から3時までのしめて6時間
勿体無いとはまさにこの事だ


変なケチ心は全く意味を成すどころか
逆にマイナスの要素を自分に返してしまう
このリオに来て残念ながら一番学んだ事だった






這う這うの体でお父さんの家まで帰ってくる
予めお父さんと取り決めていた約束

朝早く帰ってくるだろうから
家の隅に荷物を置いているので
管理人に鍵を開けてもらって
自由に取っていってくれ

僕達は熱も冷め切った身体をさすりながら
マンションのエントランスに戻ってくるが
何と管理人がいないではないか

ベルを鳴らしても誰も反応が無い



結局僕達はそのままエントランスの前の階段に
また身体を丸めてうずくまる

結局朝管理人がやってきたのはそれから三時間
踏んだり蹴ったりとはまさにこの事だ



















みなさん、リオのカーニバルに行かれる事があるならば
間違い無くいい席を

値段以上の開きがあります



いや、これはカーニバルに限った話では無いですね



何もお金の価値が
そのまま物の価値に直結していると言えば
そうではないというのは
今までも十分経験してきた筈なのに、、


















理由付け

20120217







くる日もくる日も朝から仕事


鈍りきった身体にムチを打つ
毎日決まった時間に(しかも早朝暗い間に)起きる事自体
いつ振りなんだろう

でも、自然と身体は言う事を聞いてくれる


汗水垂らす

というのは身体を元気にするらしい
美味しい食事も手伝って
心身共にすっかり弓場農場のリズムに染まっているようだ

心地が良い

初日の仕事中に思った逃げ出したくなるような気持ちは
あっという間に何処かに消え去っている



20120217 (1)




自転車で旅をしているニシムラさんは
もう一年もここに滞在している

ニシムラさんと同じく既に貫禄すら出ているカオルさん
僕と同じように日本から西回りで世界を回ってきて
弓場農場に辿り着き既に半年

パラグアイのペンション園田で出会った大学生二人
タイヘイ君にタクヤ君も僕達と同じ時期に弓場農場へやって来た

見るからに身体を動かす事が好きそうな二人は
ふざけ合いながらも楽しく弓場での時間をこなしている


僕達がいる間、

同じ様にペンション園田で一緒になった
ショウ君にサヤカちゃんも数日だけだったけど
一緒に汗を流した




旅人同士、旅とはまた違った日常を
同じ様な思いでクワをふりふり話をしながら楽しんだ




20120217 (2)



















朝から仕事をするといっても一日中では無い
夕方4時には大体仕事は終わる

そうなれば後は自由時間


初めはそんな時間に終わったとしても
朝から身体を動かし続けて
バテバテで何も出来ないだろうなんて思っていたけれども

さて、実際に身体がそのリズムにハマると
むしろ調子が出てきて身体は『もっと』なんてせがんでくるのだ









仕事が終わると僕達はまずお風呂に向かう





ここで大事なのは『シャワー』では無く『お風呂』という事


世界中色んな文化があれど
大概、バスタブという文化は見当たらない
お湯を溜めてゆっくりつかるというのは
日本独特の文化といっても過言では無い

全く無い訳ではないが安宿なんかにそんなモノはある訳もなく
僕はこの旅に出てゆっくりと湯に浸かる経験など
台湾で友達に連れていってもらったスーパー銭湯くらいである



が、ここは日系の方が暮らす弓場農場である



そう、本当に『お風呂』なのだ!

桶も椅子もある
水もお湯もバシャバシャ出る

椅子に座りながら身体をゴシゴシなんて
本当に久しぶりで毎日お風呂に行くのが楽しみになる



旅中、シャワーとは気が滅入る作業である

大概お湯は出ないし水量も心許無いのが大半
しかもシャワーだけだしヘッドも固定である
脱衣所は狭かったり汚かったり
だから足の裏などしっかり洗えないし
タオルで拭くのも気が引けてしまう

そしてそうもたもたしている間に
ばっちり身体は冷めてしまって寒い思いをする

だからどうしても2日に一度とか
今日はあんまり汗かいてないからいいやとか
先延ばしにしてしまう


そんな日々がずっと続いていたものだから
座りながらゴシゴシ
頭に思いっ切りお湯を浴びせる
この快感はたまらない

しかも弓場農場は大きな共同体だから 
風呂場もちょっとした銭湯のような広さがあって伸び伸び出来る
お風呂も家のお風呂ではなくて銭湯の大きさ


年単位でこびり付いた垢もこれなら落とせる
その日の昼間についた泥土などは問題外

お陰様で仕事中に泥んこになるのなんか全く躊躇せず
思いっ切り飛び込んで行けた












お風呂が終われば洗濯


弓場農場では大きな洗濯場がある
大人数の洗濯をするのだから当然であるが
僕達もその場所を使わせてもらえる

タイミングがよければ洗濯機も乾燥機も使える

初めは洗濯板でゴシゴシ
それから洗濯機にぶちこんで

身体の垢同様、旅中手洗いで済ませていた服や
デニムの様な手洗いではなかなか洗えないものも
すっかりキレイにさせていただいた




20120217 (3)















