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雨に煙る

ホイアンには殆ど予定通り小雨の降る中
朝の6時半に着いた

雨も降っているし
ずっとバスの中で過ごしていた
殆ど寝ていたといっても浅い眠りで
疲れが充分残っている

バスから降ろされたシンカフェのすぐ近くの宿に簡単に決める
永遠に続くかと思われた五階までの階段を何とか登りきり
ベットに倒れ込む

何時間も寝たのに
本当に気を抜いたらこのまま寝てしまいそうだ
でも僕達はここに一泊しか居る事が出来ない
明日にはまたバスに乗って
北のフエという街へ向かわなくてはいけないのだ


やりたい事も溜まっているし
何より街を歩きたい
このまま寝てしまっては間違い無く夜中に目を覚ましてしまう

経験上ベトナムは朝が早くて夜も早い
ベトナムの街を満喫するなら朝なんだ



そう言い聞かせ
街へ出る



外は今まで東南アジアで出会わなかった
白く分厚い雲が覆っている
朝というのにまだ暗く
さっき降った雨が空気をひんやりさせている

街を歩く人々は分厚いコートに身を包んで
身体を小さくして小走りに移動して行く

街並みはそれに合わせたように小さく佇んでいるようだ
どれも建物は背が低く古めかしい木々で
ずっと生き続けて来た寂しさを漂わせている

雨が降って足元ばかり見ていた
一つの交差点にバイクが沢山やってきている雰囲気を察知して
顔を上げると初めて街を見渡す格好になって
街はその時を逃さないかのようぐっと心を捉えてきた

交差点の角に雨を避ける幌がある
その下に薄汚れてしまったくすんだ赤いダウンを着た
丸い眼鏡をかけた人の良さそうなおばちゃんが
煙の出る寸胴をいじりながら
お母さんに連れられた子供達にお粥を出している

お粥屋台の正面には朱色に覆われた中国式に見える寺院が
雨に雲って色を落としている
地面に向かって押し流す雨のせいなのか街の重厚感なのか
中から聞こえてくるお経のような声は微かにしか聞こえない

僕達が進む正面の道の向こうは
どんどんと道が狭くなっていて
小さく路地になって先が見えなくなっている

どうやら先は路地が入り組んでいるみたいだ
傘をもった人が現れてはすぐに隠れて行ってしまう
小さな建物が並びながら
一角の中は沢山の路地が縦横無尽に行き交っている

狭くなって行く路地を進んで行く
両隣の壁が視界を狭める
白の石畳に淡い黄色い壁に灰色の空に
三点透視のキレイなラインが先の出口へ続いている
幾何学の図のように直線の世界の真ん中に丸い円が現れる
覗き込むと今でも使われていると思われる井戸が

回り込んで進む
出口から出るとまさに飛び出したように開けた景色にやってくる

目に河が飛び込んでくる
そこも雨に煙り灰色の水の上に
青色や朱色の船達がやはり色を消されて揺れている

先には同じように背の低い建物が並んでいるのが見える
そこへ渡る為の橋は街のイメージそのままに重さを持つ
小さくしっかりとした橋

その柱に船を括り付けて
笠をつけたおばちゃんが一生懸命
木の板を重ねて作った船を掃除している

通りを歩く
その両側にはずっと見守ってきた建物の中に
今でも生活する人々が
食事や提灯を売ったりしている

築百年以上といわれる建物
中は小さな提灯の光で黒々した木々を照らし
ホイアンの伝統料理カオラオを出している


20091222-2.jpg


油麺に野菜や肉を詰め込んだ
少しこってりしながらも一緒に入っている葱でおいしく食べていると
雨が本降りになってきた
提灯の赤や青の光を吸収して黒く光る木の枠
その先に見える街並みがまた雨に煙る


20091222-3.jpg


待っても振り続ける
雨に支配されたホイアンの街を小走りに宿まで戻る




昔々の時間からやってきた歴史の重厚さを漂わせ
なおかつ懐かしさをも含む親しみを感じさせる
歴史的でありながら現在と断絶していない
自分の中に繋がっている流れを深層心理に感じさせる