そして洗濯が終われば夕食の6時まで
大概僕達は食堂の前で野球やバトミントンをやったりした



20120217 (4)



すっかりキレイになると
また身体を動かして汗泥にまみれようとする

服も身体もキレイになるとリセットされたような気分になる
それがどうも『汚れる準備万端』と判断されるようだ

そうなると自然と身体も軽くなって
十分身体は農作業で動かした筈なのに
走り回る




20120217 (5)





そうして夕食の角笛が鳴る



折角お風呂に入ったのに
また汗だくになって身体はアツイ

火照った身体に冷たい茶を流し込んで
山盛りの食事をモリモリ食べる

身体は十分動かしているから
本当に毎度美味しく沢山食べる






お風呂でいつでもキレイに身体を洗えるし
洗濯場でいつでもキレイに服を洗えるし
食堂でいつでもたらふく食事を食べれるし

何の心配も無いから毎日思いっ切り活動出来る







食事が終われば寝るまでやっぱり自由時間

大概そのまま食堂に居て
お茶でも飲みながらみんなと話をする

はたまた、食堂ではWiFiが使えるから
パソコンを持ってきて調べものなんかしたり


そんな事をしているといつの間にか日が暮れてくる
そうすると自然とあるテーブルに人が集まってくる


お酒を飲んでみんなと楽しく話をするのが大好きな
弓場農場の現オーナーの弓場恒雄さん


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サトウキビの蒸留酒ピンガを飲みながら
テーブルを囲んで笑い合う


20120217 (6)



その日その日によってメンバーは入れ替わる
何だか弓場農場の中にあるバーのような場所



20120217 (8)



週末は大人数が集まり
ちょっとした宴会の様な事になったりもする

僕達が行った時はちょうど南米でカーニバルの時期で
夜にみんなで地元のカーニバルに
連れて行ってくれた事もあった


20120217 (9)









程良くお酒も回ればもう一日
一秒たりとも逃さずまるっきり満喫した様なモノだ

ベットに入れば毎日気持ち良く
眠りの世界に入っていけた



何と居心地の良い日々だろうか



20120217 (10)






























でも、僕達はここを出ていく決心をした

たった10日だったけれども










リオのカーニバルの日が迫っていたのだ







別に絶対に行く必要は無い
それは旅をしてきて余計に感じる事だ


世界中の観光地を回れる訳は無いのだから
何処かで諦めなくてはいけない所が出てくる

だから旅をしていると
自然と固執する気持ちが薄れてきたりする

思いっ切り自分勝手な欲望を叶えようと
世界を飛び出してきたのに
その先にあるのは諦めというのもまた不思議な話なのだけど


だから有名なリオのカーニバルだろうが
行く必要は無いとは思っている訳である

ただ、何か理由が無いとここを出るタイミングを逸するのだ



もう身体は完全に弓場農場のリズムに染まっている
これでは本当にこのままずっと居る事になりかねない

別に居たって構わないし事実良い日々を過ごせている
ここ弓場農場は実際に元旅人でそのまま住み
家族を持った人も居るのだ



でも、この時はやっぱり出る理由を探していた

そういう事を考えるのはまた次の機会
僕は今先に進むべきだと思っていたようだ

リオのカーニバルはそんな自分の中で
格好の理由だったのだろう











僕達はまだまだ居続けたいという気持ち
それを大事にしてこの理想郷を後にする



20120217 (11)