時間の流れ方は極端に静かだ




ここは世界遺産の街ホイアン



20091222-4.jpg



何だかとても雨が似合う



バスから見える景色


長距離の移動
リゾート地のニャチャンに少し到着が遅れて午後6時半
結局九時間の所を十一時間かかった

既に周りは暗くなっている




その間に沢山の景色を通ってきた




寝たり起きたりを繰り返し
そのぼやけた視線の先には今まで見た事が無いベトナムの田舎の景色
だけど何だか懐かしいような水田の広がる優しい景色が

ぼやけた目のせいなのか
バスに乗って移動できている安心感からなのか
温かい気持ちにさせてくれる景色は
またゆっくりと僕を眠りに誘う



そう思うと次に目が覚めた時には
ベトナムとは思えないような景色に飛んでいる


20091221-4.jpg


荒涼たる大地の起伏が続き
風が強く吹いて砂が待っている
オーストラリアの砂漠を思い出すような風景
そんな孤独感を誘うような景色を見ていると
荒んでいく心を守ろうと身体は小さくなって
そうやってまた眠りに落ちて行く



気がつくと海岸線を走っている
向こうには沢山の船がいる
何だか地中海沿いの小さな漁村の街みたいな
色の随分映えたハッとさせるような景色に目が眩む


20091221-3.jpg



再びデジャブのようにハッと気がつくと
街はいつの間にか街並みは居なくなっていて
寂しいビーチだけがいつの間にか続いているだけだ
大きな椰子の木が寂しく佇んでいる


20091221-2.jpg








長く南北に伸びるベトナム
そこにはいくつもの顔をもった景色がいた







夜行バスがやってきた
今まで見た事が無いようなバス

中は三列に区切られていて
それぞれが簡単な二段ベットになっている
シンカフェの底力か

この大型バスで再び十一時間揺られて行く


一体どんな景色が通り過ぎていくのだろうか





走り出してすぐ消燈になった





室内灯は不思議な弱い蒼い光に包まれる

バスは山の中を行っているみたいだ
外は真っ暗だが大きく揺れるのは感じる事が出来る



沢山寝たのにその揺れにまた眠りの奥へ振り落とされて行く



暫くすると揺れは今度は僕を揺り起こしたりもする
昼間眠気眼に映った様々な景色は夜には現れない

目の前の大きなフロントガラスに
外灯のオレンジ色の光が室内の蒼い光と溶け合っている
イヤホンから聞こえてくるフィッシュマンズの「ナイトクルージング」が
夜中彷徨うバスの中で色のせめぎ合いをする光を余計に神秘的に見せてくる



20091221-5.jpg



柔らかい声が光と手を組んでまた僕を眠りの世界へと連れて行く



シンカフェの第一印象


久し振りの大移動の日

ホーチミンシティを朝の7時半に出発
九時間かけてニャチャンというリゾート地へ行き
そこで三時間程乗り継ぎのバスを待って
夜行バスで十一時間かけて次の日の朝6時半に
世界遺産の街ホイアンに到着という強行軍だ

ほぼ一日移動という訳で
何を見た何をしたというのは今日の場合
すべてバスの中になるという訳だ



朝の7時15分にバス乗り場まで行かなくてはいけない
前日の飲み語りは朝4時まで続いてしまった
そんなので寝てしまっては到底起きれる訳が無い

だって宿のベットは快適だし
もっとゆっくりしていたい気持ちになってしまったし
そんな気持ち良さの中眠りについたら
間違いなく流されてしまいそうだ

ただ今回はかなりの大金を払っている
そんなバスを逃すわけにはいかない
そして日程も詰まっている

そこで取った方法は




徹夜で作業をする事だ
幸いな事にすでに朝は明るんでいる


荷物をまとめて
それぞれ作業を済ませると
あっという間に時間になった

むしろ時間が足りないくらいだ
寝不足に追われ作業でなんだか頭がぼおっとしている

兎に角荷物を持ち出してバス停へ向かわなくては
ふらふらな上に久し振りの重いリュックで
頭はさらに揺さぶられる



僕にはコーヒーが必要だ

コーヒーコーヒー
口に出して連呼する



荷物をバス停まで持っていく
頭はベトナムアイスコーヒーの事で一杯だ
リュックがスタッフにもぎ取られる様にバスの中へ放り込まれる

そして時間はまだあるのだが
早く乗れと急かされてしまう

コーヒーを買う暇も無く
ただ抵抗できる余裕も今無く
そのままバスの中に押し込まれる


シンカフェのチケットにはなんと席番号がある
東南アジアで席番号が決まっているバスなんて久しく乗っていない
今この状況で席が決まっているのはとても嬉しい
このシステムに感動する
コーヒーもそうだが何だか早く席に身体を落ち着かせたい


番号を追って一番後ろの座席まで来てしまった
しかしそこには5席あるうちすでに4人座っている
家族連れ三人と1人旅だろう欧米人1人がヘッドフォンをつけて寝ている
僕達はそこの一列の二席の筈だ


私達は間違いなくここで
多分この寝ている男が間違っているのよ
と気の強そうな家族連れの娘が早口で喋ってくる

指摘された男は邪魔をしないでくれというようなオーラをこっちに放っている
ヘッドフォンからは雑音が漏れ腕を組んでしっかりと目を閉じている


なんでこういう時にこんなトラブルに巻き込まれるのか
早く座ってじっくり睡眠をとりたいというのに

スタッフに聞こうと引き返すと
向こうから早く座れというような仕草をしながらスーツを着た男がやってきた
もう何も言う気にもなれず
途中まで喋ってから説明する事を放棄して後ろを指差す

流石に顔に出た不機嫌な感じを読み取ってくれたのか
事情を汲み取ってみんなのチケットを見比べる
どうやらシンカフェの手違いで番号がかぶってしまったらしい
周りを見ると座席はほぼ満席状態だ


折角初めてあの噂のシンカフェを使うというのに
あの安心で素晴らしいサービスのシンカフェバスを利用するというのに
残念ながらこれでは僕の中のイメージは最悪だ


長身のいかにも育ちの良さそうなスーツのスタッフは
面倒な手違いをしてくれたもんだというような顔をして
僕達にまず出るように促す

さっきからずっと落ち着きがなかったが
それに拍車がかかってしまって指示が荒くなっている

ますます気分が悪くなる
というかもう頭はふらふらの限界で
ずっとぼおっとしている



愛二がその間にコーヒーとフランスパンを買ってきてくれると言う
有難い
お願いする

けれども全く僕の中の状況は回復しない


バスの席が決まる間シンカフェオフィスへトイレに行って戻ってくると
バスの回りに真っ赤なTシャツを来た三人組が何かを探している姿が見える
昨日の大学ゼミグループの女性陣三人が見送りに来てくれたのだ
目が覚めるようなベトナムの国旗をあしらった真っ赤なTシャツを着ている
何故かユミエさんだけは真っ赤なエルモもTシャツだったが

前日に起きれたら見送りに行きますって言ってくれていたのだが
まさかこんな時間に本当に起きて見送りに来てくれるなんて

感謝で一杯



なのだがまだ頭はすっきりしていない
本当に有難うございます
しっかりした話も出来ずにただただ感謝を述べるので一杯一杯だった気がする

ごめんなさいね



そんな中待ってました愛二がアイスコーヒーを買って戻ってくる
その瞬間にすぐにスタッフが中に乗れと
席は用意できたからと背中を押される






そんなばたばたのホーチミンシティの出発
ベトナム南部とのお別れ





外を感傷的に眺めようと思ったのだが
隣の家族連れの人とさっきの失礼を詫びながら少し会話し
コーヒーを少し飲むと

逆に安心感からか寝入ってしまった




20091221-1.jpg


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Profile
    ふらふら何処かへ酒飲んで本読んで人と話してぼーっとして海に入って空飛んでバスに乗ってまたふらふら何処かへ、、何処へ?うーん。。とりあえずの試行錯誤継続鍛錬。

    2009年5月、日本を後にし、ゆっくりだけどそのうち加速予定。

    未熟ながらもなんとか自分の言葉で世界を書き起こしたい。ただいまその道中。


    name : LAN
    now : Quito ( Ecuador )
    latest update : 20120816
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