誤魔化しの無い場所

20120215












理想郷の様な弓場農場







新鮮な食材達を弓場農場のお母さん達が美味しく料理する

角笛の合図に呼ばれて食堂の席に座れば
その豪華料理をたらふく食べる事が出来る

三食きっちり

しかもお皿を流し台に持っていけば
お母さん達が洗いまでしてくれる


僕達は食堂に戻ってお茶を飲んだり
夜だったらピンガと呼ばれる
サトウキビの発酵酒を飲む事だって出来る



それらが全部『タダ』で出来るのだ



食事も支給
お酒も支給
タバコまで支給

さらには生活する部屋まで支給される












天下の回りもの『お金』


資本主義と言わず、発明されてから人類の歴史上
社会というシステムを支え続けてきたモノが
表向きここには存在しない

そんな共同体が存在するのか
日本ではにわかに信じがたいが
実際僕達はここに10泊して一銭も使う事が無かった

『使わ無かった』

というよりも
もっと正確な表現があるとすれば

『使う場所が無かった』

といえる


全てはこのコミュニティの中で
生産と消費が順繰りに行われ
『お金』という中間媒体を必要としていない




生活する為に仕事をしてお金を手に入れ
そのお金で生活に必要な物を手に入れ
その生活を維持する為にまた仕事をする

社会とはその歯車の上に成り立っている


そのサイクルから僕達は
この共同体の中に入って抜け出した

一度抜け出すと
生活する上でいつもつきまとう
一つの大きな支柱『金銭感覚』という物を
知らず知らずの内に忘れ去ってしまう

少し大げさに言ってしまえば、子供の頃から教え込まれる
殆どの物はお金によって『価値』というモノを測られ
お金を手に入れる事によって欲しい物が手に入る
というこの『金銭感覚』から初めて開放される

人生で初めてのような身体の軽さを覚えたりする











理想郷の様な場所、弓場農場










ただ、『理想郷』であって『楽園』とは違う


楽しむだけの場所では無い
ここは人々が生活をしている場所で
あくまで社会の一部分である共同体なのだ

共同体の中では先の様な開放感があるけれども
全くもってこの場所が世界の社会と距離を置いて
存在している訳では無い


ここ弓場農場には本もあるしテレビもあるし
インターネットもある
社会との関係を断つ事無く
むしろしっかりとコネクションを持っている

子供達は勿論学校に行っているし
留学をしている人達も居る


その為にはやはりお金を必要とする
社会との関係を保つ為の中間媒体としてのお金



さらに云えば

共同体としてお金という中間媒体を必要としなくなったとしても
生活に必要な物は必要な物である

それは人が生を全うする為には
必要なサイクルシステム
何もしないで遊ぶ訳にはいかない





だから自分達で食べる物は頑張って作らなくてはいけない
自分達が生活する場は頑張って作らなくてはいけない

そして外との関係を保つ為の物を作らなくてはいけない


ここは楽園では無く理想を追求した『農園』なのだ



20120215 (1)











自分が出来る事を












ここには強制というものは無い

でもみんなが出来る事をそれぞれがこなしている
そうしてこの理想の農園を守っている


ある人はトウモロコシ畑を担当し
ある人はマンゴーを、そして米やオクラや

畑だけでは無い

それらの食物を社会へ出荷する為の
パッキングや運搬する人
勿論自分達用に料理をする人達

さらには弓場農場内のインフラだって
ソーラーシステムを作ってみたり家を建てたり


それぞれが役割分担をして
弓場農場という小さな社会を回している


僕達もその共同体に入った以上何か出来る事を
小さいながらも歯車の一つとしてやらなくては
いけないのである

強制では無いにしても
僕達には必要な事なのである



それにしても不思議な事に
ここに来てみると『何か遣りたい』という気分になるのである






ちょうど旅をしていて

『仕事をしたい』
『何かケジメになるような日々を送りたい』

と思っていたというのもある


常にダラダラした日々を送っていたつもりでは無いのだが
どうしても日本と向き合っていると
この旅の日々というのは何故か引け目を感じてしまうモノだ

そんな旅や旅人のイメージを払拭したい
というつもりではいつもいるのだがなかなか難しいモノだ



ただ、そうで無いにしても落ち着かないものである

何もしていないのに
ただ食事を食べさせて貰い、自由に好き勝手やって寝て
そしてまた新しい一日を迎えるなど
どんどんと肩身が狭くなって逆に辛いというモノだ


この感覚も、こびりついた『金銭感覚』によるものだろうか

『タダより高い物は無い』

物を手に入れるにはそのものの価値に対する
何かしらの対価が必要になる
その手段がお金であるという


でも、やはりそれは弓場農場である
お金はそこには存在しない

僕達はその代わりとして『労働力』を提供するのだ


20120215 (4)







勿論飛び入りの僕達だから専門知識を持っている訳では無い
農園の人達のお手伝いをするのだ
ようは小作人として農園に住み込みで働く
という形になる


農園の仕事を手伝う代わりに他の全ては支給する


というのが弓場農場と旅人の間に交わされる契約である










簡単に手伝うと書いたが
果たして農園の仕事は想像以上にキツイ


前もって聞いてはいたので十分覚悟してきたつもりだったが
初日に一気に体力を使い切り
心の中で、

「勇んでやってきたはいいもののこれが毎日続くのか、、
 あと、何日やればこれから開放されるのだろうか
 来たからには一ヶ月でも居たい何て言った手前
 すぐに出るなんて出来ないし、、」

なんて思いながらクワを振っていた


20120215 (2)





シーズンによって収穫するものは変わってくるので
仕事内容も当然変わってくるのだが
僕達が行った時はちょうど色々な物の収穫時期の境目だったらしく
殆どが『草刈り』だった

悲しいかな確かに重要な仕事であるにはあるが
とても地味でそして何より辛い仕事だった



トウモロコシやオクラや芋や
色んな畑の雑草取りをした


もう見事な直射日光の元
汗だくになりながらの作業

こんな大層な作業をして
嵐なんかがやってきて一気にもっていかれたら
確かに愕然としてしまうよな

農家の人達の苦労を身に染みて感じるのである






仕事はまだ日が昇る前から始まる
何故ならその体力を奪っていく太陽の光をなるべく避ける為だ

朝の6時



20120215 (3)



農場中に響きわたる角笛の音が聞こえる
朝食の合図だ


まだ朝日にも染まりきっていない暗さの中
みんながゾロゾロ食堂に集まる

そこにはご飯に味噌汁にちょっとしたおかず
和食だけではなくて
パンも手作りジャムもヨーグルトもある


それを食べ終わって少し一息、とはいかない
みんな作業着に着替えて食堂の前に集合する

するとその日の仕事が割り振られる
男共は大概トラクターの後ろにくくりつけられた
荷台に乗り込む事になる

クワやら水筒やら必要な物を積み込んで
ガタガタと目的地の畑に向かう


そこからはひたすら作業だ


振り上げたクワに付いてきた土が目に入ろうが
クワを握る手にマメが出来ようが
直射日光が降り注いで真っ黒になろうが

前に進み続けなくてはいけない


実際はそんなスパルタでは無いし
調子が悪かったら勿論休んでもいいのだけれども
何だか久しぶりの労働で肩に力が入るものだ



朝の7時くらいから
12時の昼食休み一時間を挟んで
夕方の4時くらいまで

僕達はみっちり働く










でも、



20120215 (5)




それだけ汗を流したあとの



20120215 (6)




食事はやっぱり最高に美味しい









何も知らないに等しかった農業の事

オクラがどんなふうにして生っているのか
そんな事想像した事もなかった

作業を通して色んな事を知る

その知った物達が食卓に載ってくる
今まで当たり前の様に見ていた
様々な食材達が違ったふうに見えるモノだ







植物だけではない



ある日には僕達は豚の解体を見る機会があった

豚小屋は普段みんなが行かない建物の裏の方にある

折角だから見てきたらいい
教えられて向かうと一匹の豚が出されていて
本当に悲鳴の様な鳴き声を上げている

周りの豚も今から何が起こるのか分かっているようで
大声を上げている


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「大丈夫、彼は豚の解体のプロだから
 豚も苦しまないよ
 下手な人がやったら何度もナイフを刺さなきゃいけなくて
 すごく苦しんで大変な悲鳴を上げる
 あの悲鳴を聞くのは本当に辛い」


そう豚小屋の前で見ている僕達に教えてくれる
言い終わらない内にナイフは豚の心臓を突く


あっという間の出来事だった
暴れる豚の合間を縫う神業

豚の悲鳴は明らかにその瞬間変わった
力みまくっていた声はすっとその力を無くし
すーっと鳴き声が消えていく

見てみると心臓から血がまさに吹き出して
地面を赤く染めていく

豚は足に力が入らないのかフラフラして壁にぶつかる
そして最後には自分の血に滑って倒れ込む
顔を赤い地面に押しつけ

「これは何だ?」

という感じで自分の血を舐める

そうしてだんだんその目を閉じて
動かなくなってしまった


20120215 (8)






すぐに解体場へ連れていかれ
手際良く裁かれていく


20120215 (9)



さっきの言葉がよみがえってくる

「豚は苦しまない
 彼はプロだ」

変な動物愛護の生易しい言葉には聞こえない
実感を持って、彼が苦しまないで良かった
そう感じた


あっという間に僕達のいつも見られる
肉屋さんでみる形に分けられていく


20120215 (10)





そうしてその日の夕食や次の日の食事に
その肉が食卓に載ってくるのだ




20120215 (11)














自然、


『頂きます』


という言葉にも力がこもる




黙祷にも想いを馳せる




そして



汗水出し切った身体中に
彼等が染み込んでいく



















これが弓場農場のサイクル




そして、

社会ではお金に隠される事がある
生きるというサイクルの生が見れる場所



理想郷というよりも


もしかしたら


誤魔化しの無い場所


というべきかもしれない





20120215 (12)











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    ふらふら何処かへ酒飲んで本読んで人と話してぼーっとして海に入って空飛んでバスに乗ってまたふらふら何処かへ、、何処へ?うーん。。とりあえずの試行錯誤継続鍛錬。

    2009年5月、日本を後にし、ゆっくりだけどそのうち加速予定。

    未熟ながらもなんとか自分の言葉で世界を書き起こしたい。ただいまその道中。


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